天皇と日本のナショナリズム_神保・宮台マル激トーク・オン・デマンドIV

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  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393332481

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  • 「象徴天皇は立憲君主制君主ではない」という指摘が胸に刺さる。
    悠仁親王誕生前夜、次が秋篠宮では年が近すぎ…旧宮家とは10代以上離れているが復権させるのか?バカ小泉純一郎は「愛子様を天皇に」…専門家のいない有識者会議に、漫画家まで動員して「これは陛下の意向(に違いない)」/「国家の象徴」が意思を持っていいものか?神輿は軽いから千年以上続いてきたのではないのか/「国民主権」憲法と天皇=元首は矛盾する。明仁さまの自制(アメリカ製の教育と体制の圧力)によって矛盾が表面化しないが、「陛下が天皇を辞めたいとなったらどうなる」は現実化した/祭祀に特化するといいが大混乱が予想される

  • 表題のテーマが少しずつ異なる切り口で語られる鼎談集。あとから加筆されている部分が多い割りに、(特に宮台発言)同じような内容が反復されるのが少しうっとおしい。しかし右から左までうまく話をあわせ(つつ裏切)る技はなかなかのもの。

  • 日本人がこれから依存体質を改めて、自立するにはどうしたらいいのだろう。日本人のヘリテージって何だろう。そもそも「ニッポン」なのか「ニホン」なのか。

  • 印象論なのだけど、どうしてもやっぱり「なぜそうなったのか」ということを、歴史から内在的に解きほぐす、という視点が無いことに違和感を覚える。明治維新からは脱亜入欧で、戦後は経済発展での立ち直りでみんな頑張ったんだけど、今はそういう目的が無い。という神保の指摘もそうだ。右翼も左翼も罵倒する宮台の視点は、現状としては当っているのかもしれないけれど、「憲法パトリオティズム」を生み出すチャンスが戦後にはあったのに、それは経済発展の前に潰えた、ということを指摘するだけで、それがなぜだったのか、ということろを日本の社会の中から内在的に原因を引き出していない気がする。

    まあそれでも、「つくる会」への批判なんかは、歴史学会がこれまで出していなかった形ででの批判だと思うし(多分)面白かった。あとは、なんでも二元論的なわかりやすさに還元してしまう(というかそうしないと理解できない)日本社会の現状なんかは僕も強くそう思う。

    一番面白かったのは大塚英志のところだったのだけど、僕もやっぱり大塚派だなあと感じる(それこそ、宮台と大塚がどっちが「好き」か「嫌い」か、という問題かもしれないが)。今はサッカー日本代表を応援するのも単なるお祭り騒ぎ程度の軽い気持なのかもしれないけれど、それがいつの間にか、ウルトラナショナルの論理にすり返られてしまう可能性があるんじゃないかと、そんな気がしてならない。論理的にどう入れ替わるのか、っていうところまではまだ説明できないけれど、すくなくとも、そういう危惧は持っていたほうがいいんじゃないかなあ、とは思っている。

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著者プロフィール

ビデオジャーナリスト。1961年東京都生まれ。国際基督教大学(ICU)卒業。1986年、コロンビア大学ジャーナリズム大学院卒業後、AP通信など米報道機関記者を経て1999年日本初の独立系インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」を設立。同局報道番組キャスターのほか、CS朝日ニュースター「ニュース解説・神保哲生の眼」、TBSラジオ「Dig」などでもキャスターを務める。

「2012年 『メディアの罠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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