神仏たちの秘密―日本の面影の源流を解く (連塾方法日本 1)

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著者 : 松岡正剛
  • 春秋社 (2008年12月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393332887

神仏たちの秘密―日本の面影の源流を解く (連塾方法日本 1)の感想・レビュー・書評

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  • ☆2(付箋7枚/P375→割合1.87%)

    写真が結構多いので、対ページ付箋割合が下がっています。
    この塾、前田日明とか福原義春(資生堂名誉会長)、鳩山由紀夫とかいらしていて、その写真を見るだけでも面白いのですけれど、とにかく松岡正剛です。

    個人的に収穫だと思ったのは、松岡正剛の編集者として良く語る言葉について考察が得られたこと。
    彼は方法の時代であるとよく語ります。主題ではなく、述語を問うべきだと。様々な編集術、読書術、知のアウトプット方法を考察し、試された方の言葉で言いたい事は分かる気がするのですけれど、何故主語より述語“である”と言い切れるのか今一掴めていなかった。
    でも、本書でこう語られています。

    “誰だって好きなものがいろいろあります。
    きっと、たったひとつのジャンルのものを限定して好むということは、めったにないと思います。でも、「たくさん」という状態をそのまま保つことは案外難しくて、たいていそれらはジャン ルというものに分けられて、「どういうジャンルの音楽が好きだ」とか「これこれのジャンルのアートが好き」といったところに追いやられていってしまう。
    そこをそうしないで、なんとかもう一度述語化してみる。好きなものがあれば、それをさまざまに言い換えてみる。そこからもう一度主語に戻していったときに、今度はたくさんの主語が騒然と立ちあらわれていくはずです。”

    ああ、そういう事だったのか。好きなものを、読書とか歴史ものとかミステリとか伊坂とか、ジャンルの主題で整理してしまわないで、好きだと感じたその部分をもっと大事にしたい、そういうことか。

    あと個人的には、
    “しかし現代の日本では、あえて不足をつくるという方法がかなり失われています。つねに満点か平均点以上ということを求め、誰もが満足しているかどうかを、CSM(顧客満足マネジメント)なんてのがまさにそうですが、物事のオーダーにしすぎてきました。”

    というのが仕事に関連してツボでした。不足はどこにでもあるので、それをあえて美とする方法。
    誰もコールセンターに求めてないと思うけれど、勝手に追求します(笑)。

    ・最初のタテの太政官札のときは、加納夏雄などの、当時の最高の彫金師たちがデザインをしたんですが、それがふいに欧米顔の神功皇后の肖像が刷られたヨコの紙幣に取って代わったときに、洋才が和魂を凌駕してしまったんですね。おそらくそこから明治が、日本が崩れていったのだと私は見ています。

    ・誰だって好きなものがいろいろあります。
    きっと、たったひとつのジャンルのものを限定して好むということは、めったにないと思います。でも、「たくさん」という状態をそのまま保つことは案外難しくて、たいていそれらはジャン ルというものに分けられて、「どういうジャンルの音楽が好きだ」とか「これこれのジャンルのアートが好き」といったところに追いやられていってしまう。
    そこをそうしないで、なんとかもう一度述語化してみる。好きなものがあれば、それをさまざまに言い換えてみる。そこからもう一度主語に戻していったときに、今度はたくさんの主語が騒然と立ちあらわれていくはずです。

    ・何かが不足している状態というのは、ふつうは不満の対象でしかない。しかしそのように考えるのではなく、満足の美というものがあれば、同時に不足の美というものがあるのだと考えるんですね。ときには、むしろ不足によってこそ、完全や満足というものではあらわせないことが出現するとみなす。不足をいかに美しく するかということによって、人々のなかに満足の美というものを感じさせるのです。『枕草子』はそれを「小さきもの」と言いました。イサムノグチは「不完全こそが美だ」と言いました。
    しかし現代の日本では、あえて不足をつくるという方法がかなり失われています。つねに満点か平均点以上ということを求め、誰もが満足しているかどうかを、CSM(顧客満足マネジメント)なんてのがまさにそうですが、物事のオーダーにしすぎてきました。

    ・稽古の「稽」は一文字で何と読むかご存知でしょうか。「稽古」と書いて、「古(いにしえ)をかんがえる」、あるいは「古きをおもう」と読むんです。この「古」というのはべつに古い時代という意味ではない。むしろ「型」という意味なんですね。

    ・この三柱の神を日本神話学では造化三神と呼びます。そこから次々に大地の神や島の神や風の神などが生まれ、七代目にイザナギ・イザナミの男女神が生まれる。これが日本のアダムとイブです。
    (その二人からアマテラスとスサノオが生まれる。最初にヒルコが産まれ、出産が失敗する。男性から声をかけるように方法を変え、たくさんの子供を産んでいく。)

    ・王朝の貴族社会とちがって、武家というのはどこで死ぬかわからない。公家ならば、阿弥陀堂や来迎図にすがって、死んでもすぐに浄土へ行けるかもしれません。しかし武士は、とくにそのころの東国の武士は戦場から戦場へと移動しながら、いつかは負けて、知らない土地で命を落とすということをつねに覚悟していなければならなかった。
    …兼好法師が『徒然草』のなかで、花は盛りよりも散ったあとがいい、賀茂の祭りは終わったあとの寂しさのほうがよい、本は新品よりも綴じ糸がほつれているようなものがいいと書いていますが、そのような美意識もこの顕密体制とともに生じていったのではないかと思います。

    ・日本の美術や祭りでは、浄土と穢土、この世とあの世、hereとthere、こことむこうというものの関係が、何も変わっていないんじゃないかと思うくらいに、近いところにあらわされています。「このまま」が即「そのまま」になっていく。
    たとえば茶室が四畳半から二畳台目まで小さくなると、「このまま」から「そのまま」へのトランジットは、さらにごくわずかなものになる。でも、そのわずかなことのなかに、永遠の距離が「近さ」に変じるということが感じられる。その感覚をつくったのが、無常観であり、天台本覚思想だったわけですね。
    ところが、じつはそのときに何かが省かれているんです。引き算されているものがあるんです。引き算によって、ふえているものがある。そんなことがありうるかとおもわれるかもしれないけれど、ありうるのです。
    たとえば枯山水は、水を感じたいから水を引いたわけでしょう。引けば引くほど水を感じるというものです。

  • 日本史や仏教などへの理解がイマイチ足らないと感じていた自分。もしこの本が、私が高校生くらいの時に出版されて読んでいたら、受験勉強をする時の意識がぐんと変わったかもしれない。もっと早く出会いたかった。

  • 中世を考えて、古代が必要になった後この本に辿り着いたので正しい順番で巡り合えた

  • ハイパーリンクしまくる、といった感じの本。ひとつひとつの内容に関してはそこまで掘り下げはないと思われたので、もう少しいろんな知識がついてから読み返した方が楽しめると思いました。
    個人的には日本神話に関するところが面白かったです。

  • [ 内容 ]
    <1>
    衝撃の日本論!!
    つまらないニッポンに喝を入れる一途でパンクなセイゴオ流・高速シリーズ、第1弾。

    <2>
    山水ラディカル、侘び寂びアバンギャルド。
    「見えないもの」を「魅せる」、方法日本、究極の「負の想像力」。
    日本美術の見方が一変する。衝撃の日本論第2弾。

    <3>
    日本は何を失い、何を得たのか。
    「これまで」の祖国、「これからの」母国。
    津波と原発の波涛を越えていますべての人に伝えたい、渾身のメッセージ。
    3・11を予見させる「負の想像力―地震と枯山水」収録。

    [ 目次 ]
    <1>
    第1講 日本という方法 笑ってもっとベイビー無邪気にオン・マイ・マインド―外来文化はどのようにフィルタリングされてきたか(比良八荒を「次第」にこめて;正負を合わせるてりむくり;絶対矛盾の自己同一 ほか)
    第2講 神話の結び目 住吉四所の御前には顔よき女體ぞおはします―日本にひそむ物語OSと東アジア世界との関係(グローバル・スタンダードをめざさない;物語には「型」がある;モノに赴く物語 ほか)
    第3講 仏教にひそむ謎 重々帝網・融通無礙・山川草木・悉皆成仏―仏教的世界観がもたらした「迅速な無常」(東洋をコンピュータ化する;宮沢賢治と法華経;近代史のなかの法華経 ほか)

    <2>
    第4講 「文」は記憶する 目の言葉・耳の文字・舞の時空・音の記譜―インタースコアとインタラクティブシステムの歴史(並列する文化;インタースコアとしての日本;森林文化のメソッド ほか)
    第5講 日本美術の秘密 白紙も模様のうちなれば心にてふさぐべし―枕草子・枯山水・宣長・幕末三舟・イサムノグチ・三宅一生(梅窓院から日本を考える;「連塾」とは編集の場である;「好み」とは何か―椅子は奏でる ほか)
    第6講 「負」をめぐる文化 正号負号は極と極。いづれ劣らぬ肯定だ―引き算と寂びと侘び(夢窓・心敬から天心・九鬼へ)(「場」と「関係の発見」人は自然か、人工か;日本の健康状態;日本になったもの ほか)

    <3>
    第7講 面影と喪失 誰そ我にピストルにても撃てよかし伊藤のごとく死にて見せなむ―なぜ日本人は喪失をもって面影としてきたか(日本は何を失ったか―喪失の昭和史;思い出のなかのリアル;日本の「分母」はどこにある;ナショナリティとジャパン・マザー;グローバルvsローカルの境い目で ほか)
    第8講 編集的日本像 雪が舞う鳥が舞うひとつはぐれて夢が舞う(または一宿一飯の義理)―メディアステートとしての去来日本(“北の螢”はどこにいる―明滅する日本;「テ・ニ・ヲ・ハ」の方法論;“ぼくら”はコメの民族だ;エディティング・ジャパン―外来コードと内生モード;「型」のゼネレーション―方法日本「五つの窓」 ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 方法日本、正剛ワールド堪能しました。

  • 「日本という方法」について松尾正剛による講演を書籍化したもの。
    日本的な感覚、考え方、捉え方などを理解度するため日本神話や仏教を詳しく解説していく。日本神話の解説では歴史と照らし合わせてわかりやすく詳しい解説でとても面白かった。古事記を最近読んだばかりなので、深く理解できた気がした。しかし、古事記の解説というのは専門家によっても様々な解釈があってとても面白い。そして、仏教から発展した物事の捉え方や感じ方などの日本的な感覚が発生しているのがとても勉強になりました。

  • 日本を知るっておもしろい。特に神話の話がわかりやすく、流れも図解されていてわかりやすかったです。難しそうな、取っつきにくいことも、セイゴオさんに説明してもらえるとしっかりと入ってきます。

  • 「日本」についての本だけど、この本はすごい!知的興奮の連続。面白すぎる。
    もう日本人は全員この本読んだほうがいいね(笑)高校の教科書にしたらいいと思うわ(笑)

  • (要チラ見!)

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