33個めの石 傷ついた現代のための哲学

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著者 : 森岡正博
  • 春秋社 (2009年2月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393332917

33個めの石 傷ついた現代のための哲学の感想・レビュー・書評

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  • 哲学って何なんだろうか。。
    結局よくわかんないけど、きっと色んな視点で物事を見るということなのかな??

    当たり前にある世界をいろんな視点からみて、なるほどこんな考え方があるんだ。と、ふむふむと読んだ本でした。
    不思議な気持ちになった。
    33個目の石の話、エピローグは言い方変だけど心があたたまるというか、きちんと信念を持っている人がいて、すごいなーと思ってしまった。

    物事を、この生きている世界をもっとキチンと考えて、もっと向き合うとが大切。
    傍観者すぎる

  • 33個めの石にはなるほどと感銘をうけました。亡くなれば、平等に追悼するのはしごくあたりまえである。福知山脱線事故では
    運転手は追悼から外されたのは残念だ。赦すことの難しさを象徴的に感じられた。

  • 33個目の石、確かに考えさせられます。
    答えは一つでない。
    よりよくあるために考える。

  • 題名が秀逸。

  • 「無痛文明」という言葉を目にして著者にたどり着き、軽いものから探して読んでみた。短くまとまっていて読みやすい。殺人や戦争、生命倫理などの重い主題について、易しく、そして優しく述べられていた。

  • 1つの話題は2ページで終わるのでとてもあっさりしている.
    そのテーマについて掘り下げるというよりは、思いついたことをさらりとめもしてみたような文章.
    時折話題にのぼる未来においての科学的、医学的な問題はかなり著者のバイアスのかかった想像に基づいているのがやや気になった.
    哲学者だが、自身の情感、後ろめたさなどもたっぷりと記述しているところに好感がもてる.
    アメリカの大学での無差別殺人事件で犯人にも追悼の石(33個目の石)を置く人がいれば、取り除く人がいた.大学は犯人の墓石は作らなかったし、日本の福知山線脱線事故でも運転士の追悼がなされなかったエピソードなど、どちらもすっきり割り切れる問題ではないが心に引っかかるものがあった.

  • 33個目の石という話をご存じですか
    お金にならない事実はニュースにすらならないようです
    恨みつらみや癒しは手っ取り早くお金になりニュースになります
    しかし波立たない事実は興味を惹かず気休めにもならないので
    お金儲けになりにくいのでしょう

    33個目の石とは
    あの有名な無差別乱射事件
    バージニア工科大学で32人が殺された話です
    犯人もその場で自殺しました
    殺された32人の家族が供養のために石を32個並べたのだそうです
    最後に自殺した犯人のために置かれた石が
    33個目の石だったのです

    その後学校側で供養のモニュメントをつくったそうですが
    そのときは32個で設計されたということです
    人の集いを通り越して公的集団になると
    心がかたくなになるようです

    心を閉ざした悪魔の世界では悲惨な話を好み
    尾ひれを付けてお金を絡めて話題にしますが
    こんな静かな事実はお金にむすび付かず喜べないので
    ニュースにもならないわけです

  • 2006年、バージニア工科大学で学生が銃を乱射32人の学生、教員を死傷させた事件から読みとる現代社会の中での命とは何か。なかなか含蓄の深いエッセイ集。

  •  この本を読んだから何かがわかるという本ではない。読んだあとからが世界に問いを発する始まりの本。
     ~主義だとか~論というようなお堅いいわゆる哲学語は出てこない。しかし、人の命や価値であったりその集合体である社会について、現代に生きる私たちが直面している様々な痛みをテーマとしたエッセイ群をもって、現代のほころびにびしびしと疑問が投げかけられている。
     どこかおかしい現代の社会や科学に「ちょっと待った、それでいいの?」と問いかけるために今私たちが考えるべきことがあるんだよ。
     赦しについて、自殺について、痛みを忘れてしまいたい社会について。戦争、差別、監視、「みんないっしょに」、歪なこの現代世界につまずく私たちそれぞれが無視していてはいけない、多くの問題を考えるための、現代の哲学入門のたための気づきを与える本。

  •  「赦す」ということ。著者はそこから書き始めている。
     NHKドラマの『白州次郎』で、次郎の妻正子が「赦さなければならない。なぜなら私も赦されているのだから」と独白していた。あの何者も恐れぬ男の妻にして自らが誰よりもエキセントリックな生き方を貫いた白州正子の台詞だった。あのドラマの中で最も耳に残ったひと言だった。

     表題の『33個めの石』とは、米国の大学で起きた銃乱射事件の被害者を追悼する32個の石と、事件直後に自殺した犯人を「赦し」ともに弔らおうとして置かれた33個目の石、のことである。大学当局はその33個目の石を公認はせず何度か取り除くのだが、何度除いても誰かが1個置き直す。勿論のことだが著者は、犯行を絶対に「赦せぬ」とする多くの人びとにも共感する。だが、やはり誰かが33個目の石を置いてくれることの救いも公平に賞賛している。
     深い話である。やはり哲学と呼ぶにふさわしい。

     著者の哲学を貫いているのは素朴なヒューマニズムの感覚だと私は思う。だから宗教の嘘臭さを指摘する。そして教え子の自殺を深い感受性で悼むのだと思う。「どうして自殺はよくないのか、それは私が悲しむからだ、と言いたい気持ちが私にはある」と彼は言う。
     「素朴な」とは、上から目線のエラそうな表現だったかもしれない。だが、私自身、なぜ自殺しちゃいけないのか、なぜ人を殺しちゃいけないのか、そして被害者は言うに及ばず加害者の命とてなぜ尊いのか、という問いには、宗教や倫理の小難しい理論じゃなくて、他の事はともかくコレばっかりはいけないからいけないの、と信じたい。だから著者の主張には完全に共感できる。

     なぜだか昨今不寛容になってしまった世界。世界ばかりじゃなく若者も年寄りも皆自分流にばかりこだわり、自分サイド以外の存在に不寛容に成り下がってはいないだろうか。私たち自身の悩み苦しみから私たちを救い、ひいては世界をも救う手だては、「33個めの石」の中にある。そのメッセージを私は確かに著者から受け取った。

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