- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393333068
作品紹介・あらすじ
ネット社会=ファスト、スローライフ=田舎暮らし、そんな風に思いこんでいませんか?ネット社会はほんとうは、もっとゆっくりでもいいんです。携帯もパソコンも捨てずに可能なスローなネットライフ、皆さんもいっしょに考えてみませんか。
感想・レビュー・書評
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近年のシステム化やiPhone等のデジタルデバイス化、ネットワーク化に対して、アンチテーゼを一考する書。コンピュータ工学での経験後に文系の学問も同時に研究した著者が、学問的にITのあり方について述べている。私がプライベートでも仕事でも「ファストIT」側の人間であることを前置きしておくが、この本に関しては、主観的な主張の域を出ないと感じている。確かに「スローIT」として筆者が説く、身体的活動を伴うコミュニケーションの促進にITを使うべきではあるが、それが「ファストIT」を止めることの理由にはならない。本書では技術哲学的な視点が多いが、もっと政策的・経済的観点も含めて、筆者の言う学際的な論がほしいところ。
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資料ID:W0159930
請求記号:007.3||N 81
配架場所:1F電動書架A -
日本語文章として読みづらい。展開、流れが悪く、うーーーんセンスが無いのかなと…でもタイトルの通り、すごくいいとこ掠ってるので絶賛惜しい感じでした。タイトルテーマから逸れないようにしてくれたらよかったんじゃないか。テーマを念頭におけば、違う具体例や展開の仕方があったんじゃないかと思いました。
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「スローネット」という矛盾するようなタイトルに興味を惹かれて手にとった。ますます高速化がすすむインターネットを中心とするファストITに対し、ものごとの処理を現行より遅らせる能力をもつ情報技術をスローITと著者は呼ぶ。フランスの思想家ヴィリリオやマイクロソフトからGoogleやAppleといったアメリカのIT企業を産み出してきた「フロンティア精神」に触れながら、数理主義に基づくIT社会の行き着く先で、人間の存在が「機械的要素」とみなされてしまう恐れに警鐘を鳴らす。ローカルな場で創造される価値を大切に育む、というあたりに著者のスローネットにおいて目指すものがあるようだけど、結局スローネットってどんなもの?というイメージがつかめず、読み終わりはモヤモヤしてしまった。その答えはこれから自分達でつくっていくものなのだろうけれど・・・。
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マウスイヤーと呼ばれ、目まぐるしく変わる日常風景の流れに対し、警鐘を唱える書。同世代からの主張ではなく、筆者は60歳を超える高齢者。そのため、自身の生活に根付いたものになっている感は否めない。人間にとっての価値を主観的で多元的なリアルなコミュニケーションにおき、身体性の回復を促している。たしかに私自身も、この窮屈なつながりの中で、そのつながりを断ち切りたいと思うときもある。そんな時は、きまってネットやテレビ、ケータイといったあらゆる情報バイラスを遮断したりもする。そうして外界との連絡を絶って、地に足をつけてみるのもときにはいい。だが、そうはいってもやはり、時代の大きな流れというものに人は逆らうことはできない。この流れにのりながらも、いかに楽しみを創造していけるのかが、これから先も尽きない話題になってきそうである。
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ソウトウェアの研究開発者であった著者が、効率やスピードをひたすら追求するITに警鐘を鳴らす一冊。基本的な趣旨は賛同ですが、リアルタイムといわれるツイッターが飲み会のTLで賑わっているのを見ると、あまり心配ないような気もします。冒頭で、「昔々、ネットワークのメディアは毛繕いだったらしい」とあります、酒を酌み交わすなんぞはかなり近いのではないかと^^
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生産効率性のみを目的としたITを「ファストIT」と定義づけその対極に「スローIT」があるという論理だが、ではその「スローIT」とは何かというとイマイチ判然としない。ファストITに対する批判はもういい、それなら貴方なりの答えをきちんと示して欲しい。