働く人の資本主義 〈新版〉

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  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393333303

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  • お互いに助けあうことが日本の伝統である互譲互助の精神であり和の姿でえある。それに対して、外国は権利思想、個人主義である。日本人は、日本の和の姿で、対立闘争で行き詰まっている世界に平和と福祉の在り方を教えるべき。

    資本主義の欠点は搾取。利点は能率主義。
    社会主義は国営だから非能率で、共産主義は悪平等で人間性を無視している。そこで、社会主義、共産主義のあたらく人のため、という点と、能率主義の資本主義を組合せて、働く人の資本主義、といった。

    享楽は生活の不安定を招く。遊んでいるときは心が非常に不愉快に感じる。

    株主の搾取、経営者の搾取、消費者からの搾取(売り惜しみなど)。
    無私でない行為はすべて搾取。自分の利益のために人を犠牲にすることはすべて搾取。

    自由を尊重する。権限規定がない。不真面目なのは叱った。

    生活の安定を享楽と考えてはいけない。耐乏生活も生活の安定。

    人間尊重と年功序列は不可分。労働の対価ではなく人を重んじる。
    給料は労働の対価ではなく、労働に対する真の報酬は仕事を楽しませること。権限の規定もなく自由に働かせれば、時間を超越して仕事を楽しむことになる。

    自分のためでなく、お互いのために自発的に働くことが少数精鋭の力になる。対立関係をまとめるために組織があるのでは、力を発揮できない。
    本人が楽しむ仕事を与えて自由に働かせる。
    お互いのために働く、という前提があれば、働くことが楽しみになる。

    出来の悪いのを切る少数精鋭は利己主義。家族温情主義は、みんなをひっかえて一致団結する。

  • 給料は労働の対価ではない。労働に対する真の報酬は仕事を楽しませることです 組合の良し悪しは、結集した力を建設に使うか、破壊に使うかです 共産主義のように平等と公平との区別がわからないような主義はダメだ 西欧の民族は、我欲・利己・征服・搾取の祖先にはじまり、本来、物を中心として対立抗争思想的土壌の上に生まれた民族である

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著者プロフィール

1885年、福岡県赤間村に生まれる。 1905年、神戸高等商業学校(現・神戸大学)に入学。 1911年、満25歳で独立。門司市に出光商会を設立。日本石油の特約店として機械油を扱った。1940年、出光興産株式会社を設立。 1953年、イラン石油輸入(日章丸事件)。日章丸が石油を国有化し英国と係争中のイランから、ガソリンを満載し日本へ。英国は積荷の所有権を主張するも出光の勝訴が決定。1972年出光興産の会長を退き、店主に就任。1981年95歳で死去。

「2016年 『人間尊重七十年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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