- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393361160
作品紹介・あらすじ
あなたの「リアル」、大丈夫ですか?不安と焦燥はびこる日本に、心を操作し、精神を破壊しようとたくらむ者の影。最先端の認知科学、機能脳科学に博通した若き鴻学が現代のリアリティ・クライシスに真っ向から挑戦。
感想・レビュー・書評
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著者はビジネスマン向けの自己啓発本を多く書いている印象だが、そうした軽い本とは一線を画する本。題材がオウム真理教と古いが、現在でも統一協会のような問題が繰り返されていることを考えれば有益な情報源になりうる。
何より苫米地英人に洗脳されないために読んでおくべきだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の「スピリチュアリズム」からこの本を知った。カルトの勧誘には気を付けたい。哲学書をたくさん読んで日々の不安や心配を取り除けるようになりたいと思った。
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ディベートを勉強してみたい
編成意識ってどう生み出すの?最初が大事、成瀬悟策
ディベート、催眠療法、徳島大学の研究室
*相手が理解できる限界よりも少し早く喋り30-1時間;情報処理の容量がオーバーして変性意識状態に入る
*否定的に考えていた概念や命題を徹底的に考え抜いて、皇帝に転じた瞬間に入りやすい;相手の思考パターンを掴んだ(全て記憶して論理構築を頭の中でビジュアル化)のち、もう一度持論を相手に説明させる(こちらの知識を教えるというスタンスは決して取らない、向こうの考えを教えてもらい、それについてどんどん質問をするーについて聞かせて)と、最終的に持論自信が打ち砕かれる仕掛けにする
*概念空間;話の内容を全てビジュアル化、論理や言葉を色と形で相手に示して空間に置いておく、後で並べ替える
*感覚遮断、期間を教えない、知識のない状態
*ブリーフセラピー;短期間で起こさせれる、ベトナム戦争以降のアメリカ
洗脳;思考行動感情をコントロール
変性意識状態が必ず介在する;意識が変形して夢を見たり、酩酊したような感覚。無意識レベルの心的内部表現が外在かするから外からアプローチしやすい;仮想の情報に対してフィードバック反応を起こす
α波、呼吸、瞑想、ドラッグ、バイオフィードバック
神秘体験に至る;圧倒的な体感と感激。イメージングで空間を創出する
トリガーというメカニズムを利用して引き起こせる;神秘性や宗教性と何ら関係なく、単なる技術だとはっきり説明すれば、神秘体験は無力化する
トリガー;音樂、マントラ、祈り、声の調子やリズム
可能性世界;空想の世界
1;可能性世界の命題が現実世界の心と体に影響を与えるメカニズムをつくる(縁起が悪いと寒気がする)
2;可能性世界の臨場感が現実世界の臨場感より強くなるようにする、没頭
3;暗示をかけて再現性を持たす、アンカーの植え込み(独特な用語;臨場感状態を固定化、現実世界を希薄化)
4;アンカーをありとあらゆるものと結びつけることで洗脳がとけかけてもすぐに戻る状態になる
意識の暗闇;ダークネスバウンダリー。これを超えた教祖とその周囲の勘違いがカルトの発端
脱洗脳
1;アンカーの発見 会話中に発見(じっくり聞く体勢)、何度も口に出させて本人にその言葉の作用(どんな感じがするか)を自覚させる
2;アンカーの向こうか編成意識に陥った状態で
入信前の記憶は右側、あとの記憶は左側に分けましょうと指で円を描く
その境界線上にーという黄色のトリガーが浮かんでいますね、それを撮りましょうと風船を割るような真似をする;無意識レベルで効果を滅する
そして、現実世界の記憶である右側の赤い世界とオウムにいた可能性世界の記憶である左側の青い世界をくっつけましょうとぐっと引き寄せる動作
2つの世界が結びつくことで自分を消滅させたり否定せず忘れないで本来の自分に戻れる
空間の支配;オーラ、心をつかむ相手に合う瞬間が大事
無意識の共有;相手が思うがままに話させる;無意識下の情報を認識できる、アンカーを浮かび上がらせるために関わりそうな会話は何度も繰り返す、相手の心の内部表現をビジュアル化し、アンカーを捕える
アンカーの確認;相手の脳内の情報を私の周囲に仮想現実的にビジュアル化、相手にみせて体感させた状態で皿に臨場感溢れるイメージ操作を言葉や仕草をつかって行う
アンカー:自然に編成意識を引き出す短縮(私が右肩を触ったら同じ状態になりますよ、話し方)、生態的なレベルに影響を与えるホメオスタシス機能を作動させる
イニシエーション(メンバー加入)を再確認させる(あれはLSDが混入されていたのだ)
洗脳の手法
フレームの再構築;抱える問題の意味付けを変えてやる(発疹がでるのはカルマなので修行を続けると治る、);こっちのフレームの方が優れていると示す必要がある
ゲシュタルト破壊;いま、この時のみに関心を持たせて本人の過去や未来から切り離す、慣れ親しんだものを攻撃して自我の崩壊を狙う、現実世界で時間の流れに乗っている感覚がない(自分本来の問題に気づけないのは気の流れが悪いから→教団の論理の正当化、イニシエーションとか通じてゲシュタルト破壊する)(トラウマを執拗に思い出させて強烈な変性意識と意識の現実世界からの解離を引き起こす)
ディベート;勝てる方法をより良く説明した方が選ばれる、論理の構築方法は哲学的思考の基本手法である
相手の知識を全部引き出し、その中の本の僅かなほころびを追求して言うことで論理全体を崩壊させる(12時間!)
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かなり、重要なことが書いてあるようだけど、勉強不足で理解不足。
もう少し勉強したらまた読んでみる。
心理学の基本をよく勉強した人には、とても良い本だと思います。 -
著者である苫米地さんの語る、洗脳に関する言論。
すごく面白かったしタメになった。
苫米地さんが経験した、オウム真理教の元信者への脱洗脳のかなり詳しい過程と、そもそもの洗脳のメカニズム、それがわかりやすい文章で書かれていて理解しやすかった。ディベートやアメリカの洗脳事情なんかも興味深かった。
とりあえず、この本を読んだことで、今まで「教育は一種の洗脳」という言い方を自分はしていたのだけど、それは今後止めようと思う。全く異なるし、教育者にも失礼だ。
無意識的にも洗脳に陥らないように、「変性意識状態」と「アンカー/トリガー」、このキーワードは忘れないようにしよう。 -
苫米地さんの最初の本
洗脳、脱洗脳について、実際に脱洗脳をやったからこその知識が詰まっている -
今週刊誌を賑わせている教団の信者や教祖の精神構造がスルスルと見えてきた。
脱洗脳は大変 -
オウム真理教の信者の洗脳を解く任に当たった著者の本。洗脳のステップが明らかになっていて非常に為になる。
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著者の胡散臭さから敬遠していたが、面白かった。
心理学の専門家が書いたというよりは、心理学オタクが書いた感があり、実地に則っている分、他の本より面白かった。
この人の経験のエッセンスであり、他の著書は読まなくてよいかなと。
それより、引用文献がオウム真理教が活動していた当時の空気を反映しており、また、心理学を学ぶ上でも興味深いため、順に当たっていきたいと思った。