苦悩する人間

  • 春秋社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393364734

感想・レビュー・書評

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  • V・E・フランクルの著です。『夜と霧』よりもまだすんなり読めたかもしれませんが、正直日本語がわからない(^^; もういらいらする(笑)翻訳が共著となっているが責任は山田邦男氏が自分でとるとはいっていたものの・・なんともよむ方も飽きてしまうぐらいわからない部分もありました。あらためて翻訳の重要性がわかります。ただ、時折わかりやすい日本語になっているものがあるのは、お二人のどちらかの訳なのでしょうか。そう思わせるほど部分的にちがうんですよね。気のせいかしら。どなたか読まれたら感想いただきたい。
     内容というと、意味深な題名ですが・・ウィーン大学での『苦悩する人間の存在論』というテーマで行った講義とそのあとの『心理療法の体系と問題点』というテーマで行ったものに由来しているらしい。
     正直なところ、第一章のニヒリズム批判がまったくわからなかった。これは多分私の知識不足。軽くとばしてよんでみた。この本を手にする前ににひりズムの本があったがやはりあれから読むべきだった。ちょっと後悔。個人的には第二章の人間とはなんであるかの以下の言葉がとても感動した。
    <blockquote> ・・・・つまるところ人間とは何であるのか。もう一度そう問いましょう。人間とは、<u>自分がどのような存在であるかをつねに決断する存在者</u>です。動物のレベルにまで落ち込む可能性と同じほど、聖人的な生にまで高揚する可能性をも秘めた存在者です。人間は、なにしろガス室を発明したた存在者です。しかし同時に、まさにそのガス室へと、毅然とした態度で、主の祈りやユダヤの死の祈りを唱えながら歩み入った存在者でもあるのです。
     これが要するに人間なのです。(p158より)
    </blockquote>
     この分を読んだとき、先日手にしたキューブラー・ロスの『人生は廻る輪のように』で話した強制収容所近くで出会った少女の言葉を思い出しました。
    <blockquote> だれでも、ヒットラーになれるのよ</blockquote>
     人間はどんな状況におかれても、今のそのままの自分を持ち続けることの困難さがよく書かれており、だからこそ・・<em>人間とはなんであるのか</em>・・を問い続けていくことの重要性がわかるような気がしました。
    フランクルは一度読んだだけでは到底わかるはずもなく、二度三度と読み返しが必要ですね。『夜と霧』ももっと深く再度読んでみようかとおもっています。

  • 2006

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