短歌を詠む科学者たち

著者 :
  • 春秋社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393444184

作品紹介・あらすじ

優れた科学者には素晴らしい歌人が数多く存在する。最先端の研究に従事する科学者が、千数百年も長らえてきた小さな詩型に自らの思いを載せるとき、言葉は不思議な輝きを放つ。折々に歌を詠み続けた、湯川秀樹、斎藤茂吉、柳澤桂子ら7人の科学者の生涯をたどりながら、その歌ごころと研究の歩み、両面に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 理数系が苦手な私にとって、科学者というだけで尊敬に値する一方、このように短歌も詠まれているとは驚きましたが、その中の一人、石原純によると
    「科学と芸術とが著しく隔たつてゐるやうに考へるのは、それは科学をも、また芸術をも本当に理解してゐない人々の、まるで表面的な見方に外ならない」
    のだそうです。

    それぞれの生い立ちや研究内容がわかりやすく書かれている一方、短歌を読むと、それぞれの気持ちや考えがわかり、興味深かったです。

    ひたすら受験勉強ばかり、本を読まずに文学史だけ覚えていた自分が恥ずかしくもあり、これから先の進路を考える高校生、大学生に読んでほしい本だと思います。

  • 「優れた科学者には素晴らしい歌人が数多く存在する。最先端の研究に従事する科学者が、千数百年も長らえてきた小さな詩型に自らの思いを載せるとき、言葉は不思議な輝きを放つ。折々に歌を詠み続けた、湯川秀樹、斎藤茂吉、柳澤桂子ら7人の科学者の生涯をたどりながら、その歌ごころと研究の歩み、両面に迫る」

  • 『ひそかな暗夜は
    愛撫にふさはしい感さへ湧くが
    人生は
    永劫にひとりである』石原純

    坂井修一 氏の短歌集をいつか詠みたくなりました

  • 新聞の書評に載っており、科学者と短歌という一見すぐには結びつかないテーマに興味を惹かれたので読んでみました。科学者の詠む短歌ってどんなものだろう、という野次馬根性から手にとってみた、とも言えます。
    物理、医学、生物学、情報工学と幅広い分野の研究やその実情まで、実によく取材して丁寧に著述しており、著者の誠実な姿勢がつたわってきます。そうした分野で先端を走る科学者達が短歌に対しても手を抜くことなく正面から向き合い、紡ぎ出した歌に触れることで、科学であれ芸術であれ、表現することにはきびしさもそこから得る喜びもあると感じました。

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著者プロフィール

松村由利子(まつむら・ゆりこ) 1960年、福岡市生まれ。朝日新聞、毎日新聞記者を経て2006年からフリーランスのライターに。著書に『31文字のなかの科学』(NTT出版、科学ジャーナリスト賞)、『与謝野晶子』(中央公論新社、平塚らいてう賞)など。歌集に『大女伝説』(短歌研究社、葛原妙子賞)、『耳ふたひら』(書肆侃侃房)など。

「2016年 『少年少女のための文学全集があったころ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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