- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393934401
作品紹介・あらすじ
西欧近代に成立した聴衆。その変質・崩壊のプロセスを克明に分析しつつ、クラシック神話の解体現象を現代思想の視座において徹底究明したエキサイティングな音楽文化論。
感想・レビュー・書評
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タイトルが時代を感じさせるが、「音楽の聴き方の近代史」としては、今読んでも面白い本。19世紀にクラシックが確立し、ベートーベンの神話化が進み、複製技術の進展とともにそれが動揺していく・・・という大雑把な見取り図は、今読んでも外れていないと思う。ただ、1996年に書かれた「補章」(初版は1989年)で自己批判している通り、近代と後期近代という二項対立的な見方では、捉えきれないものも多いはず。本書の限界を見定める上でも、この「補章」の意味は大きい。まあでも、「お話」として充分に楽しめる一冊。岡田暁生「西洋音楽史」とあわせて読むとなお良いかも。
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コンサートに行って、「演奏中にプログラムをパラパラめくって音をたてるなんてけしからん!!」と吠える前に読んで欲しい1冊。
今のように、クラシックコンサートがきちんとした服装で静かに座ってじっと演奏に耳を傾けるのが定番になったのはいつ?どこで?なぜ?
普段当たり前だと思ってしまっていることを見直すにはもってこいです。
ブーニン・シンドロームやや第九フィーバーなど、80年代の日本のクラシック音楽の受容についても興味深いお話が盛りだくさん。
日本の研究者達が、曲や作曲家の分析だけではなく、音楽を取り囲むもの、つまり社会との関わりに焦点を当てるようになったキッカケの本と言っても過言ではないと思います。
読みやすいし、鋭いところをたくさん突いています。
音楽をやっている人には一度読んでほしい1冊です。 -
勉強の一端。メディアと環境と音楽の関係性について考える。
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卒論用。
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コンサートの形式ってなにげに最近のものだったことを認識させられる一冊。ポストモダン的な音楽議論の最前線。
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音楽学の本は難しい、と思っていた私を最後まで惹きつけてぐいぐい読ませてくれた。論理が明快で読みやすい。