- Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393935620
作品紹介・あらすじ
ピアニストの内なる世界。ユーモアと機知、優しさと深い洞察…演奏家の本音、内面の世界をあますところなく語る。心にひびく音楽エッセイ。
感想・レビュー・書評
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1年以上前に手にしたこのエッセイ本を、わたしはドライフルーツやスパイスたっぷりのフルーツケーキを少しずつ、少しずつスライスして味わうように、読んできた。音楽が時間の芸術考え抜き(「耳をすませる」と書いている)、世界のかたちを見出していくひとである。本書はそのトムズさんの思索をたどる音符の連なりを、ピアニストの小川典子さんが深い共感をもって日本語で演奏した。本に結晶した音楽といえる。
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イギリスの音楽家から見たウィーンの聴衆。伊達に音楽の都と名乗るのではないと。英国は、音楽に満ち溢れていると思っていたが、クラシックに関しては、そうとばかりも言えないようで。
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ピアニストはイコール芸術家というイメージで捉えらえることが多く、普通の感覚とは違う次元の人(悪く言えば変人)と思われがちだが、この著書は、全くそうした印象がない。
繊細で知的な感性の持ち主によって書かれた、極上のエッセー集。
インディペンデント紙の「クリスマスに最高の一冊」に選ばれたのも納得。これを含めた3冊の著書はいずれもオックスフォード大、ケンブリッジ大の学術書に指定されているとのことで、他の著書もぜひ読んでみたい。 -
友人が贈ってくれた本。ひとりの女性ピアニストの思考を、静かな映像作品を見るときのような感覚で辿れる本。内面をそのまま表した文章は、適切な翻訳が難しそうに思うけど、これは同じく女性ピアニストの訳者の手によるもので、信頼のおける良い翻訳と思った。