カール・リヒター論

著者 :
  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393937860

作品紹介・あらすじ

ただ音楽のために生涯を捧げた"ミュンヘンのカントール"。指揮者として、オルガニストとして"バッハ解釈の規範"となりえた内実を探る。

感想・レビュー・書評

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  • カール・リヒターの音楽作りをいろいろな角度から立体的に捉え、その世界を紹介してくれている。

    特に、音楽に対する解釈だけではなく、リヒターの音楽作りにとって重要だったミュンヘン・バッハ合唱団を育てていくプロセスなどにも触れられており、興味深かった。

    カール・リヒター以降に古楽演奏の世界は大きく転換していったため、リヒターの音楽が時代遅れと言われたりすることもあるが、バッハの音楽やその基礎にある聖書の世界を徹底的に見つめてそれを真摯に音にしていった彼の音楽は、演奏や音楽史研究の動向を超えて感動を呼ぶ力があると思う。

    中でも前半の、四大宗教曲やカンタータの演奏とその音楽作りについて詳しく述べている部分は非常に引き込まれた。彼がこれらの曲のメッセージをどのように解釈し、それをミュンヘン・バッハ合唱団というアマチュアの合唱団を鍛えながらどのようにして音の世界に具現化していったのかが手に取るように分かる。

    改めて彼の演奏を聴きたくなった。

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