- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784394301028
感想・レビュー・書評
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春陽堂から大正時代に刊行された江戸川乱歩中短編集を文庫で復刊したものです。本短編集には、"パノラマ島奇談(1926)""白昼夢(1925)""鬼(1931)""火縄銃(1932)""接吻(1925)"の5篇を収録。"パノラマ島~"は乱歩作品の中でも特に有名ですが、何度読んでも、この悪趣味で濃厚な世界観にクラクラしてしまいます。最後のけじめの付け方まで悪趣味。本短編集の中では、個人的には"白昼夢"がオススメ。10ページ足らずのとても短い作品なのですが、背筋がゾワゾワします。夢と現実の間に足を踏み入れませう。
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『パノラマ島奇談』これは決して傑作などではない。乱歩の駄目なところも嫌なところもすべて詰め込まれた、だからこそ愛さずにはいられない、そんな失敗作なのだ。
『白昼夢』こちらは本当の傑作。乱歩の短編でも最上のものだろう。 -
江戸川乱歩文庫の中で一番買うに適した一冊。とにかく白昼夢を読むべき。短いから。これこそ乱歩の粋だ。立ち読みでもいい。乱歩が書きたいと思って書いたのは、きっとパノラマ島奇談だろうけど。白昼夢にはすべてが詰まってる。
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恐怖と美
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読んだきっかけは、有栖川有栖作品内で紹介されていたから(私はそのパターンで読んだりハマったりするものが多いのです)だったのですが、今まで読んでいなかったことをかなり後悔したほど魅力的な作品でした。
グロテスクながら奇妙に惹きつけられる理想郷。そう何度も読み返したりしていないのに様々なシーンが脳裏に焼きついています。 -
松岡正剛さんの千夜千冊を読破しようと最初に選んだのは江戸川乱歩。
パノラマ島奇譚。
この妖しいながらも、妙に人間臭いお話の世界。
本を読むのを楽しいと感じ始めた子どもの頃を思い出させてくれる、そういう楽しさ、快楽のある小説だった。 -
以外にも表題作のパノラマ島奇談より、短編の接吻のほうが私には面白かった。古い作品なのだがとても読みやすく情景を思い浮かべ易かった。名作。
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ユートピア願望ここに極まれり。
個人的には『奇譚』の方が好き。