暗黒星,闇に蠢く 新装 (江戸川乱歩文庫)

著者 :
  • 春陽堂書店
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本棚登録 : 130
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394301264

感想・レビュー・書評

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  • ■闇に蠢く
    乱歩のエログロ最北端!
    江戸川乱歩で一番好きな作品です。

    本人も語っていますし、乱歩ファンならご存知の通り、筋を決めずにヤケクソ気味に書き進められた怪作長編ですが、ラストシーンの美しさ、神々しさは必読です。
    また、導入で明かされる通り、あくまで劇中作という立て付けも何か香ばしいものを感じてしまいます。

    カニバリズムがテーマなのと前述の通りヤケクソなので人は選ぶと思いますが是非読んでみて欲しい。

  • 暗黒星★3
     不幸な人生を歩んだ一郎。実の父親の意志を受け継ぐ必要なんかなかったのに。明智に電話をかけている最中に襲われるところがいかにも怪しかった…明智を引きこまなければ犯罪は成功していただろうに。

    闇に蠢く★4
     餓死へ至る地獄の中、理性のタガが外れて食人の禁忌を犯し、それを恥じらいつつも食人をしてしまう事は、餓死を逃れても餓鬼道からは逃れられぬ地獄の苦しみであろう。合掌。

  • ☑暗黒星
    ☑闇に蠢く

  • 『暗黒星』
    明智探偵の雰囲気がいつもの感じと違うのと(初期の作品?)、美青年との描写に若干ときめきつつ、言っちゃわるいけどお決まりのパターン

    『闇に蠢く』
    どんな風に終わるのかと思ったら予想外の終わり方でちょっとびっくり。少しとっちらかってるかなあとは思うけど、洞窟に閉じ込められた辺りの描写はさすが!

  • 渋めだ。

  • ■暗黒星
    <主な登場人物>
    ・明智小五郎
    ・伊志田家の人々(鉄造、長女の綾子、長男の一郎、義母の君代、末っ子の駒子)
    ・その他小林少年や警部
    <あらすじ>
     戦災で荒れ果てた東京の麻布K町の廃墟のような西洋館に,奇人資産家として有名な伊志田鉄造氏一家が住んでいた。
    美青年一郎の不吉な予言に始まり,屋敷に巣食う悪魔が伊志田家の人々に襲いかかる。
     一郎の依頼で名探偵・明智小五郎と助手の小林少年が伊志田家に潜む悪魔と隠された秘密にせまる。しかし,義母の君代や妹の駒子が殺害されてしまう。そして,姉綾子の奇怪な行動と謎の失踪。
     深まる答えの見えない謎の罠に,明智小五郎も囚われてゆく。
    <個人的な感想>
    乱歩の美少年描写が神がかっています!!!!ただただ一郎が愛しいです。乱歩作品の中で,1番好きな少年(青年?)かも知れません。

    ■闇に蠢く
    <登場人物>
    野崎三郎…画家,金持ち,異常な嗜好の持ち主
    お蝶…踊り子,三郎の恋人
    ホテルの主人
    進藤…お蝶のだんな
    植村喜八…野崎の友人
    <あらすじ>
     女性のからだ全体の美に異様なまでに執着する野崎は、ある日友人の紹介により理想の肉体をもつお蝶に出会う。すっかりお蝶の虜となり,次第に二人はともに暮らす。
     そんなある日,お蝶が何かに怯えるように駆け落ちを提案する。不思議に思った野崎であったが,最愛のお蝶を思い,野崎が以前行ったことのある人里離れた籾山ホテルへと身を寄せる。
     そこで平和な生活を送る二人だったが,沼の畔でお蝶が姿を消してしまう。事故だと思われる中,野崎はちょうどその日にやってきた進藤に不審を抱く。そこに,友人の植村も駆けつける。
     お蝶の失踪の真実を探る二人だが,何者かによって洞窟に閉じ込められてしまう。そして,その後犯人かと思っていた進藤までが二人のいる洞窟に監禁される。
    <ネタバレ感想>
     途中まで,推理小説気分で読んでいたら,まさかこんな結末になるとは!!洞窟に三人が閉じ込められてからの急展開とゆうか,物語の意外な進行にはびっくりしました。
     そして,この話を読んでいると,もしかすると自分も生まれながらの変態的味覚の所有者ではないかしら?と不安にかられます。乱歩の食人の描写がたまらなく魅力的です。
     ただ疑問に思うのは,最後に野崎がお蝶の心臓だけを食らったことです。彼なら,文字通り骨さえも飲み込んで愛しつくしただろうに…。自らの死を選んだ理由は分かるんですがね。
     それにしても,「甘美にして芳し烈なる物の蠱惑」,その禁断の味はどれほどのものなのでしょうか。

  • これ古本で結構いい値段したな…この一郎青年の描写がなんか(長編の「孤島〜」に比べても)いやに具体的で、逆に一重で色白、黒髪髪を撫で付けた美青年て?と思ってたら、ネットで偶々岩田準一の写真を見つけてああ、つまりこの人ですね先生と思った。

  • 探偵小説の「暗黒星」と怪奇小説の「闇に蠢く」の二作収録。どちらもお気に入り。
    暗黒星は有名所だけど、闇に〜はカニバリズムなので駄目な人は駄目だと思う。

  • その他の収録作品:<br>
    闇に蠢く

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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