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- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784394900849
感想・レビュー・書評
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春陽堂・江戸川乱歩文庫の表紙を飾った、多賀新の銅版画集。
私は別の文庫で乱歩を読んだので、多賀氏の装丁を初めて見たが、原作の筋立てや自分のイメージからかけ離れていて愕然とした。
原作とは全く異なる表現で以て、同じ魔的な世界に行きついたような。多賀氏のイマジネーションの奔流に、ただただ圧倒される。
単純に美しい、とは言えない。硬質かつ緻密な線は確かに美しいのだが、狂気とエロティシズムがあまりに色濃く、強い忌避感を覚える。もはや恐怖に近い。臓物が直接描かれているわけでもないのに、よほど生々しいのだ。
どの作品も素晴らしい完成度だと思うけれど、どうしても生理的嫌悪感を抑えられない。どうせグロテスクなら、『芋虫』も見てみたかったが。詳細をみるコメント0件をすべて表示