銅版画・江戸川乱歩の世界

著者 :
  • 春陽堂書店
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本棚登録 : 72
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394900849

感想・レビュー・書評

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  • 春陽堂・江戸川乱歩文庫の表紙を飾った、多賀新の銅版画集。

    私は別の文庫で乱歩を読んだので、多賀氏の装丁を初めて見たが、原作の筋立てや自分のイメージからかけ離れていて愕然とした。
    原作とは全く異なる表現で以て、同じ魔的な世界に行きついたような。多賀氏のイマジネーションの奔流に、ただただ圧倒される。

    単純に美しい、とは言えない。硬質かつ緻密な線は確かに美しいのだが、狂気とエロティシズムがあまりに色濃く、強い忌避感を覚える。もはや恐怖に近い。臓物が直接描かれているわけでもないのに、よほど生々しいのだ。

    どの作品も素晴らしい完成度だと思うけれど、どうしても生理的嫌悪感を抑えられない。どうせグロテスクなら、『芋虫』も見てみたかったが。

著者プロフィール

1946年、北海道に生まれ。
1965年に上京し、1972年には日本版画協会展に出品を果たす。以降、毎年作品を出品している。
国内外での個展開催や、出版物に作品が使われることも多い。
1973・1974年に版画グランプリ展、
1983年にセントラル版画大賞展に入賞。
1983~84年には、文化庁海外研修派遣員として米国と西独へ行く。
2000年にNHK「土曜美の朝」にて、「版画家・多賀新」が放送される。
2001年には、北海道立帯広美術館にて個展開催。
2005年、市川市民文化賞特別賞を受賞。

1987年に春陽堂書店刊行の「江戸川乱歩文庫」の表紙画に銅版画が使用された。
0江戸川乱歩文庫は2015年にリニューアルの刊行開始、いまも刊行が続いている。

「2019年 『多賀 新 作品集 鉛筆画の軌跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

多賀新の作品

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