建築-新しい仕事のかたち: 箱の産業から場の産業へ

著者 :
  • 彰国社
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  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784395320066

感想・レビュー・書評

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  • この本は、 一言でいうと、空間資源である建築ストック(既存建築)活用を進める。そのためにリノベーション(改修)、コンバージョン(用途変更)を進める。

    このこと自体は、20年程前からいわれているが、その後多様な実例が生まれ広がっている。この本には豊富な事例が満載されている。

    工事が完了したらおわりというのではない。そこからがスタート・・・というか、走ってきているので、そこからホップ、ステップ、ジャンプかな。

    それは建築ストックを豊かで楽しい「場」にして行く。
    その鍵を握っているのは人。
    「主(あるじ)」が常に拠点にいる。
    利用者、オーナーの組織化・・・現代版「家守」の役割

    人と人、人と体験の関係をデザインする。
    ウェブ、(ソーシャル)メディアを使う。

    一つの深い専門を持ちつつ、他分野の専門家と連携出来るような幅広さを持った専門家・・・私に言わせていただければ、スペシャリズムを持ったゼネラリスト。

    多くの分野のそのような専門家をつなぐ多能チーム。
    つぎには多能チームをまとめるプロジェクトマネジメントの専門家が求められる。

    不動産と建築のクロスオーバーも求められている。

    専門家はまちで暮らす、又はまちに拠点を置くが大事である。

    「自ら生活者としてそこで豊かに暮らそうとすることこそ、新しい仕事の基本だ」と結論づけている。

    とても説得力がある。

  • タイトルの「新しい仕事」に惹かれて。ストックや「場の産業」について書かれた本。建築の専門用語がごりごりではないため、比較的読みやすかった。

    既存建物の再生は、もともとの個性をいかし、新築ではありえないことができるのが醍醐味/既存建物は、新築と違い、体験できる空間が存在する/空間資源の時代性への評価は人によって異なるが、いまの時代では再現できないものとして、少しずつ評価が高くなってきているのではないか/建物の活用→エリアの価値up→建物の資産価値up/空間資源の固有性とそこでの体験をあわせる

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784395320066

  • 箱の産業から場の産業へ
    というサブタイトルの通り、「生活する場から発想し、空間資源を発見し、空間資源の短所を補い長所を伸ばし、空間資源を「場」化し、人と場を出会わせる」(p. 137)という新しい「建築」系の仕事の現れを素描するもの。

    こうした動きには、私も比較的近しいところにいるので、よくわかる。従来の建築教育の拡張の方向性としても重要だ。空間を場所にするデザインのドライブさせ方を考えることが仕事になるのだ。

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著者プロフィール

1957年生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。東京大学大学院工学系研究科特任教授。著書に『空き家を活かす』(朝日新聞出版、2018)、『ひらかれる建築』(ちくま新書、2016)、『「住宅」という考え方』(東京大学出版会、1999)、など。

「2022年 『和室礼讃 「ふるまい」の空間学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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