ここまで来た「あの世」の科学: 魂、輪廻転生、宇宙のしくみを解明する (ノン・ブック 354)
- 祥伝社 (1994年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396103545
感想・レビュー・書評
-
※2001.7.27購入@読書のすすめ
2001.9.9読書開始
2001.9.15読了
2007.11.18売却済み詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あわれ、ガリレオ
-
とても面白かった。
あの世について、これまでの科学の限界を示しつつ、ニューサイエンスの立場からの考察を行った本。
我々が済んでいるこの世を明在系、この世の時間・空間・意識が一緒くたに「たたみこまれた」世界を暗在系ととらえるデビッド・ボームの仮説を支持し、暗在系こそがあの世であると本書は主張する。
また、暗在系は、現代の科学では観測不可能な、超ひもの長さ以下の極小スケールの領域に存在し、全宇宙に時間的、空間的に不均一な濃度で分布しているのではないかと説く。
禅やタオなどの東洋哲学で、一つは全体であり、全体が一つであるなどと言われても正直よく分からなかったが、本書の主張に照らし合わせてみると、とてもしっくりくる。
また、超能力や超常現象について、全てが嘘や幻覚では片付けれないのだろうな、と普段から感じてはいたが、こういった理論で説明がつくことは驚きだった。
禅問答で、あえて矛盾した問答を投げかけることにより論理的な思考を捨てさせるというのも、長年なぜそんなことをするのが悟りに至る道になるのか理解できなかったが、禅は暗在系の知覚に至る方法であり、暗在系とはそもそも我々の常識で割り切れるものではないのだという立場に立つと、理解の入り口に立てたような気もする。
一見してトンデモ本と思えるような題名だが、筆者の態度は根拠なくオカルトを肯定するようなそれでは決して無いと思う。
東洋哲学や超能力、ユングの集合的無意識に対する仮説は少し断定的であるような気もしたが、筆者もそれを承知で、楽しんでこういう書き方をしているのだろうな、という印象を持った。
ユリ・ゲラーの名前が出てきたり、読んでいて拒否反応が出てしまう人もいるだろうが、前書きにもあるとおり、肩の力を抜いて楽しんで読めばいいと思う。
「タオ自然学」は正直自分には難解で、東洋哲学の概念と最新の理論物理学は似ている、以上の意図を読み取ることができなかったが、本書を読んで、理解が一歩深まった気がする。 -
物理学の考察から、四つの力を統合する理論はミクロ過ぎて現状では観測不能なところにあるのでは?とします。そのエリアは、時間の概念がなく、一つの大きな生命のようなもの。つまり自己であり地球であり、過去であり未来である。あの世、とはこれではないか、と考察を加えます。何度も読み返すべき本、と思いました。
-
もっと畏くなりたい
-
前著『「超能力」と「気」の謎にいどむ』 (1993/2/16 講談社 ブルーバックス刊)から、「あの世」に焦点を当て詳述したもの。
併読をオススメします。