- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396110420
感想・レビュー・書評
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慶應日吉の国語教諭を長く務めた筆者による高校生向けの分かりやすい解釈の論語。
人生には師との出会いがある。このような先生に出会えた生徒は幸福だろう。「論語」を長い教員生活の経験を活かして独自に訳したもの。孔子が政治家への道を諦め、教育にシフトしていった人生がオーバーラップする。
高校生ぐらいまでに学んだ古典は記憶から消えず、心の奥底でどこか自分の人格の一部になっているように思う。中年となって久々の論語の再読。当時は気づかなかった奥深さ、人生について深い感慨がある。
繰り返し読みたい一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今まで,『論語』というものに触れたのは,文庫本のマンガくらいかな。原文で読めるはずもなく…ただ,そのおかげで,本書に出てくる孔子の弟子の名前は聞いたことがあった。
現代語訳になっている(し,とても意訳な)ので,言いたいことはよく伝わってくる。『論語』というと「ある一節を座右の銘にしている」なんて人もいたりするのだが,さすがに,今更そんな一節は見当たらない。
著者が「読む前に知っておきたい十項目」というのを書いてくれていて,これが一番役に立った。
で,一応,ちょっと気になった文をいくつか書き抜いておきたい。
・子曰く,学んで思わざれば則ち罔し。思うて学ばざれば則ち殆うし。
・子曰く,これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
・子曰く,蓋し知らずしてこれを作る者あらん。我は是れ無きなり。多く聞きて其の善き者を択びてこれに従い,多く見てこれを識すは,知るの次ぎなり。
・子曰く,君子は言に訥にして,行いに敏ならんことを欲す。 -
他の論語本との違いは、句の内容に基づき分類されて並び替えされている点にある。それにより、バラバラなままでは単一の句だけではとらえにくかった意図・意味が立体的に見えてきたような気がする。
また、最大の特徴とも言えるそのイカれたぐらいの意訳については、まあわかりやすいし、これぐらいの著作もあっていいんじゃないか。
ちなみに最近論語の超訳本が多く出ているので、是非読み比べでみたいところである。
あと、意訳を確認してから読み下し文を音読していたので、意訳、原文と読み下し文がセットになっていたのがうれしかった。 -
日本でも取り入れられた影響が現代にも及び、真っ当な人としての礼儀や立ち居振る舞いが今でも通ずるところがあると思ってる。
トピックごとに分けられているので、大変、読みやすい。
私みたいな「論語」初心者にはありがたかった……が!結論から言えば、印象に残るものがあまり無かった。
これはもう訳し方の問題ではなく、「論語」そのものが私の心に響かないのだろうなと思った。 -
訳が今風でわかりやすい。
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本文は読みやすいが、意訳が多くて対訳としては逆にわかりづらかった。
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タイトルに「高校生が感動した」とありますが、本当にその通りです。私は高校生で、漢文など縁がないと思っていたゴリゴリの理系ですがとても読みやすかったです。特に現代語訳はするすると頭に入ってきやすかったです。この本には学ぶべきことが多く載りすぎていて1回読んだだけでは足りません。笑 繰り返し読もうと思います。
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高校の教師であった著者が授業の中で培ってきた「論語」を書き著した一冊。
一歩踏み込んで解釈したり、現代風にアレンジしたりしている翻訳文が生きた言葉となっている印象を受けた。真面目な翻訳だとどうしても堅くなりがちで、敷居が高くなってしまうが、これならすんなり受け入れられる。 -
かなり超訳した印象だが初心者にとても読みやすい論語。道徳のイメージは少なく生き方の指南書として良い本。ポイントは自発性、プラス思考、人生の楽しみ、信頼関係と思いやり。
1.どの話が印象に残ったか?
・道徳は理解できているが実践は道半ば
・一人一人が道徳を身に着ければ社会はよくなる
・正義の実践者と不正を憎む違い
・「出来ない」といっているのは出来ないではなく「しない」
・政治の根本は信頼
2.印象に残った中で一番のところ
・道徳は理解できているが実践は道半ば
→実践行動が一番難しい
3.著者は何を伝えたかったのか
・論語を肩肘張らずもっと身近に
・語録集のひとつとして気軽に
・正しい生き方を若い人に知って欲しい
4.感想など
・以前読んだ本では道徳の話が中心に感じたが今回は道徳が中心ではなく新鮮に感じられた
・弟子の言葉に後継者争いの影響があったと聞くと印象が違う
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良い本。漢文は取っつきにくい印象だったが、登場人物のキャラクターを理解して読むとこれほど読みやすく、面白いのかと驚いた。
儒教の教えも、宗教というより現代でいう自己啓発本、マナーブックのようなものだな…という感想。
著者の意訳も多く、正確に読み解くには不向きだが
漢文に興味を持たせる第一歩としてはお勧め。