超訳『資本論』 (祥伝社新書 111)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396111113

感想・レビュー・書評

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  • アタマを良くする努力をしることは、より良く生きること。その想いを強くした。
    私は会社で組合員として働いている労働者である。もちろん労働組合に属しており、その恩恵を受けている。しかし、何だかよく分からない、面倒臭いなどとあまり関わってこなかったし、考えたりもしていなかった。
    世の中に構造問題と時に騒がれその解決を叫ぶ人がいるが、そもそも自分も資本主義社会という装置の中に歯車として組み込まれており、その全体の構造に思いをはせることなく流されてきた。その思いを強くした。
    不正、表に出ずに水面下で勝手に決めることは言うにおよばず、公益を無視した不作為にも目を向け声を出すべきだと思った。
    先日の選挙である政党が大勝すること、明らかに依存症者を増やし、考える能力を減らす、ソーシャル・ゲームやギャンブリング、そして、考えるチカラを持たず、コンピュータの融通が利かない部分を埋めるだけの大学生の生産。
    身分制度という不条理よりは多少マシとは言え、構図事態は変わっていないということは明らかである。多少なりともそれに抗するチカラを我々は持つべきであると思った。

  • YouTubeに投稿して年間一億?なんてことになってる現在、資本家、労働者なんて言ってもリアリティーがない。でも、製品が存在し購入して使って暮らしている以上、資本主義は成立している。さて、どうやったら資本家になれるんだろか?本書で分かったのは、労働者は搾取され、労働対価と製品価値はイコールでは無いことだった。

  • 080731

  • わかりやすいし、各章ごと一つ一つを要約していく形のおかげで資本論の構成や章の順序もわかってよかった。マルクスの先見性と分析力にただただ驚嘆。著者も述べていたがやはり資本論を少しずつ読まねばならぬと感じた。

  • 読み助2012年5月8日(火)を参照のこと。 http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2012/05/post-4a78.html

  • 非常に簡潔にわかりやすく、全体の構成がわかるように解説されている。

  • これから、原点である資本論を読もうという人にとっては、よき助けになる本だとは思う。しかしながら、資本論のエッセンスを知りたいだけであれば、池上彰氏の「高校生からわかる「資本論」」の方がお勧めです。

    本書は、資本論の小節ごとにエッセンスと、それを理解するための必要な語句の説明がありますが、本の内容のエッセンスではなく、あくまで資本論を読むためのサポートという趣旨が強いので、わかりにくいです。

    ちょっとこの本の編集企画のままで、2巻、3巻を読むことは私は控えようと思いました。

  • 一回で理解するのは難しい。貨幣や商品など、マルクス経済的な概念が理解できていないと特に。でも何回でもトライしたい!!

  • ■全体として何に関する本か
     マルクスの「資本論」を現代の言葉に置き換えて分かりやすく解説した本である。資本論の中でも特に重要な第1巻の後半部分に重点を絞って解説している。難解と言われる資本論の考え方を現代の問題を例に取り上げて解説しており、理解しやすい。


    ■何がどのように詳しく述べられているか
     「商品と貨幣」「剰余価値と搾取」の2つのテーマについて詳しく説明されている。
     資本主義社会では商品W(Ware)と貨幣G(Gold)の流通が当たり前のように行われているが、我々はこのことに何の疑問も抱かない。しかし、この商品Wと貨幣Gの存在があるからこそ資本主義社会が自然と成り立つのだとマルクスは言う。
     本来、貨幣Gは商品Wと商品W’の交換のために作られたものであり、
    「商品W→貨幣G→商品W’」
    の交換関係が成り立つはずであるが、資本主義社会では
    「貨幣G→商品W→貨幣G’」
    の関係になっている。つまり、商品Wと商品W’を交換するために貨幣Gが存在するのではなく、貨幣Gを商品Wに交換して、そこから新たな貨幣G’を得るというのが資本主義社会の構造である。(資本を機材などに投資して、新たな利益を得ようとすることをいう。)
     これは結局、貨幣Gを新たな貨幣G’に交換していることになり、このGとG’が同じ価値であれば交換する者は誰もいない。よって得られる貨幣G’の価値は元の貨幣Gの価値よりも必ず高くならねばならない(G’>G)。
     この差分の余剰価値は資本家が労働者から搾取することで得られるのであり、これが資本主義社会の構造で、資本家が労働者から搾取するのは必然だという過激な考え方が本書には書かれている。


    ■その本は全体として真実か、どんな意義があるのか
     我々労働者は資本家から気がつかない間に搾取されているのだと警鐘を鳴らしているのが資本論であるが、これは今の時代に必ずしも当てはまるとは思わない。
     資本論とは経済論というよりも、資本家は敵だとする一種の「思想」だと本書を読んでいて感じる。それでも、一昔前の労働運動が起きる以前の過酷な労働条件を考えれば、それらの非人道的な搾取や酷使は許されるわけもなく、労働運動を活性化させ労働者の権利を考えるきっかけを与えた本として、マルクスの資本論が重要な一冊であることは間違いない。


    ■一番面白かったのはどこか、なぜ自分は面白かったのか
     本書は、現代で問題になっているワーキングプアや失業者、フリーターの人々を励ますための本だと著者自身が言っているが、私はこの本を読んでいてあまり共感はできなかった。
     豊かな者は貧しい者が見えないと著者は言う。たしかにその通りで、資本家は過酷な労働条件で搾取されている労働者の気持ちを完全には理解できないであろう。
     それと同じで、私が今いる労働環境は世間一般を見ても非常に恵まれており、むしろ恵まれすぎているというのが私の正直な考えである。今の職場で資本家に搾取されていると感じる者は周りを見渡しても誰一人いないのではないかと思う。
     しかし、世の中にはまだまだ問題は多く存在している。そういった世の中の問題が見えないようでは駄目だと本書を読んで感じる。今自分がいる環境だけではなく、常に広い視野を持って世の中を見るようにしていきたい。
     資本論は資本主義社会を強く否定する内容であるが、私は、資本主義やビジネスの新たな可能性に魅力を感じている。

  • 難しかった。。。。 古典を読み返そうとしたが、半分も理解できたかどうか甚だ疑問。 説明はAmazonで、、

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著者プロフィール

的場昭弘(まとば・あきひろ)1952年宮崎県生まれ。マルクス学研究者。1984年、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。一橋大学社会科学古典資料センター助手、東京造形大学助教授を経て現在、神奈川大学教授。マルクス学の提唱者。マルクスの時代を再現し、マルクス理論の真の意味を問い続ける。原資料を使って書いた作品『トリーアの社会史』(未來社、1986年)、『パリの中のマルクス』(御茶の水書房、1995年)、『フランスの中のドイツ人』(御茶の水書房、1995年)をはじめとして、研究書から啓蒙書などさまざまな書物がある。本書には、著者による現在までのマルクス学の成果がすべて込められている。

「2018年 『新装版 新訳 共産党宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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