超訳『資本論』第2巻-拡大再生産のメカニズム (祥伝社新書153)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396111533

感想・レビュー・書評

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  • マルクス=エンゲルスの『資本論』第2巻の解説書です。第1巻と同じく、『資本論』の各章ごとの内容を、簡潔に要約しています。

    著者の説明は簡潔で明快なのですが、単純再生産や拡大再生産のくだりは、すべて文章で説明するのはかえって面倒なのではないかとも感じました。この辺りは、各種の「経済原論」に当たった方が、むしろ理解しやすいのではないかと思います。

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    [ 参考となる書評 ]

  • (2009.10.16読了)
    副題は、「拡大再生産のメカニズム」です。
    「資本論」第1巻はマルクス自ら完成し、出版した書物ですが、第2巻と第3巻は友人のエンゲルスが、マルクスの残した未完の草稿を編集して出版した書物であり、作品の完成度という点で大きな違いがあります。(30頁)
    経済学の学説批判に関する「資本論」の第4巻ともいわれるノートは、「剰余価値学説史」という形でカウツキーによって出版されます。(31頁)

    ◆第2巻の役割(37頁)
    「資本論」の第2巻と第3巻も、基本的には階級闘争の書物です。ただし、この第2巻は、搾取が見えない世界を扱います。商品が生産過程から出ると、搾取の実態が見えなくなります。利潤は流通から生まれるように見える。安く買って高く売るというその才覚が利潤を作るように見える。この謎を解くことこそ、第2巻の役割です。

    読み終わっても、謎は解けませんでした。説明が書いてあるけど、搾取の実態は見えませんでした。
    商業簿記、工業簿記を勉強した方が、利潤の仕組みが分かるような気がします。場合によっては、経営工学を学んだ方が、資本主義の仕組みがよりよくわかるのではないでしょうか?(どうも「資本論」のいい読み手ではなさそうです。)

    出てくる言葉を拾っておきましょう。
    「貨幣資本の循環」「生産資本の循環」「商品資本の循環」「自然経済」「貨幣経済」「信用経済」「流通期間」「流通費」「保管費」「運輸費」「固定資本の耐用年数」「労働期間」「生産期間」「流通期間」「資本の回転」
    (2009年10月20日・記)

著者プロフィール

的場昭弘(まとば・あきひろ)1952年宮崎県生まれ。マルクス学研究者。1984年、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。一橋大学社会科学古典資料センター助手、東京造形大学助教授を経て現在、神奈川大学教授。マルクス学の提唱者。マルクスの時代を再現し、マルクス理論の真の意味を問い続ける。原資料を使って書いた作品『トリーアの社会史』(未來社、1986年)、『パリの中のマルクス』(御茶の水書房、1995年)、『フランスの中のドイツ人』(御茶の水書房、1995年)をはじめとして、研究書から啓蒙書などさまざまな書物がある。本書には、著者による現在までのマルクス学の成果がすべて込められている。

「2018年 『新装版 新訳 共産党宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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