- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396112677
作品紹介・あらすじ
「太宰はまさに言葉の魔術師である。読者の気持ちを鷲づかみにするのが何よりうまい。だから、太宰の文章を吸収することで、論理力、感性、豊かな語彙力、レトリックの力、あらゆるものが手に入る」。そう主張する著者は、彼の小説で使われた接続詞、助動詞、助詞、重要漢字、キーワードなどを例に採って、名文を読みながら日本語力が上達する問題集を作成した。なぜ、太宰は面白いのか。謎めいた文体で読者を魅了するヒントはどこにあるのか。著者が作成したトレーニングを通して、日本語の達人・太宰治の秘密に迫る。
感想・レビュー・書評
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太宰の作品だけでなく本を身近に感じられ、太宰の表現力から日本語を学べられる。現代文が苦手な方にもオススメ。こんなふうに文学から日本語を学べる本がもっとあったらいい。
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太宰ワールド、まあ好きだけど「読み手の力を付ける」にあったとは!「日本語力」深いなあ。あっ!「書き手の力を付ける」ってあったぞ。WSD講演会だった。太宰は…講演会の後にしとこ。
Why don't you try to train in Japanese with reading Dazai's depthful world!? -
現役予備校講師による書。
予備校講師らしく、太宰治の著作を題材に漢字の読み書きや、接続語・助詞等を補充するなどの問題を通じて日本語力を高めることを狙っている。
また、単なる国語の問題に留まらず、紹介した作品の背景などを著者が解説しており、作品の理解のための助けともなっている。
このように、コンセプトは面白いのだが、問いそのもののがイマイチなため、本書の価値を引き下げている。
問いがダメだという理由はいくつかあるが、最も気になったのは、問いの難易度にばらつきがありすぎるということである。
問いは簡単過ぎれば拍子抜けするし、難しすぎても閉口するだけである。
本書のようなQ&A形式でやるならば、この点は最も配慮されてしかるべきところであろう。
このように、多少の問題点はあるものの、本書のような形で太宰の著作に触れるということもあまりないことだと思うので、太宰を知るための切り口のひとつとしては、ありなのかもしれない。 -
本書きっかけに太宰再読。
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太宰の文章を通して、接続語、語彙力、助詞・助動詞、漢字力、会話の論理力を鍛える。
文章を覚えてしまっていて、鍛えられない部分もありましたが、改めて太宰の文章の表現やテンポに感動。
出口先生の解説もあり、高度な読解もできました。文章をきちんと味わって読むよう心掛けていきたいと思いました。