「ガード下」の誕生――鉄道と都市の近代史(祥伝社新書273)

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著者 : 小林一郎
  • 祥伝社 (2012年4月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396112738

「ガード下」の誕生――鉄道と都市の近代史(祥伝社新書273)の感想・レビュー・書評

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  • ガード下の使われ方について、その地の歴史的な事情を絡めて説明してあり、興味深い切り口になっています。
    面白かったです。

  • テーマ史

  • 読了。

  • ガード下といえば年季が入った構造物の下に赤提灯。と思いきや普通の住宅に加え、保育園からホテル、はてには墓地までと、様々な用途がある。各地に広がる奇抜でユニークなガード下を紹介しながら、ガードができた歴史を遡り、その魅力と生命力の源泉に迫る。

  •  ガード下は、自分の個人的な思い出は、銀座のコリドー街と神戸の元町。両方ともこの本で紹介されている。

     まず、大事なのは規制法。建築基準法だけでなく、東京消防庁などの行政指導がいろいろあるらしい。(p38)

     コリドー街も含めて、猥雑なイメージがあるガード下だが、最近は、違うらしい。

     まず、小田急の保育園、舞浜のホテル、京浜の初音町あたりの売春宿を駆逐したあとの、倉敷芸術大学など、洗練されたいろいろな施設ができているらしい。

     構造はしっかりしているので、振動と騒音対策をしっかりしたら、駅の近くなどいろいろなコンバージョンができそう。

     ただ、新橋にあるいっぱい飲み屋もなくさないでほしいな。

  •  僕の最寄り駅は東京メトロ・綾瀬駅というところでございます。本書のなかでも度々取り上げられているように、この綾瀬駅周辺というのは「ガード下」とは切っても切れない関係がある。そんなところで幼少期から過ごしていたため、僕にとってガード下は、そこがガード下であることも感じさせないほど、日常の風景でもあるわけですが、なるほど、言われてみればガード下はどこにでもあるわけではない。本書はそんな、人によっては日常であり、人によっては非日常である「ガード下」の魅力を再発見しようという野心あふれる一冊だ。

     ただ、本書には「ガード下」を「研究」の位置まで高めようとするコンセプトがある一方で、単なる「散歩案内」に終わってしまったというガッカリ感も孕んでいる。内容の展開的に、仕方のない部分もあるのだけれど、必ずしも肯定的な読後の感想ばかりではなくなってしまったのは残念だなあ。なんというか、「ガード下」論はまだまだ発展途上、本書は事始。今後の展開に期待ですな。

     個人的には、綾瀬駅にまつわる長年の疑問が、本書によって解決したので、満足感も十分に得られているんですけどね。


    【目次】
    まえがき
    Ⅰ ガード下とは何か?―その定義と魅力
    Ⅱ 生命力あふれるウラ町・ガード下の誕生
    Ⅲ 高度経済成長に誕生したガード下―その再生とオモテ化
    Ⅳ 新時代に挑むガード下―ホテル・保育園……
    おわりに―庶民のエネルギーがあふれるガード下と、環境整備されるガード下
    付録―さまざまなガード下遊歩

  • 地元のガード下にも書かれていたので、書店で軽く立ち読みをした後、購入して読んでみた。

    しかし、期待外れだった。

    東京都心の鉄道路線の構築(東京駅を中心とした高架鉄道が、最初鉄道空白地帯であり、後から作られたという歴史)については、正しく調べられている。鉄道書としても使えるものだろう。

    また、秋葉原電気街のなりたち、アメ横のなりたちもよくこのあたりをうろつく人間としては満足のいく内容であった。

    しかし、肝心の私の地元、足立区綾瀬についての記述が間違っている。

    国鉄常磐線綾瀬駅が、国鉄の5方面作戦によって常磐線が複々線化され、緩行線が千代田線に直結され、金町・亀有・綾瀬からの乗客は上野に乗り換えなしで突然いけなくなった、という記述は正しい。

    そして、綾瀬駅の管理がその日を境に国鉄から営団地下鉄(現:東京メトロ)に移ったというのも正しい。

    しかし、国鉄(現:JR)で北千住に行きたい利用客は松戸に戻って、という記述は誤りである。完全に誤りである。

    綾瀬-北千住間は営団地下鉄(現:東京メトロ)の営業区間であるから、地下鉄がストになると松戸に戻らないといけなかったのは本書の通りであるが、国鉄(JR)のキップでそのまま綾瀬から北千住に行って北千住で快速線に乗り換えて上野に向かうことはできる。

    本書は鉄道書ではないので、詳細を書いたらキリがなくなるのはわかっている。しかし、巻末の参考文献に綾瀬のことを調べたであろう文献が一切なかった。

    ストの時のことを書くのであれば、通常時の運賃計算のことくらい、正確な情報を書くべきではなかったか、と地元民として非常に残念に思う。

  • 昭和が残っているのかもしれません。

  • ガード下は色々な利用のされ方をしているが、今まで真面目に研究された事がないそうだ。著者小林一郎さんはガード下学会を立ち上げ、ガード下利用の歴史・発展を調査している。
    普段何気なくその前を通り、また買い物や飲食をしているガード下も改めて観察するととても面白い空間だという事が分かる。

  • これまでにもダムマニアだとか団地団だとか、いろいろ見てきたのだが、「ガード下学会」なるものまで存在するとは、知らなかった。

    本書の著者が、その「ガード下学会」の一員。普段からさまざまなガード下を訪ね歩き、「あの現し(あらわし)、いいね〜」などと熱く語り合っているそうだ。ちなみに「現し」とは、本来化粧仕上げするところを、あえて化粧仕上げせずに、下地となる木材などを見せることを指す。

    本書は、そんなガード下の歴史を、日本の都市の近代化とともに振り返った一冊。「戦前」「高度経済成長期」「現代」など、大きく3つの時代に分けて紹介されている。

    戦前のガード下の代表例の一つは、何といっても新橋駅〜有楽町駅間。我が国で初めて鉄道を敷設したのはイギリス人技師。車両を輸入したのもイギリス。それなのに、なぜかこの区間の鉄道敷設の担当だけが、ドイツ人技師なのだ。そのため、意匠・デザインなど、ベルリン高架鉄道の設計思想を受け継いでいるそうだ。

    高度経済成長期に誕生したガード下の一つが吉祥寺だ。JR吉祥寺駅が高架化されたのが1969年。この時期に誕生したガード下のキーワードは「再生」である。大掛かりな再生工事を経て、現在はアトレ吉祥寺と名称も変えた。ガード下であることに違いはないのだが、美しく心地よく洗練された町づくりとなっている。

    さらに最近作られた現代のものとなると、もはや何でもありだ。赤羽駅の葬儀場や銭湯、経堂駅の図書館、祖師ヶ谷大蔵駅の保育園や舞浜駅のリゾートホテルなど、幅広い用途として利用され、都市空間の重要な施設となっているそうだ。

    時代とともに移り変わるガード下の風景。しかしその原点は、誰をも拒むことなく、日々の営みが息づいている生活道路となっていたところにある。本書を片手に、そんな「ガード下」の、個性や優しさを見つけに行ってはいかがだろうか。

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「ガード下」の誕生――鉄道と都市の近代史(祥伝社新書273)の作品紹介

ガード下は発見の連続だ!
ガード下が、人を不思議と引きつけるのはなぜだろう? そこには都市の鉄道の歴史と、人々の暮らしがあるからだ。今やガード下は居酒屋だけでなく、住宅、ホテル、保育園、神社……と、幅広く利用され、都市空間の重要な要素となっている。
そんなガード下は、いつどのようにして誕生し、発展してきたのか。本書はガード下の歩みを遡(さかのぼ)りながら、日本の都市の近代史を透視していく。ガード下を知ることで、見慣れた街のもう1つの顔が見えてくる!
著者の小林一郎は「ガード下学会」を主宰している。

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