誰も書かない中国進出企業の非情なる現実(祥伝社新書327)

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著者 : 青木直人
  • 祥伝社 (2013年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396113278

誰も書かない中国進出企業の非情なる現実(祥伝社新書327)の感想・レビュー・書評

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  • 個々の進出企業の詳しい苦労話ではなく、後半は特に日本の対中姿勢批判になってしまっている感じがします。データに基づいているような記述ですが、ちょっと粗っぽく、孫文夫人の宋慶齢を宋家の長女としているところなど、基本的な認識に間違いが見られるので、他の記述にもちょっと眉唾なものを感じてしまいます。チャイナリスクを主張したい著者の気持ちはわかりますが、もっと企業の活動を書くことによって実態を浮かび上がらせるようにした方がより説得力が増したのではないでしょうか?

  • 読了。

  • 中国進出企業に関する「事実の羅列」。処方箋を書いている訳ではない。
    しかし、大手マスメディアは、書いていない事実を書いていることにこの本の意味はあると思う。
    伊藤忠の丹羽宇一郎元会長が、中国に対してイケイケドンドンの姿勢であるのに対して、現社長の岡藤正広が「一人当たりGDPで見れば今の中国の水準は昭和40年代にほぼ同じで、今の日本の十分の一だ。長期的に見て、中国の抱える問題は一人っ子政策などの影響で15年ごろから人口減少局面に入るとみられることではないか(略)成長の鈍化が次の課題として浮上する可能性がある。」

  • 青木さんの著書を読んだのは初めてです。他の作品も総じてチャイナリスクについて言及したものが多いようですね。
    この本を読んで、ここまで本当にひどいのかな?と無知な私は思ってしまう気持ちもある。でも一方でなるほどだからなんや!と納得することもある。日本の歴代の中国大使のスタンスもこんなに日本よりというか中国よりなんだとびっくり。(青木氏の見方によるとね)
    外務省のチャイナスクールのことは他の本でいくつか読んでなんとなくは知っていたけど。
    山崎豊子氏の大地の子を読んだときも、中方の無茶苦茶の態度、それに反して日方の弱腰の応答もこの本を読むとなるほどそういう裏があったのかーと納得した。

    防空識別圏の強引な設定で相当きな臭くなってきているなかで、私たちは中国という国とどうつきあっていけばいいのかね?

    そんで、どうして私は今、中国語勉強してるんでしょ?分けわからなくなってきましたよ。

  • ここ数年は反日暴動やレアアース問題、メリットだった人件費の高くなってきているため、中国以外の国に進出する企業が増えてきた。この本は、この10年近く先駆者となってきた企業について、順風満帆ではなく、さんざん中国にコケにされた事実が羅列されていた。 法律を順守して製造していた製品をある比突然法律を変え法律違反と言いがかりをつけたり、一度決まったことだからと、地盤沈下しているにも関わらず工事の中止が許されなかったり、中国政府が何かと建設に口出しをしてきたりと、あまり知られていなかった実態が紹介されていた。

  • 中国経済の危機がようやく言われ始めていますが、青木さんはずっと以前からチャイナリスクを警告しています。
    もちろん、他にも中国経済の崩壊やチャイナリスクを指摘する人はいましたが、青木さんは裏付けと冷静な分析で解説してくれるので、説得力があります。
    かなり突っ込んで書いてくれるので、読みごたえもあります。

    頭の中がお花畑な中国楽観論、感情的な中国批判とは一線を画する、濃い内容です。

  • 以前、円高不況という言葉があり、それに対応するために多くの製造業がその系列会社を引き連れて中国に工場を建設したというニュースが流れていたことを記憶しています。中国政府の方針で、完全子会社ではなく合弁会社という形でビジネスを行っていると理解しています。

    今後も中国の人口は伸び続けるので、中国市場の規模という点では魅力があるようですが、移転時に得られたような人件費や税金の低さという魅力はかなり薄れてきているようですね。

    この本は、既に中国に進出した日系企業が苦しんでいる様子を描いています。あと何年かしたら、中国に残っている日系企業はいなくなっているのでしょうか、今後の成り行きに注目したいと思った本でした。

    著者も日本のメディアで取り上げることはないと言及していますが、中国には統一したマーケットがなく、いまでも個々の地方経済圏として成り立っている(地方主義)つまり、上海GMは、大連や天津で製品を売ろうとすると地元政府の役人が妨害する(p105)というのは驚きでした。事実上、中国は分裂している状態のようですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・小泉首相が靖国神社参拝をした後に、日中で手打ちが行われたが、その主役は政治家ではなく、当時の経団連会長だった奥田氏(トヨタ会長)であった、胡錦濤主席と温家宝首相と会談した、ここでそれ以降の首相の参拝は控える、その代り反日運動を抑えるというもの、これはマスコミでは報じられていない(p15)

    ・2006年と2012年は日本の対中投資にブレーキがかかった、大きな違いは、1)2006年は中国は10%以上の成長をしていた、2)中国からの撤退企業に、中小企業、それも製造メーカが多い、その最大の理由は人件費の高騰である(p18)

    ・最近の反日デモでは、当初から大々的な投資をして、中国各地に多くの店舗をもっている大手企業が標的にされていることで、中国リスクに気づかされた(p19)

    ・2008年に労働契約法が改正され、労働者の勤続年数が10年を超えたら、企業側に終身雇用が求められた、退職金の支払いも義務付けされた(p22)

    ・会計上の操作の一例として、中国の現地に子会社がある多くの企業では、現地でかかる人件費を子会社に計上していない、本社が人件費を負担している、80%以上の企業が駐在員の給与を負担している(p30)

    ・北京市サイドとの折衝は、全日空案件では伊藤忠がすべてやっていたので、全日空は知らない(p40)

    ・日中間に太いパイプがあった、河野洋平氏や加藤紘一氏、堤清二氏も政治家をやめたり、事業が失敗している(p47)

    ・王子製紙は工場はつくったものの、汚水を黄海へ排水するパイプラインの工事ができなくて工場の操業ができない(p51)

    ・ヤオハンは、上海市第一百貨商店とパートナーになったが、彼らが提供したのは、資本金というよりは土地のみで、建設資金は殆どヤオハンが負担、最終的には、パートナーが3分の1の値段で買いたたいて最新鋭のものに更新した(p64)

    ・ドイツの家電量販店(メディア・マルクト)は全面撤退、米国のベストバイも閉鎖、ヤマダ電機も同様、英国スーパー(TESCO)も閉鎖を続けている(p65)

    ・中国進出の日本自動車メーカは、勝ち組が、トヨタ・日産・ホンダ、負け組が、三菱・マツダとなる(p94)

    ・2009年に中国が米国を抜いて世界最大の自動車市場になったが、これはあくまでも新車のマーケットの数、新車プラス中古市場をあわせたものでない、新車購入→中古車売却→新車への買換えというサイクルになっていない、これをメディアは報道しない(p98)

    ・2015年には、世界第2位の米国の販売数と同じくらいの在庫が発生する(p99)

    ・中国全土に生産拠点を置いている大手の自動車会社はない、大きな都市に本社を置く中国の大手国有企業と提携した企業が、そこで共同の生産と販売を行っている(p104)

    ・中国には統一したマーケットがなく、いまでも個々の地方経済圏として成り立っている(地方主義)つまり、上海GMは、大連や天津で製品を売ろうとすると地元政府の役人が妨害する(p105)

    ・中国に進出していない自動車メーカとして、富士重工(ホンダ、トヨタ、日産、三菱、マツダ、ダイハツ)があり、結果的に株価が上がった(p110)

    ・中国で豊かになった富裕層は、中国製品を買わないし信頼しない、ここが中国資本主義の抱える大きな矛盾である(p123)

    ・戦前に中国市場でプレゼンスがあったのは三井物産、しかし今は伊藤忠の半分(p130)

    ・一人当たりのGDPで見れば、今の中国の水準は昭和40年代に匹敵し、今の10分の1程度、今後の人口減少を考えると経済成長は難しい、また格差が広がり国民の不満も高まっていて、インフレがくると爆発するだろう(p157)

    ・中国国内の現場の声として、取引企業の資金繰りの苦しさ、言われているほど売れていない、製品の過剰在庫がある(p158)

    2013年8月4日作成

  • 青木 直人 (著)
    許認可権濫用、賄賂・カンパ強要、労働争議、反日無罪…。多くの中国進出日本企業が破綻に瀕し、撤退すら許されない蟻地獄に陥っている。当該企業の口からはもちろん、マスコミも絶対に書かないその実態を紹介する。

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