なぜ受験勉強は人生に役立つのか(祥伝社新書) (祥伝社新書 360)

  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396113605

感想・レビュー・書評

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  • 中学受験のプロである家庭教師の西村則康氏と、教育学者の齋藤孝氏の二者による“教育”をテーマとした対談集。
    幼児期を「体験学習」、小学校三年生頃までを「基礎訓練」、小学校四年生以降を「応用学習」と位置付けて、それぞれの年齢に合った学習の仕方、また親の取るべき振る舞いを具体的に紹介している。中学受験を推進させようという内容ではなく、全体を通して学ぶことの楽しさを伝える秘訣や学習との向き合い方が語られているので、受験という狭い枠でなく教育・学習という広く長い視点で役立つ内容だと思う。「厳しくあるべき教育、楽しくあるべき学習」という一文にはなるほど納得。
    膨大な数の学生と関わってきたからこそ見えてきた教育の真理を、対談を通して確かめ合っている感じ。文面からも両者の活き活きとした様子が見て取れてこちらも楽しい。小さなお子様がいらっしゃる方には特におすすめ。

  • メルカリ売却

  • 中学受験の意義がよくわかる一冊

  • 個々の内容には概ね同意できる(「読み書き算盤は一生モノの武器になる」、「早期教育が子どもをダメにする」、「変換思考ー「は・じ・き」ではダメ」等々。)ものの、人生に役立つという結論には疑問を持ちました。中学受験を肯定する内容につなげているところも無理矢理感があります。自分が中学受験をしていないので理解できないだけかもしれません。ただ、高校・大学受験勉強でさえも人生に役立っている実感がないのに、中学受験でそれが感じられるとはとても思えません。一握りのエリートだけがそう思えるのではないでしょうか。

  • 教育学者の齋藤氏と家庭教師の西村氏との対談本。
    対談本なので、内容的に薄い感じはあるものの面白く読めた。

    中学受験を体験した身としては、もっと共感できるものかと
    思っていたが、当時と今とではかなり状況が違うようだ。

    とは言え、鉛筆の持ち方についての言及が出てくるところなどは、
    得心がいった。

    中学受験では、親は勉強を教えないで環境整備に努めなさい、というのは覚えておこう。
    あと、製図用コンパスも。(410)

    [more]
    (目次)
    はじめに――人生で大切なことは受験勉強で学んだ(齋藤孝)

    第1章 「頭がいい」とは、どういうことか
    どうすれば頭のいい子に育つか
    家庭教師は見た! できる家庭の条件とは
    親の感動が子どもを変える
    箇条書きのすすめ
    社会人になっても不可欠な自己肯定感
    その体験の「意味」を子どもに伝える
    早期教育が子どもをダメにする
    子どもらしい子が減っている

    第2章 読み書き算盤は一生モノの武器になる
    小学校一~三年は「読み書き算盤」の時期
    「速音読」のすすめ
    二種類の読書法を使い分ける
    文章題を解くコツ
    「てにをは」を意識した生活を
    仕事でも関係性を読み取ることが大事
    言ってはならないNGワード
    言語パズルで言葉を覚える

    第3章 家庭教師のテクニックに学ぶ教える技術
    いい家庭教師の条件
    成績をアップするコツ
    「理系脳」の育て方
    新たなものを生み出す直観力を鍛える
    クイズ王は頭のよさと関係ない
    子どもの興味を引きつけるコツ
    夫婦仲のよさが学力を向上させる

    第4章 中学受験で「思考のワザ」を身につける
    「ひらめき」と「気づき」の違い
    失った自己肯定感を取り戻させるには
    積極的な知識と消極的な知識
    親が興味を持つことが学力アップにつながる
    算数で思考の枠組みを身に付ける
    理科の絶対的な納得感
    「体験」と「仮定」という思考のワザ
    母親の役割は問いかけとスケジュール管理
    受験生は本当にかわいそうか
    中学受験はなぜ必要か
    中学入学後にどんな子が伸びるか

    第5章 受験勉強は社会に出てから役に立つ
    逆張り思考を身につけよう
    変換思考――「は・じ・き」ではダメ
    ペーパーテストに現われない能力
    作問者に「共感」せよ
    受験勉強で訓練できる「配分力」と「確認力」
    「質問力」「GPS機能」「融通力」
    『学問のすすめ』の真の意味とは
    受験勉強で鍛えた力でストレス社会を生き抜く

    あとがき――中学受験で培う「本質に迫る力」(西村則康)

  • 受験勉強に賛成する話が書かれた本。
    中学受験を受けさせる親に読んでほしい本。
    内容としてはとても納得した。

    <メモ>
    気づきとひらめき
    納得感
    書き方の大切さ
    物事の関係性がわかる
    (だれがだれになにをどうした)

    帰納法と演繹法
    こうすればこうなる
    こうなるためになにが必要か

  • 二人の話を聞いていて感じるのは、結局は家庭で親がきちんと子どもの様子を見まもりながら育てているかどうかが大切に感じた。早期教育などで与えすぎることも良くないが、逆に放っておいてもダメ。たとえば宿題の音読をきちんと聞いてあげて、読み間違いや読み飛ばしがあったら教えてあげる。そういう関わりが大切なんじゃないかと思えた。
    それからその音読について、斎藤先生の話は非常に面白かった。
    P64「本を読む場合、文章の質を二つに分けているのです。ひとつは情報を得るための本で、これはサッと読みます。もうひとつは、自分の内部に刻み込みたいような名著で、こちらは音読するのです。」
    子どもたちにも、速く正確に読むものと、じっくりと感情的に読むものを、分けて読ませていきたいと思った。 ※ただし、算数の問題など一字一句でも読み間違えてならないものは、じっくり読むのが望ましい。

  • 自分の家庭教師の経験と照らし合わせながら、納得すること何度も。勉強はゴチャゴチャした世界に対応するための訓練。夫婦仲のよさが学力の秘訣。問いかけとスケジュール管理。

  • ≪目次≫
    第1章  「頭がいい」とは、どういうことか
    第2章  読み書き算盤は一生モノの武器になる
    第3章  家庭教師のテクニックに学ぶ、教える技術
    第4章  中学受験で「思考のワザ」を身に付ける
    第5章  受験勉強は社会に出てから役に立つ

    ≪内容≫
    明治大学教授の斎藤孝と家庭教師のスペシャリスト西村則康の対談集。対談なので、目次の各章のタイトルの事柄が盛り込まれているかいうとやや心もとない。まあ、ざっくり言うとタイトル通りの内容だが、それを要約するのは難しいな。

  • 教育に通じるお二方の、ポジティブな対談。
    ここでいわれているような能力が身に付くなら、受験勉強は有意義であるといえると思うけど、それがすごくむずかしい。
    これを読んで、勉強には国語が重要なのかと、確かにそうやなと思わされた。自分の家庭教師の経験も顧みて。
    幼いときに、家庭のなかでの感情の交換がどれだけできたかっていうのは、すごく重要やと思う。

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

齋藤孝の作品

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