三国志 運命の十二大決戦(祥伝社新書457)

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  • 祥伝社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396114572

感想・レビュー・書評

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  • とても面白かった。
    安っぽい表題に胡散臭い帯であまり期待していなかったけど、著者は中国歴史研究の第一人者である渡邉義浩氏なので、参考にならないわけがない。
    表題のわりに戦自体についてはあまり触れられず、その背景が多く述べられますが、それは正史という性質上仕方ないとのこと。
    私としては、最終章で語られる「なぜ三国志演義が五丈原で終わるのか」という問いの答えになるほどと感心しました。

  • 若い頃の曹操は橋玄をお手本にして西北烈将の騎兵戦術を研究し、その成果が馬超との対決(潼関の戦い)に活かされたらしい。

    光栄のゲームだと平均以下の雑魚武将に過ぎない橋玄が「入りては相、出でては将」と言われる文武両道の名将とは知らなかった。


    界橋の戦いを公孫瓚率いる幽州突騎と迎え撃つ袁紹の冀州強弩の決戦として描き出していたり、公孫瓚がなぜ荀彧のような名士たちとの交わりを断ち、商人や占い師と義兄弟の契りを結んだのかについても詳しく解説されていて、良い本だった。

  • 単に三国志中の著名な戦いの推移を記すのではなく、合戦に関わる背景を史実を踏まえながら包括的に説明する。このため戦闘そのものの記述はむしろ控え目で(戦闘詳細の史料が少ない以上当然なのだが)、ある意味その方が史実を捉える上で有益だったが、安っぽいタイトルに引かれた読者にこのギャップが受け入れられるかどうか。三国志関連の著作が増える著者だが、これから他作品とどう差別化を図っていくかも課題になりそう。

  • 名士論。後漢三国時代を名士論で解き明かす。晋代には彼らは貴族となる。地元の有力豪族にして、儒学を収めた名士は、特に高名な名士から評価をもらい、その名士グループに所属する。彼らは時に敵対陣営に所属しながらも連絡を取り合い、また主君に推薦するなどして影響力を行使した。また有力な名士はその一族がついてくるので、無視しえない力をもった。代表的な所で荀彧や周瑜など。彼らが戦いに与えた影響をみていく。個人的には三国鼎立を創り上げた魯粛、劉備政権を益州に確立させた法正、儒家の理想の聖漢一統の実現を目指した諸葛亮、理想と現実の狭間で苦しんだ荀彧などが面白かった。

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著者プロフィール

早稲田大学教授

「2018年 『中国時代劇で学ぶ中国の歴史 2019年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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