アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄 (祥伝社新書)

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著者 : 江崎道朗
  • 祥伝社 (2016年9月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396114817

アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄 (祥伝社新書)の感想・レビュー・書評

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  • ヴェノナ文書、聞きなれない言葉である。
    正確に言うと、1940年から1944年にかけて、アメリカにいるソ連のスパイとソ連本国との暗号電文をアメリア陸軍が密かに傍受し、1943年から1980年までの長期にわたって、アメリカ国家安全保障局がイギリス情報部と連携して解読した「ヴェノナ作戦」に関する文書のことである。
    そして、このヴェノナ文書を、1995年7月11日、アメリカ政府の国家安全保障局とFBI、そしてCIAが情報公開法に基づいて一斉に公開したのである。
    このヴェノナ文書の情報公開によって、ルーズヴェルト大統領の側近であったアルジャー・ヒスらがソ連のスパイであることが立証され、マッカーシー上院議員の告発がある程度正しかったこととが明らかになりつつるのです。
    ということは、日本人も一般的なアメリカ人が信じ込まされた東京裁判史観を根本から見直さなければならないという歴史的転換期がまさしく到来しているということです。
    しかしながら、残念なことに、いまだに社会主義勢力に洗脳されたままの政界・マスゴミ・学会などは、見直し作業を拒み続けているのです。
    この本でも指摘されているように、共産勢力のプロパガンダは巧妙であります。
    幸いなことに、インターネット空間において、真の保守、草の根保守が少なからず情報発信し始めています。
    近代西欧社会が推し進めたユダヤ・キリスト教を基礎とする近代合理主義、そして、植民地主義というような負の部分はしっかりと反省はさせながら、日清・日露と西欧近代主義と毅然と戦った日本が、間違った東京裁判史観を払しょくしながら、真の保守国家と進んでいってほしいものであります。

  • 本書で克明に描かれているソ連のスパイ、社会主義者による影響力工作の有り様は『部屋に飾られている星条旗をめくると、その裏には”red Flag”(ソ連国旗)が貼られていた』という光景が目に浮かぶようでした
     
    ■あらすじ
    様々なコラムや講演会などで精力的に活動され、最近では憲政史家の倉山満先生が主催する話題のネットチャンネル「チャンネルくらら」にもレギュラー出演されている、現在の保守系言論界を牽引する評論家、江崎道朗先生による待望の新著。
     
    第二次世界大戦前後の時期に米国内のソ連のスパイたちがソ連本国とやり取りした秘密通信を米陸軍情報部が秘密裡に傍受し解読した記録文書「ヴェノナ文書」。
     
    その「ヴェノナ文書」が1995年、アメリカ国家安全保障局(NSA)により公開されたことによって、まことしやかに囁かれていた“疑惑”が“事実”であったことが次々と明らかになり、アメリカ国内では、共和党支持層に代表される“草の根保守”を中心に、「第二次世界大戦の責任はルーズヴェルト民主党政権とその背後で日米戦争を仕掛けようとしていた共産主義組織(コミンテルン)にあるのではないか」という問題意識が浮上しており、その中には「日本の軍国主義者が世界征服を目論み、大東亜戦争を引き起こした」とする東京裁判史観の見直しも含まれているそうです。
     
    ですが、果たして、そういった“アメリカ国内の潮流”は、日本のメディアで報じられているでしょうか。
    そういった日本のメディアが報じようとしない「アメリカの実情」を明らかにすることで、いまなお続く「共産主義との戦い」に「日本はどう立ち向かうべきか」を問いかける一冊となっています。
     
    ■“赤”に侵蝕される星条旗
    本書によって明らかにされている事実は、時のフランクリン・ルーズヴェルト民主党政権のみならず、アメリカ国内のマスコミ、アカデミズム、労働組合、キリスト教団体、ありとあらゆる団体に共産主義組織“コミンテルン”が浸透し、“影響力”を行使することで、当時のアメリカ国内世論にすら反し、アメリカを「対日圧迫外交」に舵を切らせていたということです。
     
    何故か。
    それは「日本がソ連に対して軍事的圧力を加えることができないようにするため」であり、「コミンテルンに浸食されたルーズヴェルト政権中枢が“アメリカの国益”よりも“ソ連の国益”を優先させたからに他ならない」からであるというのです。
     
    当時のルーズヴェルト政権の中枢を担っていた「ニューディーラー」達は、一体どの国に忠誠を誓っていたというのでしょうか?
     
    本書によって克明に描かれている「影響力工作」の有り様は、『ニューディーラーの部屋に飾られている星条旗をめくると、その裏には”red Flag”(ソ連国旗)が貼られていた。』というような光景が目に浮かぶようでした。
     
    ■果てなき共産主義との闘い
    それにしてもソ連が滅んだ今もなお、アメリカの保守が「ルーズヴェルトの戦争責任」を追及するのはなぜなのでしょうか。
    それは、共産党とそのシンパの生き残りは、いまなおアメリカ国内で隠然たる影響力をもち、マスコミ、アカデミズムを牛耳っているからだと江崎先生は指摘します。
     
    コミンテルン・アメリカ共産党による内部穿孔工作はけっして過去の話などではない、世界中に張り巡らされた共産主義のネットワークがいまもなお、暗躍しているのだと。
     
    全世界が注目する米大統領選挙「ヒラリーVSトランプ」も「米国を三等国に転落させたいリベラル・社会主義勢力」対「アメリカを再び偉大な国にしようとする保守・自由主義勢力」との戦いという側面を持ち合わせているというのです。
     
    正直、大統領選挙の行方は知る由もありませんが、結果がどうであれ、日本が手を取り合い、連帯すべき「アメリカ」は“どちらであるか”というのは自明であるのではないでしょうか。
     
    ■「大東亜戦争は継続中だ」byサンバス将軍(インドネシア。復員軍人省元長官、東欧大使)
    最後に本書ではありませんが、江崎先生の前著「コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾」に掲載されていた、“エピソードのひとつ”をあえて紹介させて頂きたいと思います。
      
    ASEAN結成の”影の立役者“ともいえる、”熱血民間外交官“中島慎三郎先生に関するエピソードを綴った中に出てくる一節です。
     
    平成三年当時、時の内閣総理大臣であった海部俊樹総理がASEAN諸国を歴訪し、先の大戦について“謝罪”したことを受けて、中島慎三郎先生のところにサンバス将軍から“激怒”の電話があったそうです。
     
    では、サンバス将軍は何に激怒したのか。
    「日本の戦争目的は、植民地主義の打倒であった。その目的の大半は達成したが、植民地主義国はまだ残っているではないか。ソ連(ロシア)は最後の植民地主義国だ。中国もチベットやウイグルを併呑した植民地主義国だ。これから我々が取り組まねばならない植民地一掃の大事業は、中ソが相手となる。
    そんなときに行った海部演説は、植民地主義打倒の悲願を放棄したことになる。海部さんは日本の果たしてきた歴史を踏まえ、アジア・アフリカの悲願を代表して、まだ残っている植民地主義を攻撃すべきだった。
     
    大東亜戦争は継続中だ。
    たった一度の敗戦で大切な目的を忘れてしまったのは遺憾だ。」

    「要するに、戦争に負けたからと言って、その戦争で自ら掲げていた理想まで否定するのは”無責任”ではないかと、サンバス将軍は言っているのだよ。その無責任さが結局、現在の日本の東南アジア政策のお粗末さになって現れているのだ」

    と、中島先生は述べられたといいます。
     
    昨今の東アジアの安全保障環境を見るにつけ、四半世紀の時を経た今を以てしても真摯に受け止めなければならない言葉ではないでしょうか。
     
    東京裁判史観にこだわり続ける中国、ロシア、韓国、北朝鮮、アメリカのリベラル勢力と、それに対抗し、東京裁判史観に対して批判の目を向けるアメリカの保守派、そしてアジアの指導者たち。
    「連帯すべき相手を決して見誤らないようにしなければならないのではないか」と考えさせられました。 
     
    本書を読まれた方にはぜひ、
    「コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾」(江崎道朗著 2012年)
    「現代アメリカ保守主義運動小史」(リーエドワーズ著、 渡邉 稔翻訳 2008年)
    も読まれることをおススメしたいです。

  • ヴェノナ文書の存在を初めて知りました。改めて先の大戦が共産主義の関与があってものと認識しました。
    この本を読んで今まで日本の立場だけの考えからアメリカの立場による考えも学べたと思います。

  • アメリカも一枚岩ではない。ルーズヴェルト大統領の評価も、第二次世界大戦を勝利に導いた英雄から、ソ連のスパイたちの暗躍を許し東欧とアジアを共産主義に明け渡した売国奴に変わりつつある。左リベラルに牛耳られた日米マスコミでは報じられない。

    そもそもその悪いという共産主義?コミンテルンって何?支持されていた理由は何だったの?と知らないことばかりです。

  • 本書は、先の戦争が、ソ連を中心とする共産主義勢力(コミンテルン)の画策によって引き起こされた面が強い、と説いている。コミンテルンは、米国の世論を反日に誘導し、排日運動を起こす一方、日本国内においても反米の気運を高めたとのこと。米国ルーズベルト政権の中枢に入り込んでスパイ活動を行うとともに政策決定に関与し、対日経済制裁に踏み切らせたコミンテルンの力、恐るべし。勿論、コミンテルン勢力の暗躍が先の戦争の原因の全てではないにしても、その原動力の一部を担っていたことは、確かなんだろうなぁ。「ヴェノナ文書」にその証拠もあるというし。
    なお、第八章を見ると、現在の民主党政権を、アメリカ共産党の系譜を引き継いだアメリカの破壊者、トランプを偉大なアメリカの復活を狙う保守勢力、と評価しており、全体の論調はやや偏っているように感じる。少し割り引いて考えた方が良いかも。

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