なぜ、残業はなくならないのか(祥伝社新書)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396115005

感想・レビュー・書評

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  • 本書のタイトルの通り、「残業」や「働き方改革」をメインテーマに、残業の根深い実態や問題点について書かれている。

    この本を読めば、日本企業の労働環境において残業がいかに合理的かがわかり、残業や働き方改革について自分なりの考えを持つきっかけとなる。

    ・なんで残業ばっかせなあかんの?
    ・なんで残業はいつまでも改善されないの?
    ・これからの時代、会社はどうなってくの?

    こんなふうに考えてる人にピッタリな本だと思います。



    第1章〜第5章では、「残業」や「働き方改革」の理解を深める

    第6章では、第1章〜第5章の内容を踏まえて、残業問題に対してどのように対処していくのかを考える

    初めから終わりまで、読んでて興味深い本でした。
    どれも重要ですが、とくに第6章の内容が大切かなと思います。(トヨタ生産方式の話とか)



    率直に、会社の一般社員が個人レベルでどうにかできるものではなく、経営者や影響力の強いリーダーが前に立って改善しないとどうしようもないなという考えは変わらなかった。

    長時間労働や残業是正のキーワードは「業務の絶対量」と「仕事の取捨選択」かなと。
    そこで大事になるのが「裁量権」だと思うのですが、会社の一般社員には裁量権があるようで無いのがほとんど?
    業務の絶対量のコントロール→スケジュール調整による納期コントロール権はあるか?
    仕事の取捨選択→火急案件も拒否できるか?

    上記の対応には、失注リスク、顧客離れリスク、売上低下リスクなど、様々なリスクがついてくる。これらをすべて享受できるか?

    享受できる会社は限られているので、一般社員は会社を選ぶことでしか残業リスクを回避することはできない?その答えは、これからも探していきたいと思います。

  •  うちの会社のワーク・ライフ・バランスの取り組みで、Outlookの予定表に、次週の出勤時間と退勤時間を入力するという取り組みがあった。
     結果、毎週定時出社、定時退社の時間を入力した。
     思いついた人には申し訳ないけど、クッソ下らない取り組みだった。
     月間スケジュールで見たときに、「0920出社・1830退社」の予定が表示されて、本来の予定が見えなくなった。
     アホかと。
     もちろん、今ではやめている。

     さて、働き方改革は世間での注目ワードだ。
     働き方改革を受けて我が社(の今の部門)はどうなかったかというえば、水曜・金曜は定時退社デー。
     この二日に残業すると、翌日めっちゃ怒られる。頭下げて謝ることになる。
     ちなみに、この二日以外はいくらでも残業し放題(というわけではないが)である。実質。
     
     仕事の忙しさには波がある。
     先週は水曜日に突発的に忙しくなり、頭がフル回転して今日中に何とかこの仕事を終わらせたい!
     と力入れ始めたときには水曜日の定時退社デーだ。強制終了。

     経験上、忙しくて、でもそれをやるエネルギーが十分にあるとき、頭がカンカンになって集中力が普段の何倍にも跳ね上がることがある。
     そういう時にはいくらでも残業をし、逆に仕事がなくてパソコンに対面しながら白昼夢を見てる日はさっさと帰るべきなのだ。
     それがあるべきフレックス勤務だと思う。
     毎日八時間半職場にいるのが仕事ではないだろう。
     仕事をやるときは思いっきりやる、ないときは帰る。

     仕事したくねぇ~、会社行きたくねぇ~、今晩会社に隕石落ちねぇかな~(現在の俺の状態)。
     大学のサークル同期、大学の友人、利害関係の全くない自箇所外の同僚、飲み会をすると会社の愚痴合戦になるのは、非常に日本的だ。
     俺だって、働かないで生きていけるなら働きたくないでござる。
     労働=苦痛。労働はある意味で懲役に等しい。
     労働とは何なのか。

     俺が思うに、働きたくて働いてるやつは、この世の中にほとんどいない。
     なぜか。
     中高大学ときて、卒業後に一斉に就職する。
     仕事したいかしたくないかは関係ない。
     そして就職後に、ハァ俺の人生こんなはずではなかった。定年まで働き続けるのか。と毎日を過ごす。
     そして、それが日常になり、そんな感情を心の底にしまい込むか、果ては耐えきれずドロップアウトするか。

     じゃあどうすればよいのか。
     本当に、働きたいと思ったときに働く。
     逆に、もうこの仕事でやっていくのはやめようと思った時に、辞める。
     その単純なことを許容する社会の流動性の実現だ。
    「そんなこと実現できるわけがない」
    「そんな甘ったれで生きていけるわけがない」
     それを実現できる、生きていける世の中に変えていくのが働き方改革なのではないかと思う。

     働き方改革=残業規制改革になっていないか。
     残業規制では本書で指摘する通り、サービス残業を誘発する。
     規制すればするほどに、残業はなくならない。

     人口減少が叫ばれて、その対策は打つ手なしだ(31才独身男性の俺が言うのもなんだが)。
     どうせ社会は縮んでいくんだから、サービスレベルも仕事量も、だんだんと減らしていきませんか。
     簡単に言えば、もっと手を抜き、息抜きもしませんか。
     成熟社会なんだから、もっと落ち着いて、度量も広く暮らせませんか。

     そういった社会を夢見て、俺は明日からの仕事に震えて眠るのだ。
     あ~、会社行きたくない。

  • 自分の働き方にも直結するテーマでもあり、とても深堀りされていた。

    働き方改革もやればいいというものではなく、本当に効果があるのか、副作用がないのかなど、多角的に考える必要があることを学んだ

  • ヒントにはなった。

  • できる限り企業と従業員の中間に立とうとしながら筆を進めていることが好感を持てた理由。
    従業員としての自分の襟を正さなければならない指摘もあり、参考になる本だった。

    「仕事に人をつける」か「人に仕事をつけるか」、という表現はビジネスマンにとっては常識だったのかもしれないが、自分にとって初めて聞く言葉であり、目からウロコが落ちる想いだった。

  • 残業が何故なくならないのか、深く考えられる本だと感じた。

    労働生産性が低いということは、ニュースでもよく聞いていたが、そもそも労働生産性とは何か。
    どういう国の労働生産性が高いのか、など普段のニュースでは得られない知識が得られた。

    また、だらだら働くことが日本の残業が多い理由だという説が多い。
    しかし、本質は顧客からの要望が過大であることや、そもそも仕事量が多すぎるなど、個人が原因ではなく、会社全体、ひいては社会全体が原因であると感じた。

    また、本の中で語られている、日本は全員が上の役職を目指すような仕組みになっている、柔軟な働き方ができるようになると良い、という箇所に共感した。

    全体的に読みやすく、有益な情報が素早く得られて良い本と感じた。

  • 着眼点は面白いけど、批判ばかり

  • 2019年、38冊目です。

  • 私の業界が特殊なせいか、なかなか頭に入ってこなかった。世間一般の状況を知ることができて、良かったけれど。

    労働時間を減らす工夫は、私もすでにやっていて、著者と同意見です!

  • 残業が日本の労働にシステムとして組み込まれているから。
    以下の対比がとてもわかり易かった。

    日本
    ・好景気では残業で乗り切る
    ・不景気では残業代と賞与を削減し乗り切る
    アメリカ
    ・好景気では人を増やす
    ・不景気では人を切る

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著者プロフィール

千葉商科大学准教授

「2021年 『POSSE vol.49』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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