殺意は砂糖の右側に: 天才・龍之介がゆく (ノン・ノベル 710)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 158
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396207106

感想・レビュー・書評

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  •  IQ190の天才・天地龍之介くんが探偵役の連作短編。
     彼が、語り部である天地光章さんのところにやって来るところから話は始まり、龍之介くんが身を託すこととなっていた中畑さんを探すという展開です。

     フィリピンにいるらしい中畑さんに会いに行く資金を捻出しようとする先で事件に出くわし、フィリピン行きの飛行機内でも事件に出くわし、フィリピンに行っても事件に出くわすという…。
     いくら何でも事件に遭遇しすぎでしょ、とは思うけど、まぁそうじゃないと、本にならないか。

     物理的なトリックは、私には難しすぎたけどね…。
     だから、犯人が分かっても、おぉ! て感じの感動には至らなかった…。

     あと、「目黒」警部補をつい「目暮」て読んじゃって、この人が登場するたび、コナンに出てくる目暮警部が頭に思い浮かんだ。

  • 科学ミステリー。龍之介シリーズ-1
    短編がつまっている。
    C0293

  • 天地龍之介のシリーズ第1弾。柄刀一ははじめて読むが、短編ミステリでこれだけのキャラクタを作り出すのはうまい作家なのだろう。文章はうまい。とても読みやすいし、キャラも立っている。短編の素人探偵シリーズ物でミステリを書くのは設定にリアリティがかけてしまうのは、やむを得ないところはあるかな。行く先々で事件に遭遇するのはありえないから。でも、龍之介の変なキャラがリアリティのなさを包み込んでいるようだ。しばらく読んでみようと思う。

  • 進行役のキャラクターのノリのせいか、ミステリーのレベルは確かに高いのに、なんでかライトノベルのような雰囲気が。
    でもそのおかげで、殺人事件だから暗くなるような読後の雰囲気はない。
    この人たちの話はまだ続くのかなあ。ちょっと気になる。

  • 『エデンは月の裏側に』
    祖父の死去により後見人に会うために上京してきた龍之介。従兄弟の光章の家に転がり込んだ龍之介。後見人である中畑の消息を訪ねるために訪れた研究所で目撃した転落死事件。事件直前に争っていた前島虹一と被害者の能戸浩史。能戸の背中に刺さった矢の秘密。

    『殺意は砂糖の右側に』
    光章の恋人・一美が参加した料理コンテスト。主催の柴崎一族の三男・三津夫はかの元恋人。三津夫とコーヒーを飲んでいたの長男の長友夫妻。コーヒーに入れられた酢の謎。ミラクルベリーのトリック。

    『凶器は死角の奥底に』
    コンテストの優勝商品のフィリピン旅行券を受け取りに主催者の経営するナイトクラブにやってきた龍之介と光章。大熊社長が欲しがる10円玉の秘密。社長室の前に立つ謎の男・横内。殺害された大熊社長。コップに入れられたサラダ油。サラダ油の中に隠された凶器のガラスの像とガラスの置物の秘密。麻薬取引と事件の関係。

    『銀河はコップの内側に』
    フィリピンにいる龍之介の後見人の中畑氏に会うために飛行機に乗り込んだ龍之介と光章。一美の友人の子供・草太郎を同行しての旅。飛行機内で起きた殺人事件。飛行機のトイレで死んでいた津島晶子。その直前にバックを盗まれたと訴えた朝岡夏緒。遺体のそばで潰されていた朝岡のサインペン。サインペンの中に入っていた物の秘密。

    『夕日はマラッカの海原に』
    フィリピンに到着した龍之介と光章。ガイドの運転する車の起こした事故。日本人を嫌う現地の部族に捕まる2人。裏切り者を探すという儀式。光章が十字架に向けて撃った銃弾が違う方向にいたラモスの目を撃ち抜いた。ラモスの目に隠された秘密。

    『ダイヤモンドは永遠に』
    一美が兄と宿泊するホテルで起きた事件。ダイヤの原石の密輸犯が逃げ込んだ一美兄妹の部屋。部屋の中に隠された原石。電話で知らせを受けた光章と龍之介の推理。

    『あかずの扉は潮風の中に』
    中畑氏に会うためにやってきた村起きた事件。密輸団の摘発。密輸団との関係を疑われた中畑氏。中畑氏がつぶやいた言葉に隠された秘密。

  •   「超」天才なのに、「超」天然―それが、天地龍之介である。
     島でお爺さんとふたりの生活を送っていた天地龍之介だが、お爺さんが亡くなってしまい、お爺さんの旧友であり、後見人の中畑氏に会おうとするも、フィリピンへ旅立ってしまっていた。しかたなく、従兄の天地光章のもとに転がりこまざるを得なくなる。
     龍之介と「一時後見人」のような立場に置かれてしまった光章。二人がフィリピンへ四苦八苦しながら行こうとする(その前の旅費を稼ぐ段も含め)も、先々で殺人事件が起きて……。

     こういう探偵もいいな、とふと思った。

     内容については、普通。ただ、「エデンは月の裏側に」は、拍子抜け。「ああ、そう…」と思ってしまう程。あからさまでもいいから、もう少し原始的に事を運んだほうが、受けは良かったと思うし、自然さは増したと思う。

  • 面白くないわけではないんだけど、正直物足りない。
    龍之介は可愛いと思うし、物理的な推理も面白いけど、
    なにか物足りない。
    淡々と事件が起きて解決という雰囲気なので、興奮もしないし
    犯人が誰なのか考えもする暇もなく、事件が解決するので
    続編を読もうという気もあまり湧かない。

  • こんなに読みにくい推理小説は久しぶりです。
    キャラも好きになれず、推理も科学ネタばかりで、「あ、そうなんだ。」という感じ。
    自分には合いませんでした。

  • さくさくっとかるーい感覚で読める短編集だけれど、しっかり本格。どちらかといえば私の苦手な物理科学系テイストであるにも関わらず、抵抗感は一切無し。というのは「キャラもの」の良い面が存分に生かされてるということなのかな。
    そしてなんといっても。ここの短編のタイトルが良すぎ。語呂とかがめちゃめちゃに良いっ。妙なところで大感動。

  • 買ってから長らく放置されていた(いつもの事)んですがもっと早く読めば良かったと思った。
    既にシリーズは10作目まで突入しているわけだが不思議とのめり込ませる何かがありますね。
    爽やかっていうと変だけどすんなり受け入れて読めてしまうような一定感がこの作品にはあると思います。

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著者プロフィール

1959年、北海道生まれ。1994年に「密室の矢」が読者投稿アンソロジー『本格推理3』(光文社文庫、鮎川哲也・編)に採用され、以降も「逆密室の夕べ」と「ケンタウロスの殺人」の投稿作品が採用された。98年、長編「3000年の密室」で作家デビュー。代表作は「時を巡る肖像」「密室キングダム」。日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブの各会員。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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