日本史集中講義―点と点が線になる (祥伝社黄金文庫)

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著者 : 井沢元彦
  • 祥伝社 (2007年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396314323

日本史集中講義―点と点が線になる (祥伝社黄金文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 皆さん、尊敬する方から『歴史から学ぶ事が重要』って言われた事はありませんか???
    歴史って暗記物だし年号、人物名や事項を覚えても現代で役立つはずが無いなんて思いますよね?
    そんな皆さんに歴史は面白いと教えてくれる井沢元彦さんの作品、『点と点が線になる日本史集中講義』をご紹介します。

    皆さんは歴史の事象原因について明確に答えられますか?

    例えば織田信長による『楽市楽座』ですが『既存の独占販売権、非課税権、不入権などの特権を持つ商工業者(市座、
    問屋など)を排除して自由取引市場をつくり、座を解散させるものである』(WIKI抜粋)とありますが何故、織田信長は
    自由市場を設置しなくてはならなかったのでしょうか?

    「税負担を軽減し誰でも商売が出来るようにしたかった」と思われるでしょうが、それでは信長には何の利点も必然性も無く、
    論理的に考えたら理由がはっきりしませんよね?

    実は教科書には理由が明記されていない為、暗記だけとなり皆さんの興味を奪ってしまうのです。

    本書はそういう抜け落ちた必然性と時代背景、そして古代から続く日本人特有の風習を絡め、簡潔に論理的に誰でも
    理解しやすい文章で説明している点が最大の特徴となっているのです。

    では信長の楽市楽座の話をしましょう。
    元々は室町幕府の失政からでした。

    将軍の足利尊氏は天皇の部下という立場上、他の同じ武士である平家や源氏の服従を得られませんでした。
    その為、武士達は勢力を伸ばす為に暴走し、1467年には応仁の乱が勃発し、室町時代は終焉を向かえ戦国時代となるのです。

    警察である武士達が任務を放棄すると国は混乱し、民衆は命の危険にさらされるようになります。
    その為、防衛の為武装するようになるのですが、なかでも比叡山延暦寺や日吉神社などの寺社は圧倒的な財力によって
    僧兵と呼ばれる武装集団を抱えるようになり源義経の従者、武蔵坊弁慶も比叡山の僧兵だった事でもその戦力は一般武将を
    凌ぐほどだったそうです。

    寺社は自己防衛の為に多数の僧兵を抱えましたが、彼らを養うためのお金が寄進だけでは足りなくなります。
    当時、寺社は特性上海外の最先端技術をいち早く入手する事ができました。

    彼らはそれら技術を商人に教え、代わりに多大なリベートを要求するようになります。
    しかしそれでは高額なリベートを支払いたくない他の商人に真似されて終わりです。
    考えた寺社は僧兵をリベートを支払わない業者に差し向け、何度も虐殺し、焼き討ちを行なうようになります。
    そうして寺社傘下の『座』ができ、市場を独占するようになります。

    しかし他の武将達や寺社が縄張りを奪おうと虎視眈々と狙っています。
    対抗するためにはもっと僧兵を雇い雇用し続ける為の財力が必要です。
    ですが重いリベートの為、高額となった商品は簡単には売れません。

    すると寺社は民衆達が日常的に往来する街道や河川、海域に勝手に関所を設け始めました。
    民衆が関所を通れば楽してお金が寺社に入ります。

    主要街道は勿論、大阪の淀川には三百箇所もの寺社関所が幕府に無断で設置され、やがて寺社はその強大な戦闘力を
    背景に領主達の命令を無視するようになりました。

    領主である織田信長も武士達を養わなければならないが、寺社が市場を独占し、利益を貪ってる状況では税の徴収もままなりません。
    このままでは軍事力を維持する事ができず、国を守れなくなります。
    その為、信長は楽市楽座を導入したのです。

    これは寺社の利権を奪う行為ですから当然反発が起こります。
    それを見越して信長は天下布武を制定します。
    これは信長が守るから武器を捨てよという命令であり、本当の目的は寺社の武装解除だったのです。

    しかし市場の利権と武力を奪われ、関所の撤廃までされたら寺社は地位を保てなくなります。
    しかも寺社同士の利権を巡る対立は激化しており、1536年天分法華の乱という延暦寺による法華宗の虐殺にまで発展しています。
    このように現代では考えられないほど寺社は危険な存在だったのです。

    1571年、信長は命令を無視し蜂起した延暦寺を武力で制圧します。
    その後も何度も講和を結んだが一方的に反乱を起こす本願寺などの勢力に対しても武力制圧を行なうのですが、鎮圧後、信長は
    服従する姿勢を見せた本願寺に『総赦免状』を送っています。
    これはそれまでの罪を許すとの意味で『往来自由=布教活動を行なって良い』とまで書かれています。

    これが信長の『楽市楽座』を発端にした『宗教弾圧』までの話です。

    全ての事象は過去から繋がっているのです。
    皆さんが習われた点という年号や事象を連綿とつづる日本人の営みとして線にし歴史にする。
    これが本作品の意図であり目的だと思います。

    織田信長は格好いいって思ってる・・・むう達でした(笑)

  • 学校での歴史教育を批判することから始まる。
    確かに学校では、丸暗記に近い感じで教えられるけど、この本を読むと歴史はつながっていることが良くわかる。
    少しでも歴史を勉強していれば、この本でまさに「点と点が線になる」。
    聖徳太子の十七条憲法が、明治維新の船中八策までつながっていることの説明はみごと。

    自己主張しリーダーシップを取ろうとすると排除したがる日本人特有のの風習は「十七条憲法」で説かれている話し合いで物事を決める精神の影響があることも的を得ている。
    そのため日本では独裁者が生まれず、革命が起こらない。
    まさに、今の日本を象徴していると思う。
    小沢さんなんかがいい例である。
    橋本さんも「独裁者が必要」って言ってたのも納得できる。

    その他、最近名古屋市長が言っていた、南京大虐殺のことも、この本では述べられていた。

    歴史を語るには宗教を理解しなくてはいけないこともこの本でも再認識した。
    ・なぜ、信長が延暦寺を焼き討ちにしたか(寺社は武装集団だった)
    ・江戸時代のキリシタン禁止は、外国の日本侵略を阻止できた。

    こんな本を学生の頃読んでれば、もう少し歴史を面白く勉強できたかなぁ。

  • 日本史についての勉強本

  • (他者(学者)と較べて)自分の言っていることが正しいと言いたいだけの駄文。
    多少は学ぶべき観点や情報もあるけれど、基本は No value to read 。

  • 時代や地域があちこちに飛びながら語られるので、日本史だけでなく世界史も高校レベルくらいは勉強したあとの方がわかりやすい。
    だが、そうやって全然違う時代の事柄を並べて論拠としながら展開されるので、それは乱暴だろうという箇所もある。
    歴史について、学校で習った内容とは違う視点から語られるのは、ああそういうことだったのか、と目から鱗が落ちる思いがするものだが、そういう面は本書にも確かにある。

  • 日本史の流れについて、そのタイトルの通り点ではなく、その背景にある流れからの解説があり、点と点を線にしてくれる本。とても興味深くおもしろい。
    ・聖徳太子は何よりも和、話しあいで物事を決めること、調和を重視していた。
    ・オオクニヌシ、アマテラスの神話の話もおもしろかった。先住民と移住民の間で起こったであろうことなど。移住民が先住民をほろぼし、神話とともにそれを美化している。日本もアメリカも。
    ・日本人は死のけがれを嫌う。けがれとよごれは違う。けがれは精神的なもの
    ・墾田永年私財法は自分たちの土地を永年得るための法律。
    ・武士の時代、頼朝は武士が本当に何を望んでいるかをわかって幕府をたて成功している。平家はそれがわかっていなかったため滅びてしまった
    ・朝廷と幕府が併存できたのは文化面とけがれ仕事とで役割分担をできていたため。
    ・信長の時代の宗教戦争。日蓮宗、法華宗。本願寺と信長の関係。
    ・信長は政教分離をポリシーとしていた。武装解除を進めた。
    ・刀狩りは武士以外から武装解除すること。
    ・城下町も信長が作った。武士を職業として独立させるために。
    ・朱子学を導入推進することで、反逆がおきにくくなるようにした。すなわち道徳を変えることにより支配を絶対的なものとした。家康により。
    ・海外からみて城壁がなく、安全なのは信じられないようなこと。海があるからこそこのようなことが成り立った。

  • 歴史を縦糸で繋いでいく論説に、感動。高校の時に大好きだった日本史の先生の講義がよみがえってきた。俯瞰して見ることの大切さを感じる。現在の状況にも大いに繋がる見方であり、参考にしていきたい。

  • 日本人を和を以って貴しとした。
    日本人の悪い癖は、問題解決を先送りにしがちである。その原因として、その時の責任者が責任を取りたくないという気持ちがある。

  • 今までに読んだ日本史の本の中で一番わかりやすく面白かった!

  •  改めて歴史の面白さを知るとともに真実はいかなるものかと考えさせられてしまった。そして、知識一遍の学校の歴史とは一体何の役に立つのかと思ってしまった。
     本書は、タイトルの通り、点と点の歴史教育を線にするような、事件の裏付けや当時の宗教観、時代背景、世界時勢を解説し、時代がつながっているかを教えてくれる。
     例えば、学校の教科書では、いきなり武士団が結成され貴族を守っているが、実は日本には穢れの精神があり、平安時代には警察となる組織がなかったので、自らの土地を守るため武装せざるを得なかったのである。それは、僧侶も同じことで、歴史を学んだ時、なんで坊さんが武器を持っているんだと疑問に思ったが、その謎も解けた。
     歴史を紐解く時、日本にはどうしても敗戦の念が生じ、まちがった歴史教育がなされている感は否めない。まず事実を正しく知り、未来に役立てていくことが大切だと思った。

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