なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか (祥伝社黄金文庫 ふ 9-1)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396314606

作品紹介・あらすじ

腕を描き忘れる。四角い川を描く。三角形が描けない。「ひとつ、ふたつ」「それ、これ」が理解できない。目をつぶれない。そして、言葉が出ずにすぐに「きれる」…。この子たちの危機は社会の、人間そのものの危機である。-『暴走老人!』の芥川賞作家が戦慄した、幼児たちの実像。

感想・レビュー・書評

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  • 非常に興味深い内容。
    子供の、お絵描きはコミュニケーションだった。
    ぼーっとしている時間は「神との対話」の時間。
    漠然と、自分が考えていたことが裏付けと共にきちんと書き留められた感じ。

  • 私も小さい時は英語やら習っていたけど
    いざ中学でならい始めると全く覚えてなかったなあ…。
    こうしたら、こうなる。みたいな図式がないから難しいなあ

  • 最後の一行の「子どもは手をかけるほどいい子に育つというのは、幻想にすぎない」は解る気がする

  • この新しい現実が意味するものは何か? ― http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396314606

  • あまり普段こういったのは読破できないのに、作者が芥川賞作家だからかなかなか読ませる文章でよかった。
    結婚にはこれを携えて臨みたい。

  • 戻ってきた。

  • 親の過干渉。脳トレ。

    0歳時に英語を教える保育園に行った。
    その必要性に納得できなかった。

    情報があふれる今だから、自分の力で情報を選り分けないといけない。
    親として当然だけど難しい。

    誰かの責任逃れやお金儲けのために人気を操作されてできた最近の子育てに苦しめられている母親は読むといいと思う。

  • 過干渉や早期教育への妄信に警鐘を鳴らした本。
    子育てに愛情やスキンシップが大切なのはもちろんだが、それが過剰になると弊害を生む。何事も適度なのが一番ということだ。
    でも、子育てが一段落した身から言わせてもらうと、筆者の理想とする子育てをやろうと思うなら、今の母親偏重の育児から、父親はいわずもがな、それこそ社会で支えていけるような仕組みに変えていくことが欠かせない。時代とともに、家庭を囲む社会環境は変わっているのだ。

  • 「腕を書き忘れる」「それ、ここ、これが理解できない」「まだ子供なのに感情の変化が乏しい」ここ数年で急に増えた幼児の異変について書かれています。
    この本が出版されたのが2005年なので異変が増えたと書かれている時期は2002,3年あたりですかね

    「少し大げさに書いている気がするな」と最初のあたりで思ったりもしましたが、終盤に近づくと「なるほど、確かに」と考えるようになっていきました。

    おもしろかったのが、文章の書き方がノンフィクション風の問題→検証→考察→結果ではなく、
    作者が小説家ということもあり、作者とS氏が色々な文献や取材を重ねていき、その内容から幼児の異変を考察していく会話で問題の核心に迫っていく過程が、まるで推理小説を読んでいるような気分になりました。

  • 私は、絶対的な愛情を親からしか与えられない小さな子供は、自分の親を批判するすべをもたないと思っていた。
    しかし、子供は親に対する気持ちや想いを絵に表していたのだ。

    子供の考えることがよく分からないと嘆く前に、
    子供の行動や表現をよく観察することが大切だな、とつくづく思い知りました。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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