善人は、なぜまわりの人を不幸にするのか 救心録 (祥伝社黄金文庫 そ 2-9)

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  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396314941

感想・レビュー・書評

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  • 『善人は、なぜまわりの人を不幸にするのか』曽野綾子

    この人の作品って読んだ事がないかもしれません。
    が、これを読んで俄然、興味がわいてきました!

    いや〜、曽野さん、好きだわ〜!
    私は自分の事を「いじわるな悪役タイプ」と思っているのですが、これ、冗談でも謙遜(?)でもなく本気です
    私は性根が悪い人間に生まれついてしまったため、どうにかして良い人間にならねばと子ども時代には強烈に思い詰めておりました
    ある程度大人になったら、開き直りましたけれど(笑)
    イライザあってのキャンディ、ミンチン先生あってのセイラ、チェ尚宮あっての長今

    善人じゃない人間って、その事について悩んだり苦しんだりすることが多いと思うけれど、善人は悩まないんですよね、だっていい人間で、自分でも人に良い事をしていると思っているから(^^;

    この中に、『善人が他人を不幸にする理由』というのがあるのですが、もう、いちいち激しく賛同しつつ読みました!

    『世の中の三悪「おきれいごと」』ううむ・・・勝間さんの三毒追放を思い出したりして・・・。
    『相手を疲れさせる見当違いの情熱』うんうん!!うんうん!!!
    『すべての人は、あらゆる人から恩恵をうける』
    『不自由の中にある自由とは』
    もうほんとにためになりました、私には。
    世に氾濫する「癒し本」の集大成だと思いました。

    彼女はクリスチャンなのですが、宗教色も嫌みになっていませんでした。
    (私は全ての宗教に興味を持っている、多信教(?)の嫌いがあるので、そう感じたのかもしれませんが)

    私のように、自分が悪役の脇役だと肩身の狭い思いをしている人にはおすすめです(笑)

  • 心に響くフレーズ
    ① ほとんど地球上のすべての国が、必ず特定の国を敵視している。多くの場合それは隣国だ。
    ② 男でも女でも、かっとなる人はまず弱い人だ。
    ③ 本当の意味で強くなるにはどうしたらいいか。それは勝ち気や見栄を捨てることである。その時人は解放される。
    ④ 欠点をさらしさえすれば、不思議と友だちはできる。
    ⑤ 人目にもわかるように苦悩することこそ、甘えだと思う。
    ⑥ 愛の本質は、相手が望んで決定したことを支持することである。

  • 大学2年の頃に書いた感想?まとめ?が出てきたので貼り付け。
    評価は当時のまま星3つ。

    「本文より

     "時とすると、善意ほど恐ろしいものはない。
     悪意は拒否できるが、善意は拒否する理由がないからだ。 "

    こういう意味で
    不幸にするという意味でした。

    善意の恐ろしいのは、
    善意で目が曇ること、
    そのため「人はそれぞれ違う」
    ということがわからなくなる。

    善意を武器にしてしまえば
    どんな悪事でも
    できちゃいそうになる
    ここが善意のこわいところ…

    どんなに分析しようと結局は
    「相手の立場に立って考える」
    という小学生でもわかることを
    大人たちこそが
    実践しなきゃならないんだとおもいます。」

  • 私にとっては、とても為になる本でした。

  • 読んですぐは、価値観が違うように感じるだけでした。

    今やっとわかりました。
    善意なのに相手が不幸なことがあるのだと。

  • いろんな本から抜粋されたクリップ集。こんな本もあるんだ。
    面白かった。
    善意だからこそ断れない。喜ぶことを強制され、否定すれば罪悪感に駆られる。そんな日頃のもやもやが文字になっていた。ほかにもいろいろ。

  • 素敵だけどこういうテーマはやっぱり中島義道先生の方が辛辣でおもしろい。

  • 作家で日本郵政取締役の曽野綾子さんがかつて書いたものの中から、抜粋していろいろテーマごとに収録した本。名言集とはちょっと違いますが、心に残る言葉たち。その引っかかり具合が、素直じゃありません。

  • この方の著書を初めて読みました。
    ページを開いてはじめは正直「自分はファンでもないし…なんだあ著作の引用かあ。がっかりだな」と思っていたのですが、後半に電撃をくらわされたようなショックを受けました。
    この本を読んでいたころ、頭がどうにももやもやして自分でも自分の心情がよくわからないなんとも煮え切らない感情を抱いていたのですが「あ…なんだ。そうか」と言う感じで胸のつかえがストンと腑に落ちた音を聞いたような気がします。
    読む人によって心に残るところや感じることがばらばらでしょうし、これっていったいなんのこと?…って思われる方もいると思います。もしご自身の周りに善人じゃなくてもいいからちょっと扱いに困る人、やたら聖人っぽい人なんかがいて、いったいあの人は何を考えてるの?と不思議に思っていらっしゃる方などがいたら、あー…なるほどと思うところがあるかもしれません。該当する方が身近にいらっしゃったらおすすめします。

    自分自身は相当ひねくれた人間だと思っていたのに、自分と同じかもしくはさらに上のあまのじゃくな人間がいる。しかもかなりな世間的な評価を得ている。そう思うと生きる勇気がわいてきました。私はすごくおもしろかったけど、おそらくこの感想がかなり主観的であるのが満点評価でない理由。

  • 人は複雑。人との関係も複雑。良い悪いを簡単に決められるのなら簡単んなのだけれどそうもいかない。その揺らぎというか迷いの部分がないのもどうかと思う。コトはそんなに白黒はっきりつけられないものだとおもっておくのがいいのかもしれない。

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著者プロフィール

1931年、東京に生まれる。作家。53年、三浦朱門氏と結婚。54年、聖心女子大学英文科卒。同年に「遠来の客たち」で文壇デビュー。主な著作に『誰のために愛するか』『無名碑』『神の汚れた手』『時の止まった赤ん坊』『砂漠、この神の土地』『夜明けの新聞の匂い』『天上の青』『夢に殉ず』『狂王ヘロデ』『哀歌』など多数。79年、ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。93年、日本芸術院・恩賜賞受賞。95年12月から2005年6月まで日本財団会長。

「2023年 『新装・改訂 一人暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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