不肖・宮嶋のビビりアン・ナイト（下）　イラク戦争決死行　被弾編 (祥伝社黄金文庫)

著者 : 宮嶋茂樹

• 祥伝社 (2010年7月23日発売)

感想・レビュー・書評

[Treasonerさんの感想 · 2019年1月12日]

貴重な体験を共有させてもらえる本
戦争の現場を知ることができる

[うみさんの感想 · 2018年10月14日]

３／３０からイラク陥落、その後の略奪の嵐、そしてイラク脱出まで。バグダッド陥落前のイラク情報省小役人とのやりとりよりも、サダム象倒壊の時、不肖宮嶋は戦車回収車に乗っていたのかと今更知る。イラクがイラク戦争のあとどれだけ混乱したとしても、官庁街と言わず、博物館と言わず、病院と言わずイラク人が自ら略奪してたわけでなあ

[葡萄森兄夫さんの感想 · 2015年11月15日]

イラク戦争のバクダッド陥落を撮りきった宮嶋氏の取材記録。上下巻。
イラク入国査証入手の苦労やその手練手管、バクダッドの情報省との付かず離れずの騙し合いなどが詳細に且つオモロク描かれる。派手な前線に肉薄するまでの地道な準備、冷静な判断と動物的勘の積み重ねが丹念に書かれていて興味深い。戦争報道稼業を志す若者にとって教科書のような御本である。「ライトプレイス・ライトタイム」なるありがたい言葉も学べる。

そして、深く心に迫る。
宮嶋氏はバクダッド陥落という歴史的瞬間を目前に、何を撮るべきか分からなくなってしまった、という心情まで綴る。なんとも赤裸々な告白である。
さらに、宮嶋氏はバクダッドのホテルで米軍の戦車砲の至近弾を受ける。修羅場となった部屋に飛び込むのだがシャッターを切ることは出来なかった…。その時の心境を告白している。
この二つの条りは上下巻を通じて本書の白眉である。