- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396326371
感想・レビュー・書評
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極限暴力に恋慕う。
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ここ最近、花村満月ばかり立て続けに読んでしまった。『皆月』『二進法の犬』に続き、本作『笑う山崎』だ。この3作に共通するのは、全てアウトローが登場する。ヤクザでも手に余る男であったり、冷酷無比なヤクザであったり。しかし、どの作品に登場するアウトローもどことなく愛おしい。なんとも魅力的に描かれている。
この『笑う山崎』。山崎という誰もが恐れる冷酷無比なヤクザも、フィリピン人の妻と、義理の娘のパトリシアにだけは依存し、愛している。このギャップが堪らないんだな。
正直言って、内容はそれほどでもないのだが、彼が生み出すこのキャラがあまりにも良くて、私は花村満月に依存してしまっている。 -
僕にとっての著者のイメージは、ただのスケベ路線だけかと思っていたが、これは撤回しよう。
結論から言って、“面白いっ!”◎でんな(笑)。山崎シリーズで書いている短編を一冊にまとめたものだそうだが、ストーリーはつながっている。
ヤクザとしての体面を重んじ、ぞーとするような冷たい面をもつ裏側に、人間的なあったか味を感じる山崎という男、目が離せませんなぁ(笑)。 -
頁三二一
「だが、いま、俺は他人に依存することを覚えた。パトリシアの母親に依存し、パトリシアに依存する。そして、子分たちに依存する。
それらは、虚構だ。疑似家族的な関係と言ったところだ。いいか。河原でいちゃつく男と女は、自分らの嘘に気付いていない。しかし、俺と、俺の疑似家族たちは、自分たちが虚構であることを心の底で自覚している。
だから、最後まで嘘をつきとおす。嘘を全うする。嘘を真実であると信じる。俺たちは、じつは宗教団体なのさ。だから、嘘に命をかける。嘘の殉教者にさえなる」 -
著者の大ファンなのに読み逃しておりました。。人間は所詮獣だという節にはしびれました。極上のフルバイオレンスヤクザエンターテインメントでした!
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ちょっときつかった。
ヤクザの山崎、妻マリー、娘パトリシア -
2016.5/27〜31。初めての花村萬月。山崎が凄まじい。絶対に敵に回したらいけないタイプ。出会いたくもないが。敵には容赦ない反面、妻と娘への愛情が暖かい。その部分が良い箸休めになった。
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ヤクザの過激な暴力描写が印象にのこる。
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主人公は京都大学中退のヤクザ。
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醜きまでの人間の匂いを描く作家・花村萬月
素晴らしい