笑う山崎 (ノン・ポシェット は 5-1)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 412
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396326371

感想・レビュー・書評

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  • 極限暴力に恋慕う。

  •  ここ最近、花村満月ばかり立て続けに読んでしまった。『皆月』『二進法の犬』に続き、本作『笑う山崎』だ。この3作に共通するのは、全てアウトローが登場する。ヤクザでも手に余る男であったり、冷酷無比なヤクザであったり。しかし、どの作品に登場するアウトローもどことなく愛おしい。なんとも魅力的に描かれている。
     この『笑う山崎』。山崎という誰もが恐れる冷酷無比なヤクザも、フィリピン人の妻と、義理の娘のパトリシアにだけは依存し、愛している。このギャップが堪らないんだな。
     正直言って、内容はそれほどでもないのだが、彼が生み出すこのキャラがあまりにも良くて、私は花村満月に依存してしまっている。

  • 僕にとっての著者のイメージは、ただのスケベ路線だけかと思っていたが、これは撤回しよう。
    結論から言って、“面白いっ!”◎でんな(笑)。山崎シリーズで書いている短編を一冊にまとめたものだそうだが、ストーリーはつながっている。
    ヤクザとしての体面を重んじ、ぞーとするような冷たい面をもつ裏側に、人間的なあったか味を感じる山崎という男、目が離せませんなぁ(笑)。

  • 頁三二一
    「だが、いま、俺は他人に依存することを覚えた。パトリシアの母親に依存し、パトリシアに依存する。そして、子分たちに依存する。
     それらは、虚構だ。疑似家族的な関係と言ったところだ。いいか。河原でいちゃつく男と女は、自分らの嘘に気付いていない。しかし、俺と、俺の疑似家族たちは、自分たちが虚構であることを心の底で自覚している。
     だから、最後まで嘘をつきとおす。嘘を全うする。嘘を真実であると信じる。俺たちは、じつは宗教団体なのさ。だから、嘘に命をかける。嘘の殉教者にさえなる」

  • 著者の大ファンなのに読み逃しておりました。。人間は所詮獣だという節にはしびれました。極上のフルバイオレンスヤクザエンターテインメントでした!

  • ちょっときつかった。

    ヤクザの山崎、妻マリー、娘パトリシア

  • 2016.5/27〜31。初めての花村萬月。山崎が凄まじい。絶対に敵に回したらいけないタイプ。出会いたくもないが。敵には容赦ない反面、妻と娘への愛情が暖かい。その部分が良い箸休めになった。

  •  ヤクザの過激な暴力描写が印象にのこる。

  • 主人公は京都大学中退のヤクザ。

  • 醜きまでの人間の匂いを描く作家・花村萬月
    素晴らしい

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『ブルース』『笑う山崎』『二進法の犬』「武蔵」シリーズ、『浄夜』『ワルツ』『裂』『弾正星』『信長私記』『太閤私記』『対になる人』など。

「2021年 『夜半獣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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