まほろ市の殺人 夏: 幻想都市の四季 (祥伝社文庫 あ 19-1)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (122ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396330477

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  • 架空都市 真幌市。
    この都市で起きた事件を四季毎に四人の作家が描く。
    我孫子 武丸氏 <夏>
    軽くサクサク読めます。
    結末が重い。

  • 架空の都市・真幌市を舞台にしての4作の競作の内のひとつ、夏編です。(ちなみに他は、春:倉知淳、秋:麻耶雄喬、冬:有栖川有栖が書いてます)

    デビュー早々大スランプ中の小説家・君塚義一のもとに、ファンレターが届いた。送り主の女性・四方田みずきと何度かメールのやりとりをしている内に創作意欲と共に好意も湧き上がってきた彼は、本人と実際に会って話がしたいと考える。偶然にもお互い真幌市在住だったため会うことも叶い、ますます彼女に恋愛感情を募らせるのだが、何故かその後みずきからのメールの返信はそっけなくなっていく。
    とうとう彼女と連絡すらとれなくなってしまい、途方にくれた彼は友人に相談をし、いっしょに彼女の家を探すことになるのだが……。

    前半はなかなか事件に行き着かず、少々主人公の鬱さにうんざりする部分はあるんですが(笑)後半でいっきに核心に突っ込んでいってくれます。「わ?わわわっ(汗)」という感じで。(ちなみに推理物ではありません)
    我孫子作品のこの微妙な狂気感覚は結構好きな私です。
    「殺人者」の狂気がその境遇から徐々に出来上がってきたであろうこと、そしてその時の「殺人者」の心情。
    文章にはなっていない部分を想像してしまいますね。
    それにしてもコレ、是非1時間くらいのドラマでみてみたい…。映像でも結構視聴者を騙せると思うんですがね…ダメかなぁ…。問題はキャスティングよね…。特に女優…。

  •  我孫子武丸は引き出しの広い作家で、多様なミステリーを書くがどれも好きである。グロすぎると評判の『殺戮にいたる病』ももちろん好きだ。

     本書もストライクゾーンの作品だった。こういう女性絡みの話もおもしろい。

  • 真幌市シリーズとしては珍しく、コンパクトに巧くまとまった中編という印象。良い意味で裏切られました。

  • 小一時間で読んでしまった。我孫子武丸らしいスマートなプロットで、非常に楽しめた切ない話だった。文章も整然としてるし、安定感がある。ただちょっと雰囲気が古いかな?

  • やられたね。なるほどね。そういうことね。トリックは何となく感付いてたんだけど。そっかー。くそー。悔しい。

  • 「幻想都市の四季」と銘打たれた競作企画の夏を彩るのは、ゲーム「かまいたちの夜」のシナリオで知られる我孫子氏。

    その緻密なシナリオ構成は、本作でも健在。

    たった120ページほどの作品にこれほどまでに詰め込まれているのかと、驚嘆いたします。

    最後の一行を噛みしめてください。

  • 我孫子氏の作品では一番好きです。でも本人はこういうオーソドックスなものを書きたがらないので逆に稀有な作品か(苦笑

  • 自分的には、「あ」っと驚いた感じ。予想してなかった。
    手品のトリックみたいな、こう、死角利用的な印象強し。
    感覚的に、犯人は判ったものの、どうしてそうなるのか、の流れが判らなかったので、最後まで普通に楽しめた。こういの、結構少ない。
    ただ……何と言うか、主人公にとって都合の良い展開ではなかったかな、とは思う。感情的にではなくて、状況的に。
    因みに一番驚いたのは「叶わない想いを抱く相手の為に、己を犠牲にしちゃった」人のことか。いや、犠牲にするつもりはサラサラなかったのだろうが……。
    そしてその人の扱いが、なんとなく杜撰なのが、悲しかった(書き方が、ではなくて、やっぱり状況が)。

    短いが、短いが故にこの感覚なのだろうな。
    そう思えた話。

    因みに、これってコラボ作品なのだろうか?

  • まほろ市の競作4冊を続けて読みましたが、この話が一番好きです。みずきの心情を思うと切ないです。エピローグも印象的でした。

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著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部中退。在学中は推理小説研究会に所属する。89年、『8の殺人』で作家デビュー。主な作品に、『人形はこたつで推理する』にはじまる「人形」シリーズほか、『殺戮にいたる病』『ディプロトドンティア・マクロプス』『弥勒の掌』『眠り姫とバンパイア』『警視庁特捜班ドットジェイピー』『さよならのためだけに』『狼と兎のゲーム』『裁く眼』『怪盗不思議紳士』『凜の弦音』『修羅の家』などがある。小説の枠を越えマルチに活躍し、ゲームソフト「かまいたちの夜」シリーズの制作でも知られる。

「2022年 『監禁探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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