- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396331443
感想・レビュー・書評
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天地龍之介シリーズの一作目の短編集。どの話も柄刀一ワールド満載。どれも長くないからさっくりと読めるんだけどちょっと物足りなさはあった。個人的には「銀河はコップの内側に」と「ダイヤモンドは永遠に」が好みかな。
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「ミダスの河」を読んで、龍之介シリーズを知りました。
面白そうなので読んでみました。
まだ一冊目なので他のも読んでみようと思います。 -
出てくるキャラクターが、みんな若くて、なんだか面映ゆい。書かれたのが結構前だからかも。
このシリーズに興味を持った短編アンソロジーの頃の話になれば、もうちょっとスマートな感じがして、スルスル読めるかも。 -
いちばん印象的なのは、「味の素」事件(笑)
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コミカル系・ミステリのための本格ミステリ
読了日:2006.12.02
分 類:連作短編
ページ:320P
値 段:571円
発行日:2001年2月祥伝社、2004年1月発行
出版社:祥伝社文庫
評 定:★★★+
●作品データ●
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主人公:天地 光章
語り口:1人称
ジャンル:ミステリ
対 象:一般向け
雰囲気:コミカル、本格
カバーデザイン:中原 達治
カバーイラスト:緒方 剛志
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---【100字紹介】---------------
「10円玉を持っていないか?」
と聞いた数分後に殺された男は、
1円と50円の硬貨を握り締めていた…。
不思議な事件の数々を、
小笠原諸島から都会に渡ってきた純朴な、
IQ190の天才・天地龍之介が解く第1作。
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天地龍之介のシリーズ最初…らしいですが。実は菜の花自身は、順番を間違えたらしく、龍之介は3作目。うち1つは明らかにこれの続きでしたね。「幽霊船が消えるまで」です。皆さんはお間違えのなきよう…。というか、これって「殺意は幽霊館から」よりも前?色々と謎が多いシリーズです。(それ、内容と関係ない…)
語り手はタイトルになっている龍之介の従兄弟の光章。光章はごく一般的な人物ですが、これを主人公というのか、それともあくまで主人公は龍之介かは謎。この龍之介、あおり文句にもあるとおり、「IQ190」という凄い肩書き(?)をかついで登場するキャラ。どれだけ怜悧な天才が出てくるかと思いきや、おっとりやで、変人の祖父に育てられてきていて、しかも離島から出てきたばかりの、常識もあやしげな少年的青年。そんな彼が活躍するミステリ連作短編ですが、事件に遭遇するや否や別人のように豹変して怜悧な推理を…という期待を抱いてはいけません。事件に無関係に、ふわふわと変な方向を見ている変人です、このキャラは。事件が起こると怖がって隠れちゃうタイプですし。
つくづく歯がゆいキャラを、コミカルですらある1人称で描くコミカル・ミステリかと思いきや、中身はかなりの本格系。設定などはキャラを見るだけで分かる通りの、リアリティ追求型では決してないもの。しかし、これがミステリを魅せるための演出でもあると。つまり本作は、ミステリを形成するために世界が構築されているタイプ。ミステリのためのミステリ。パズルを作るために世界も作られた、そしてその世界は、偶然にも比較的通常の世界に似ていた、というだけだった、と、そんなイメージです。
著者はロマンティストだとか、そういう話がありますが(菜の花も激しく同意)、その所以はここかもしれません。つまり、世界があって、そこで事件が起こるのではなく、ミステリの舞台のために世界の方が構築されていくのです。これが幻想小説と呼ばれるのは当然かもしれません。著者はただ、美しいミステリの世界を矛盾なく打ち立てたかった。そういう人だからこそ、ロマンティストなのです。きっと。
●菜の花の独断と偏見による評定●
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文章・描写 :★★★
展開・結末 :★★★
キャラクタ :★★★+
独 自 性 :★★★
読 後 感 :★★★+
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菜の花の一押しキャラ…ユミ
「龍之介、お前さん、スポーツなんかは得意なのか?え?運動神経はいいほうか?」
「学校時代得意だったのは、立位体前屈ですね」(天地光章&天地龍之介)
それはスポーツなのでありましょうか? -
ある日一緒に暮らし始めるはめになってしまった従兄弟。
彼を本来引き取るための人物に渡すため、東奔西走する主人公と
普通の常識はほぼないのに、妙な事だけ良く知っている従兄弟。
目次を開くと、結構な話があるので、長い殺人もの? と思いきや
1話完結でさっさと終了してしまいます。
そういう点では読みやすいかと思われますが
化学が嫌いな人にはちょっとお薦めできないかも?
それの仲間のような説明が、がしがしとでてきてくれますw
飛ばして読むか、適度に受け流していけば
それほど苦にはなりませんが。
どうでもいい知識と、へぇ…という知識が
ちょっと手に入る内容、です。 -
「10円玉を持っていないか」そう言い残してクラブ経営者が殺された。彼は麻薬取引の疑惑を持たれていたが、右手にはなぜか1円と50円の硬貨を握りしめていた。この不思議な事件に小笠原諸島から初めて都会にやって来たIQ190の天才天地龍之介(あまちりゅうのすけ)が挑戦する。科学者並みの頭脳とちょっとズレた感性で、快刀乱麻の名推理を披露する新世代の名探偵、ここに誕生!
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シリーズ1作目。短編集なのでサクサクッと読めました。龍之介と光章の年齢がしっくりこなかったかな。設定された年齢よりもっと若い印象を受けました。
ミステリーのトリックというと、コレというのはなかった気がしますが、1つのシリーズ、物語としての今後の展開がどうなるのかなという点で興味を持ちました。