- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396332686
感想・レビュー・書評
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人とは異なる能力を持った(恐らく)4人の強盗グループのお話。いつも通り読み始めしばらくは人物の設定が頭に入ってこない。3分の1ぐらい読み進めると違和感なく状況が頭の中に浮かび、そこからの疾走感は凄かった。見事に物語に飲み込まれてしまった。成瀬の能力は凄いが個人的には響野に憧れる。
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個人的にずっと追いかけている作家、伊坂幸太郎さんの作品。
初期ってどんな感じだったかな?と、何となく読みたくなって再読。
これで3、4度目くらいかな…?
やっぱり良いなぁー、この猫ならぬエンターテイメントまっしぐら感(*´∀`*)
軽妙なセリフの掛け合い、洒落たフレーズ、言い回し、伊坂幸太郎作品の醍醐味はこれだよなー…と、改めて実感。
読みながら気持ちが昂ぶってるくるこの感覚、こんな高揚感がある作品って他にないなぁと。
前よりも色々な作品を読んだ後だからこそ、改めて伊坂作品の良さが分かった気がした(^^)
逆に、最近はこんな感じじゃなくなってるかもなーとも思った…
再読して、まず一番最初の「二人組の銀行強盗はあまり好ましくない…」のくだりでハートを鷲掴まれる(笑)
4人のことを知ってると、その時点でニヤニヤが止まらず…
絶妙な文章表現、軽やかさ、そして程よく残された突っ込みどころ、どこを切り取っても完璧。
ここに伊坂さんの良さ全てが詰まっている気もした。
言わずもがな、ストーリーの構成もむちゃくちゃ巧い。
読者の2、3手先を軽く行く展開は当たり前。
どんでん返しの質、数は他に類を見ない。
そして、伏線回収もとても美しい。
個人的には、やっぱり響野さんのボクシング・インターハイのくだりが好きかな( ̄∀ ̄)
基本的に響野さんに憧れている部分があるので、贔屓目は確かだと思う(笑)
ロマンはどこだ。
そう、この本の中に。
<印象に残った言葉>
・二人組の銀行強盗はあまり好ましくない。二人で顔を突き合わせていれば、いずれどちらかが癇癪を起こすに決まっている。縁起も悪い。たとえば、ブッチとサンダンスは銃を持った保安官に包囲されたし、トムとジェリーは仲が良くても喧嘩する。
三人組はそれに比べて悪くない。三本の矢。文殊の知恵。悪くはないが、最適でもない。三角形は安定しているが、逆さにするとアンバランスだ。
それに、三人乗りの車はあまり見かけない。逃走者に三人乗るのも四人乗るのも同じならば、四人の方が良い。五人だと窮屈だ。
というわけで、銀行強盗は四人いる。(P6)
・ロマンはどこだ。(P75 響野)
・四分ちょうどです。みなさん、最後までおつき合いいただいてありがとうございました。ショウは終わりです。テントを畳み、ピエロは衣装を脱ぎ、象は檻に入れ、サーカス団は次の町へ移動します。(P91 響野)
・なーんだ。二十一世紀なんて、もうすぐよ。その時に、こんなふうに木星に行けると思う?でしょ。キューブリックだって未来のことを見誤ってたのよ、先のことなんて誰も分からないってことじゃない。ということは、わたしたちが何十年か先のことをくよくよ考えたって仕方がないのよ。唯一、はっきりしていることは、わたしたちの目の前にいるタダシはとても愉快で、この瞬間、わたしたちはハッピーだってことよ。(P150 元奥さん)
・料理に入ったパイナップルと、リスクのない暴力と、それから、薫くんをいじめるやつら、だ。(P177 久遠)
<内容(「BOOK」データベースより)>
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった…はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス。 -
なんか、他の作品に比べて
作者が好きな映画とかの他の色を出してきたなって感じで
これもまたいいなぁ とか
そもそもそういう映画が好きだから
あんな洒落た会話を書くのかな?とか考えながら読んでた。
でも、続編を読むと
ここでやめておけば良かったかなって思う。
たまーにだからいいんだよこういうのは -
相変わらずテンポのよい、井坂さんの作品。
とにかく伏線。章の中に人物にスポットを当てて回想のように重ねながら時間軸に沿って進んでいくのが、いかにも井坂さんらしい。第四章ではとにかくどんでん返しに続くどんでん返し。それまでの伏線を読み落とさないようにと思っていても読み終わるとすべてが繋がってすっきり。
登場人物のそれぞれの個性も特殊で細かくてストーリーに活きてくるのが面白すぎる。 -
銀行強盗には、4人がちょうどいいそうです(笑)
普通じゃない才能や特技を持ったできる男たちとママさん一人、陽気にスマートにやってのけるのがかっこいいです!
ページがどんどん残り少なくなっていくのに、落ちがわからなくて楽しかった。最後は読んでいて笑顔になりました。
成功を祈っちゃった。フィクションですから! -
それぞれに眩しいほどの才能を持つ「普通の4人」が、銀行強盗をはたらく場面からお話は始まる。
全体を通したストーリーのテンポのよさ(これは伊坂作品全体の特徴)、会話の軽快さが際立つ。常に相手の裏をかいていく手際もお見事!
悪人こそ魅力的、である小説の面白さを再確認できた。 -
テンポが良いのと、雑学が豊富である事は、同著者の必殺の武器で、同作品ではそれらが遺憾無く発揮出来ていると思う。
成瀬の頭の回転の良さは、カッコ良くもあり爽快感をもたらせてくれる。 -
何のひねりも変化球もない、ドストレートな展開。しかしそれがいい。そのおかげで軽妙でテンポ良く展開していく。次に何が起きるかが大体予想がつくのに、それを彼らがどうするのか楽しみになってしまう。起きている事実だけをみると結構深刻な事態が進行しているはずなのに、緊張感というか緊迫した雰囲気がまったく感じられないスマートさ。なんともいえない心地よさが残る作品。
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伊坂ファンの主人からお薦めされて読みました。愛すべき人物たちと、会話のお洒落さ。とても面白かった。久遠が言葉にする自閉症についての感じるいくつかの下りも個人的によかったと思う。
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伊坂幸太郎といえば殺し屋たちがたくさん集まる小説が思い浮かぶが、これはギャングの話。ギャングではあるが人は良くてなんだかちょっと間が抜けていて、犯罪者だけど親しみを感じてもらうような四人組が主人公。それぞれに個性的なギャングたちが繰り広げる騒動は、読んでいて楽しかった。