花の生涯: 長編歴史小説 (上) (祥伝社文庫 ふ 2-6)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396333515

作品紹介・あらすじ

三十五万石彦根藩主の子ではあるが、十四番目の末子だった井伊直弼は、わが身を埋木に擬し、住まいも「埋木舎」と称していた。「政治嫌い」を標榜しつつも、一代の才子長野主膳との親交を通して、曇りのない目で時代を見据えていた。しかし、絶世の美女たか女との出会い、それに思いがけず井伊家を継ぎ、幕府の要職に就くや、直弼の運命は急転していった…。

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    三十五万石彦根藩主の子ではあるが、十四番目の末子だった井伊直弼は、わが身を埋木に擬し、住まいも「埋木舎」と称していた。「政治嫌い」を標榜しつつも、一代の才子長野主膳との親交を通して、曇りのない目で時代を見据えていた。しかし、絶世の美女たか女との出会い、それに思いがけず井伊家を継ぎ、幕府の要職に就くや、直弼の運命は急転していった…。

    幕末は今一好きで無かったので避けていたが心改めて読了。

    14番目は跡継ぎには遠い・・・政治とは無縁の生活だったんだろう。
    それより、、たぶん実在する人だろうが、たか女は何じゃ?自由奔放で周囲に迷惑かけて・・・後世まで名を残してよい人なのか?と疑問符

  • 6月に彦根城を訪れるので、何かまつわる小説をと思い立ち選ぶ。NHK第一作大河ドラマにもなっているらしくとっつきやすい。
    井伊直弼のイメージは安政の大獄などで最悪だったにのに、視点が違うとこんなにも変わるのだろうか!
    登場する村山たかは架空の人物だろうと思っていた予想は見事に裏切られ実在していた。著者の舟橋聖一が取材する中で見つけ出した女性とか。諸田玲子が村山たかを主人公にして「奸婦にあらず」も上梓している。
    今下巻を読んでいます

  • 昭和36年の小説なので難解な漢字や堅い表現が多いが、目の前に情景が浮かぶような描写は見事で読み進めるうちにどんどん引き込まれる歴史小説の名作。彦根城が世界遺産に登録された暁には大河でリメイクして欲しい。長野主膳と村山たかはどの俳優がハマり役かなぁ。

  • 時代を見据え、開国やむなしと動いた直弼から見たら、幕末尊王攘夷の志士たちの偏狭なさま。江戸を守るという意識。桜田門で倒されなかったらと思う。

  • 寫十四男直弼從被冷遇的時代結識了長野主膳,和村山たか女有了關係之後分手,從風雅不管政治的時代後來成為兄長
    直亮的養子並漸漸成為政治的重鎮。這本裡的直弼很帥氣,和容保一起被描寫為開明、認為應該要開國的大名,主角造型算是吸引讀者的。前半還有點浮上半空中的不確實感,到中盤作品開始有安定的感覺了。

    之前去過金福寺,裡面有介紹村山たか女的文物,這部作品前面造型也有點漂浮不真實,到中盤這個妖媚的女性開始有比較確切的人間像了。

    磯山跟馬屋都登場了,有加分效果(?)。參雜了文人舟橋個人的反戰觀點,認為與其半調子武裝不如徹底非武裝迎接洋人這一段,作者個人觀點我其實沒那麼在意,我比較想知道的是作家揣摩時人觀點所寫出的有說服力的內容(能夠說服我"當然的人真的是這樣想的"般的內容),不管是什麼內容。

  • NHKの大河ドラマ第一作だったとは、知らずに読んでしまいました。

    井伊直弼は悪役ではないんですね。安政の大獄も、開国も別の視点で見ることができます。

    考えが合わないものは、法でさばかれずに、勝手に成敗される幕末はおそろしいと思いますが。論理がわかると、やり方はともかく、色々な知見は与えられますね。

  • NHK大河ドラマの第一作(昭和38年放送)の原作です。
    幕末の大老、彦根藩の井伊直弼さんが主人公だよ。
    作者さんは旧制水戸高等学校の出身。
    水戸に縁のある人が ひこにゃんの おやびんのお話を書いたのか…。

    激動の時代、何が正義で何が悪だったのか、それは立場によってかなり変わると思います。
    明治政府は薩長土肥の政権だったから、井伊さんの評価は今までかなり低かったと思う。
    もちろん水戸の人間は複雑な思いがありまくり。
    水戸市と彦根市が敦賀市の仲立ちで親善都市になったのは、昭和43年になってからだからね。

    このお話では、井伊直弼さんは建前よりも実を取る勇敢な人として描かれていたよ。
    きれいごとだけで政治はできない!
    批判するだけなら誰でもできる!
    実際に行動に移せる案を練り、それを実行していくのが本当の政治家です。
    一番怖いのはキレイごとだけを理論でまくしたてて、現実に対処できない無責任な政治家だと思いました。

    ……でもお話じたいは、ヒロインの「たか女」さんがいかにも男性が描いた形式的な女性って感じで、いま一つだったなぁ…。

  • 幕末の大老井伊直弼が、彦根藩の十四男として生まれ、他の大名から養子の口が無い限り、部屋住みの身分のまま生涯を終えるはずだった境遇から一躍大藩の藩主を継ぎ、大老の重責を負って・・・!井伊直弼って傍若無人のワンマンな人物じゃなかったのかな?と改めて歴史を考えさせられた。

    前半を読んでから、自ら埋木舎(うもれぎのや)と名付けた彦根城下の住まい(今も残っている)を見ると、感慨深いもの。

  • 読売新聞夕刊に連載されていた「奸婦にあらず」(諸田玲子著)を家人が愛読していたが、最近彦根を訪ねたのをきっかけに、井伊直弼の生涯に興味を覚え、一気に読破した。当初、家臣長野主膳や、村山たか女など、実在しない人物と思っていたが、幕末の色々な政策に大きく関わっていたことを知って井伊直弼の政治姿勢うや「桜田門外の変」や維新に突き進む百年余前にこの国で起こった事の背景が、幕府サイドからの目線で良く分かった。

  • 彦根などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

舟橋聖一(1904.12.25~1976.1.13)小説家、劇作家。1928年、東大国文科卒。大学在学中の26年、戯曲「白い腕」で注目され文壇に登場。32年から33年「都新聞」に連載した「白い蛇赤い蛇」で劇作家から小説家への転身をはたす。戦後は風俗小説の代表作家と目されるが、官能表現を耽美主義へと高めた純文学の佳作も多い。主な著書に『悉皆屋康吉』『雪夫人絵図』『芸者小夏』『ある女の遠景』『好きな女の胸飾り』等。

「2013年 『芸者小夏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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