下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)

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著者 : 柴田哲孝
  • 祥伝社 (2007年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396333669

下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)の感想・レビュー・書評

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  • 「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、この本を読んでまさにそう思った。どんな推理小説よりも謎めいていて、また圧倒的に面白い。乱歩も横溝もこんな面白い作品は書けないだろう。むろん、ノンフィクションとはいえ著者の主観も入っているから、すべてが「事実」だとは思わない。著者の親族にインタヴュウしているので、そういった点も差し引いて考える必要はあるであろう。ただ、それでもやはり絶対的に面白く、また「途轍もない」作品であることには変わりはない。昔から未解決事件について関心はあったが、これほど深い闇が広がっているとは思いもよらなかった。キイ・パーソンを挙げてみても、一般に名前を知られているだけでも佐藤榮作や岸信介といった首相経験者や、笹川良一や児玉誉士夫といった大物がつぎつぎに浮上してきて、しかも相互になんらかの形でかかわりを持っている。よく知られた日本共産党やGHQといった陰謀説に加え、南満洲鐵道までかかわってきて、もうとにかく圧倒される。あまりにもスケールが大きいのだ。こういう戦いに挑んでゆく著者の姿勢もすばらしいが、それをひとつの物語として整理してゆくことがどれだけ大変なことであろう。自殺説、他殺説、陰謀説、替え玉説、言及されるそれぞれの内容じたいにも興味は持ったが、あえて結論は濁して書いてあり、また、矢板玄氏に対してすべてを訊けたわけでもなさそうだ。そういった部分での消化不良感はあるが、しかしそれも気にならないくなるぐらいのクオリティがあるので、とにかく読ませる作品になっている。読み終えたあとも、事件のことを調べずにはいられなくなる。わたしもまた「下山病患者」なのかもしれない。

  • どんな事件なのかも知らずに読み始めてしまい、
    第一次世界大戦やら第二次世界大戦、ポツダム宣言、GHQM資金といろいろと勉強しながら読んだ。難しかった…
    誰が、何のために殺したのか?は はっきりはしなかったけど、大勢の欲が一部の正義とぶつかってしまった事件なのかなぁ~と…
    なんだか、昭和ってすごい時代ったった気がします。
    こんなに勉強したのは久しぶりで楽しかった。

  • 下山事件そのものについては、遠くで聞いたことがあるかなぁ?程度のことだった。
    たまたま本屋さんで目に入り興味を持って買ってみた。

    まぁ・・・驚くことばかり、関わってくる人達もすごいし、色々が闇すぎて。

    なんだか下山総裁がお気の毒としか言えない。

    あんなことができちゃったことが恐ろしい。

  • 読み始めたのがちょうど7月5日だったので、おおっと思う。
    私は知らなかったが、「昭和史最大の謎」と呼ばれる下山事件

    事件のあらましや、著者の調査が真相に迫る。 他の小説などで読んだM資金、GHQ、戦後の胡散臭さは感じる。
    事件当時、熱く真実を求める者が居たことは伝わるがあまり事件に関心のない一般の人にとっては、内容の冗長や細かすぎるところが読み辛い。長いし。
    この時代の雰囲気を知るには良い題材かもしれない。

  • 結局、名前は明らかにされたかったが、読み通せば彼の事だとわかる。勿論、作者なりの結論として。

    しかし、占領時の日本の立場やその中で暗躍した人々、政治家、第三国人、いろいろ歴史の教科書では決して語られることのない暗部が語られており、とても興味深い。


    こんど、武相荘の見学でもしてこようかな。

  • 全く違う立場からの検証で、資料が信じられる

  • とにかく読み物としてたいへん面白かったです。
    事件関係者(と目される人物)の孫という、特異な関係をフル活用した調査や考察は、読み応えがありました。
    ただし、著者も触れているように、多数の偽情報や、矛盾した情報が氾濫している中で、著者自身が採用した情報もまた、どこまで正しいのかな、という思いは消えず。
    筋道はしっかりしているのだけど、納得するまではいかないという感じでしょうか。
    今となっては、これという結論は難しいのか。
    とにかく、事件前後も含めて、まさに激動と混乱の時代であったのだなぁとは思います。

  • 「文庫X」も凄いけど「下山事件」も凄い。というカバーの煽り文句に惹かれて購入しました。
    お恥ずかしながら下山事件を知らなかったので、事件の凄絶さにまず驚き、日本の闇…と言っていいのか、そういうものにぐいぐい引き込まれました。ただ、あまりに登場人物や組織が多いので、読むのが難しかったです。多分、半分も理解できていない。時間ある時に、メモしながら再読したいと思います。

  • 先に「暗殺者たちの夏」を読んだが、そのきっかけとなっている本書を読んでみた。
    森氏の本で「彼」の伝聞でぼやけていたところが明確になった。
    また森氏の記述における誤りを訂正している。
    昭和史に明るくないので最後のほうは難しかったが、身内が関わっているかもしれないが真相を知りたいという心を感じる一冊だった。

  • 祖父が下山事件に関わっていたかもしれない,というところから調査が始まるドキュメンタリィ。
    新刊の予備知識として読んでみたが,かなりの読み応え。
    ただし結局真相は・・・。
    これを新刊で,フィクションとしてどうアレンジしているかは興味深いところ。

    ちなみに私の父は,グリコ・森永事件の犯人に似ているということで何回も職質を受けたらしいが,私はこれを本にする予定は今のところない。

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