風の市兵衛 (祥伝社文庫 つ 5-1)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396335670

作品紹介・あらすじ

柳原堤下で、武家の心中死体が発見された。旗本にあるまじき不祥事に、遺された妻と幼い息子は窮地に陥る。そこにさすらいの渡り用人唐木市兵衛が雇われた。算盤を片手に家財を調べる飄々とした武士に彼らは不審を抱くが、次第に魅了される。やがて新たな借財が判明するや、市兵衛に不穏な影が迫る。心中に隠されていた奸計とは?"風の剣"を揮う市兵衛に瞠目。

感想・レビュー・書評

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  • 人気時代小説シリーズの第一作目。評価としてはイマイチ。

    津軽(阿片)を題材とした事件を描くのは非常に興味深い。ただ、黒幕や動機は早めに判明し、謎解き展開ではなくなる中、殺陣や逮捕劇も派手でなく、中国の武術という飛び道具が最大の見どころとなるなど話が散らばりすぎな感が強い。途中で柳屋の動機に言及していた市兵衛が自ら切り捨てるのも違和感。

    人物も脇役も返や鬼しぶは良いキャラだが、主人公の市兵衛がスーパーマンすぎて興醒め。剣を捨てて算術や商学を極めたという設定ではダメだったのだろうか。そして武の右腕を登場させた方が個人的には良かったと思う。鬼しぶが斬られる展開は驚きだったが、ご都合主義で奇跡の復活というのは何だかなぁという感じ(例えば始末を請け負った宗七が実は主人のやり方に疑問を抱いていて留めを刺さなかったという話なら腑に落ちたが、長治の手際を批判した柳屋の、その右腕が直後に同じミスをするのはお笑いものすぎる…)。

    高松家への奉公は今回で終わりで市兵衛は渡り鳥を続けていくよう。市兵衛のキャラクターにもっと深みが出てくると良いのだが。

  • この手の時代劇物で長年疑問だった 悪役が何故か殺さなくてもいい人を殺しそれが事件発覚のきっかけになる、ってのがキチンと理由付けしてあって
    そこがすこぶる気に入った。

    他にも敵っぽく現れた二人組が実は
    って展開も良かったし
    何より冒頭から出てくる重要な脇キャラになるであろう鬼しぶが良いキャラしている。

    主人公の職業設定もこれなら毎回新たな事件に絡められそうで次回作も楽しみ。

  • 一家の主・道久を心中という不名誉で失った上、使途不明の借金まで見つかった高松家に、家計の算段をつけるために雇われたのは、侍でありながら算盤と商売を学んだという変わり種の渡り用人・唐木市兵衛。
    家計の記録や、残された日記などを詳細に検分してゆくうちに、道久の死が心中に見せかけた殺人と見抜いた市兵衛は…


    兄のお勧め、辻堂魁さん初読。
    まぁ、ミステリというほどの謎ときが無くてもいいんだけれど、どうも…
    結局、生まれも良く天性の才にも恵まれた市兵衛が、事件を追ううちに毎度美女に惚れられる…という筋が繰り返されそうな予感。

    「サッと読める」とのおススメ文句はその通り。
    でも、もうひとつ、何か物足りない。
    とはいえ人気があってシリーズ化されているというのだから、機会があればもう1冊くらい読んでから、追いかけるかどうか考えよう…

    鬼渋の方が、よほど人物として味があるような気がする。うむむ。

  • “風の剣”を使う唐木市兵衛、賢く強く控え目で、ひたすらかっこいい。
    ドラマを先に見たので、私の中では、市兵衛は向井理さん、渋井鬼三次は原田泰造さん、片岡信正は筒井道隆さんでした。
    続編も読みたいです。

  • 御算用者さんみたいに渡って行きはるのかなぁ? 素性もわかったし・・・・どんどん面白くなりますように♪

  • 同じ著者の別シリーズをKindle Unlimitedで読んで面白そうだったので図書館で予約して読み始め。

    この主人公は強い。
    続編が楽しみ。

  • NHK ドラマで。単純明快、面白かった。

  • ドラマから。刀を差してはいるが算盤で家計や家財を調べる「新米師匠を思わせる頼り気な顔立ち」の唐木市兵衛。 これは人好きしますわ。 テンポよい展開で楽しく読むことができました。

  • そろばん侍 風の市兵衛シリーズの1作目。
    私の脳内では、市兵衛は完全に堺雅人さんで再生されました。NHKでドラマ化された時は向井理さんだったようです。なるほど。それもアリかな。
    ドラマも観ておけば良かったと思うようなストーリーでした。
    市兵衛の算盤の方の才がさっくり流されすぎな気がしましたが、これはシリーズの続きに期待したい。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    柳原堤下で、武家の心中死体が発見された。旗本にあるまじき不祥事に、遺された妻と幼い息子は窮地に陥る。そこにさすらいの渡り用人唐木市兵衛が雇われた。算盤を片手に家財を調べる飄々とした武士に彼らは不審を抱くが、次第に魅了される。やがて新たな借財が判明するや、市兵衛に不穏な影が迫る。心中に隠されていた奸計とは?“風の剣”を揮う市兵衛に瞠目。

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著者プロフィール

(つじどう・かい)
1948年高知県生まれ。早稲田大学第二文学部卒。出版社勤務を経て作家デビュー。「風の市兵衛」シリーズは累計200万部を超え、第5回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞、ドラマ化でも好評を博した。著書には他に「夜叉萬同心」シリーズ、「日暮し同心始末帖」シリーズ、単行本『黙(しじま) 』など多数。本書は講談社文庫初登場作品『落暉に燃ゆる 大岡裁き再吟味』に続くシリーズ第二作となる。

「2022年 『山桜花 大岡裁き再吟味』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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