渇いた夏 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
3.47
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本棚登録 : 157
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396335939

作品紹介・あらすじ

死の直前、伯父が遺したものは何を語るのか。亡き母の妖艶な写真、殺人事件の調査記録、古い鍵、そして謎の女…。福島県西郷村の家を相続した私立探偵・神山健介は、伯父の死の真相を探る。母とともに少年時代を過ごした懐かしい地。だが、その美しい思い出すらも二〇年前に端を発した一連の事件へと繋がっていた!?焦熱の太陽が暴く、人間の愛と狂気。

感想・レビュー・書評

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  • タフガイ探偵が自らの出生にも関わる、伯父の死の謎に挑むハードボイルド。多分一般的な語感ではこうした話がいちばんハードボイルドらしいのだと思う。あんまりリアルなお話ではなく、主人公の暴力を警察がスルーしてくれたりする。この方がカタルシスはあるんだけども。筋立ての方はかなり複雑。ハードボイルドは一見複雑そうに見えても、脇筋が幾つも絡んでいるだけで、メインのプロットだけを取り出すとシンプルなことが多いが、本作はホントに複雑。
     

  • 期待度が高かったのか、それともフィクションは遊びとおもっているのか国境の雪がすさまじくてこの本は内容があんまりな感じ。
    3冊は購入したので読むけどこんな感じで進んでいくのかなぁ。

  • 人間の愛と狂気!?
    探偵よりも自由な生き方に憧れる笑笑
    私立探偵・神山健介シリーズ

  • コクのあるハードボイルド探偵小説。

    伯父の遺産相続を契機に少年時代を過ごした福島の西郷村へ20年ぶりに戻った神山。東京での興信所勤めに限界を感じていた彼は、このまま定住し、残りの人生は田舎でスローライフを満喫しようと考えていたその矢先、伯父の死に不審な点を見いだしその真相を探り始める。
    骨太で重厚なストーリー展開に、一気通貫で読み通すことができた。
    作中、お酒を飲む描写が多く、読み終わったらウィスキーを飲みたくなった。



  • 福島県のとある村。
    冒頭から、読ませる凄惨な場面。
    幼女への近親相姦。
    蝉の音が嵐のように響く山の中。
    20年の時を経て、主人公が生れ故郷へ帰る。
    叔父の死の真相を掴むべく。

    柴田氏にしては、じっくりとどっしりしたミステリ。教科書的な王道。これは良い。
    衝撃的な結末。
    愛も行き過ぎると狂気になるという陳腐になりがちなテーマだが、どこか爽やかさすら感じさせるのだから素晴らしい。

    柴田氏の探偵ものは必ず、小料理屋の女将が登場するのだが、ありゃ良い具合だね。

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    死の直前、伯父が遺したものは何を語るのか。亡き母の妖艶な写真、殺人事件の調査記録、古い鍵、そして謎の女…。福島県西郷村の家を相続した私立探偵・神山健介は、伯父の死の真相を探る。母とともに少年時代を過ごした懐かしい地。だが、その美しい思い出すらも二〇年前に端を発した一連の事件へと繋がっていた!?焦熱の太陽が暴く、人間の愛と狂気。

  • 短期間だけど、お世話になった土地が舞台だったので親近感を持ちながら見れたので☆1つ追加!

  • 叔父の死をきっかけに,幼少を過ごした田舎町で探偵業を開いた男が,依頼人の妹の死と叔父の死の謎を追う。
    そこには少年時代の親友の影があった。
    頭が切れて,喧嘩が強くて,酒が強くて,女にもてる,王道のような探偵もので,話としては面白かった。
    が,女性陣があまりにも男の都合のいいように描かれすぎで,バブル期のVシネマっぽい雰囲気。
    「足りない分は体で払うわ。損はさせないわ。」とか色気BBAに迫られたら,無理無理ベイビー。

  • 221012

  • 神山健介シリーズの第一弾。思いっきり引き込まれた。これはシリーズを読破するしかない。

  • いつものように未確認生物がらみの事件かと思っていたら、正統派の事件ものだった。海野碧氏の作品に似てるかな。
    主人公がやけに女性にもてるところがチープな印象を出しているけど、中弛みのない展開で一気に最後まで読めました。

  • ハードボイルドな夏。

  • 柴田哲孝の「早春の化石」を読んで、私立探偵神山健介の生い立ちを知りたくなり本書を読んだ。
    生い立ちはわかったが「早春の化石」程の爽快感ではなく、ちょとドロドロした気持ちになった。

  • 私立探偵 神山 健介シリーズ第一作。
    柴田節炸裂の「今どき」ハードボイルド。

    銃をぶっぱなしたり、
    大がかりな悪の組織と闘ったりという
    「荒唐無稽」な話ではない。

    酔っぱらったところを襲われれば骨折もするし、
    車で飲みに行った帰りは代行を呼んだりと、
    細かいリアリティが感情移入を手助けする。

    が、あくまでハードボイルドである。
    主人公は女にもて、ボクシングの経験があり
    ジムで体を鍛え、車の運転も玄人はだしと、
    男の子があこがれる「格好いい男像」は
    きっちりと押さえている。

    伏線の張り方も巧みだし、ミスリードも自然。
    最後のどんでん返しは、若干予定調和っぽいか。

    でも何より「平和なシーン」の描き方がうまいので
    緊張感のある場面とのコントラストが強くてよい(^ ^
    こういうのを「リーダビリティが高い」と言うんだろう。

    一気読みしたくなる一冊です(^ ^

  • 6月-6。3.0点。
    福島県白河市が、伯父の家。東京の私立探偵が、
    伯父の死をきっかけに、白河へ移住。
    幼馴染が犯罪の容疑者。妹を幼馴染に殺された、姉が最初の依頼人。
    捜査を進めるうちに、襲われたり、幼馴染の妹に出会ったり。
    まあまあ面白い。途中からなんとなく、結末がわかるかな。
    シリーズもの。次作も楽しみだ。

  • 2011.12.28 読了

    『早春の化石』以来の柴田哲孝作品。
    真相を知りたいという気持ちから次へ、次へと思わせてくれたということで星3つ。
    可もなく不可もなくであった。

  • 著者の作品で初めて読んだ本。
    最初は読点の多さが気になったけど全体的に文章は読みやすい。
    かといって平易すぎず程良くところが気に入った。
    ストーリーも割り切ればかなり楽しめる。
    ハードボイルド路線の割に主人公がハード過ぎないところも良かった。
    ちょくちょく出てくる上記路線のイタいところをスルーできる人、気にならない人、またはかっこいい!と思える人にはおすすめ。

  • 153
    まあまあ面白かった。
    同著者、読了5作目。

  • 今回の主人公もハードボイルド。ただ狙い過ぎな感も否めない。
    最後のデスペラードとか。


    神山健介もかっこいいけど、有賀雄二郎の方が好きかなー

  • <二〇年前の夏、そして再びの惨劇・・・/伯父の死の真相を追う私立探偵・神山健介がたどり着く、「暴いてはならない」過去の亡霊!>

    死の直前、伯父が遺したものは何を語るのか。亡き母の妖艶な写真、殺人事件の調査記録、古い鍵、そして謎の女……。福島県西郷村の家を相続した私立探偵・神山健介は、伯父の死の真相を探る。母とともに少年時代を過ごした懐かしい地。だが、その美しい思い出すらも二〇年前に端を発した一連の事件へと繋がっていた!? 焦熱の太陽が暴く、人間の愛と狂気!

  • KAPPAで気に入った柴田氏の作品が文庫になって並んでいたので買いました。
    すっきりしない結末でしたが、ぐいぐい読まされました。
    神山シリーズになって、次作もすでにでているようなので楽しみです。

  • 昔の1つの事象から連鎖して起こる事件。それも小さいコミュニティの中で起っていく小説です。

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著者プロフィール

1957年、東京都出身。日本大学芸術学部写真学科中退。フリーのカメラマンから作家に転身し、現在はフィクションとノンフィクションの両分野で広く活躍する。パリ〜ダカールラリーにプライベートで2回出場し、1990年にはドライバーとして完走。1991年『KAPPA』で小説家デビュー。2006年、『下山事件 最後の証言』で第59回「日本推理作家協会賞・評論その他の部門」と第24回日本冒険小説協会大賞(実録賞)をダブル受賞。2007年、『TENGU』で第9回大藪春彦賞を受賞し、ベストセラー作家となった。他の著書に『DANCER』『GEQ』『デッドエンド』『WOLF』『下山事件 暗殺者たちの夏』『クズリ』『野守虫』『五十六 ISOROKU異聞・真珠湾攻撃』『ミッドナイト』『幕末紀』など、多数ある。

「2021年 『ジミー・ハワードのジッポー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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