百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)

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著者 : 中田永一
  • 祥伝社 (2010年8月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396336080

百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 冬眠していた私の恋愛願望が目を覚ましてしまった。この世界観、染み込む。胸が締め付けられる。10代のうちに恋愛鍛錬を積んでおかなかったかつての自分に物申したい。
    「声をかけられてダッシュで逃げるのはやめなさい。男の子は熊でも野猿でもないのよ!ほらほら!学園祭のあの子とか!」

    若い時にしか出来ない恋ってあるんだよね、やっぱり。

    「キャベツ畑に彼の声」
    テープ起こしのアルバイト、聞こえてきたのは先生の声?黒いセルフレームの眼鏡、手作り弁当を毎日持参、謎に包まれた先生にますます心惹かれる久里子。BGMは相対性理論の「地獄先生」でいかがでしょうか。

    「なみうちぎわ」
    長い眠りから目覚めたら五年が経っていた。姉は一児の母に、家庭教師先の教え子は高校生になっていた…時の流れに戸惑い、見慣れぬ「男の人」になってしまった小太郎に戸惑い…

    「小梅が通る」
    冴えない外見、地味な性格。同じく、目立たない友人とひっそり教室の空気と化している柚木。しかし彼女には大きな秘密がある。実はその冴えない外見はメイクで作られたものだったのだ…

    「百瀬、こっちを向いて。」
    アンソロジーか何かで既読。

    学校のスターにして、命の恩人。憧れの先輩からあることに協力を求められた僕。それはある少女と親しく装うことだった…ほおずきの花言葉、覚えちゃったよ。

    ああ、こんな恋がしたい!!最近めきめきと存在感を増すHARANIKUにMUNEへの移籍を持ちかけるも、交渉不成立のとある冬の日。

  • 真っ白な背景にブルーのタイトルがすうっと浮かぶ表紙のように
    「せつない秘密」という洗礼を受けて動き出す、みずみずしい4つの物語。

    自分を人間レベル2と見積もり、薄暗い電球のように目立たず騒がず
    誰の邪魔にもならないよう生きてきたノボルは、
    崇拝する先輩(推定レベル90!)の恩に報いるために。

    大人を信じられない小学生だった小太郎は、
    信じたい思いが嵩じて犯してしまった過ちの重さを5年間噛みしめながら。

    テープおこしのバイトに励む女子高生久里子は、
    思いもよらない場所で耳に飛び込んできた、気になる先生の声をきっかけに。

    地味で控え目な内面にそぐわぬ美貌のせいで男子に付き纏われ、女子には疎まれて
    「みんなあなたの顔が好きなだけで、あなた自身には誰も興味がないんだから」
    と投げつけられた言葉の呪いにがんじがらめにされた柚木は、
    静かに普通に生きるためのやむにやまれぬ方便として。

    さまざまな経緯で抱えることとなった秘密に翻弄されながら
    少しずつ水面に顔を出し、今まで視界にも入っていなかった空を見上げ始めるような
    少年少女たちが、ひたすらいとおしい。

    家庭教師をする女子高生と、そのナマイキな生徒の小学生という関係を
    事故で5年間眠り続け、時を止めた眠り姫と
    病室で密かに彼女にキスをして一足飛びに時を飛び越え、姫の目覚めを待つ17歳の王子、
    というシチュエーションに変えてしまう中田さんならではの魔法も

    少女の胸の中でふくらむ想いをキャベツ畑でまるまると太っていくキャベツになぞらえて
    言葉にして出荷しなければ、と手紙をしたためさせるセンスも、とても素敵で

    この本を薦めてくださったブクログ仲間さん、本当にありがとう♪
    と感謝せずにはいられない1冊でした。

  • 胸の真ん中が苦しくなる!

    二作目の「吉祥寺の朝日奈くん」を先に読んで以来、大ファンになってしまった中田永一の処女作。ひねりの効いた「吉祥寺の~」よりは、割とストレートな印象だ。作者が物語の中の女の子のように、仮面を被っている感はある。

    十代の男の子や女の子の瑞々しさが、素直に心に染み渡る。暖かい気持ちになる。こんな恋愛がしたかったな……(遠い目で)
    今の私にもこの小説の素晴らしさを感じることができるということは、まだまだ私の心の一番大切な部分は毒されていないということなのだ。

  • 爽やかな恋愛短編集。
    甘酸っぱいお話ばかりで 若いっていいな~と思った。
    「小梅が通る 」が一番よかった。

  • この本も最後に二人がどうなったのかあやふやのまま終わるけれど、プラスの想像をしたくなる。
    温かくほっこり。
    でもそれだけではなく最後になにかしらの真実が明らかになる。

    ***以下ネタバレ***
    百瀬、こっちを向いて。
    宮崎は神林と付き合っていたが、百瀬とも関係があった。
    宮崎は後輩相原に百瀬と付き合っているふりをしてカモフラージュしてほしいと頼む。
    宮崎は策士だけど、実は神林のほうが一枚も二枚も上手で、かっこいい女性。
    主人公は相原と百瀬だけど、神林の存在が強い。

    なみうちぎわ
    教師からのいじめで不登校になった小太郎の家庭教師を頼まれた姫子。
    溺れていた小太郎を助けようとして、姫子が溺れてしまい五年間意識なく寝たきりに。
    目覚めた五年後の世界で、知った真実は…。
    小太郎は人間不振になっていた。
    溺れた振りをして姫子を試した。
    姫子のように許せるかなぁ~。

    キャベツ畑に彼の声
    小林はテープおこしのバイトをしていた。
    覆面作家のテープを聞いていると国語教師本田の声と同じだった。
    そのことで本田に近づき。
    しかし実は物語を書いたのは本田の妹で、賞金欲しさに本田が隠れて応募した結果だった。
    意外にも本田がズルい人間なのが面白い。

    小梅が通る
    超絶美人の柚木は、過去に好きになった人と友人の影響で人間不振になりブスメイクをして学校に通っていた。
    素顔で同級生の山本が働く店に行ってしまい咄嗟に柚木の妹の小梅だと嘘をつく。
    知人に彼女がいると嘘をついてしまった山本は小梅に恋人の振りをしてほしいと持ちかけて。
    柚木は小梅を気にする山本にいらいら。
    友人の松代さんと土田さんの二人に背中を押してもらい、真実を伝えようとするが、山本の天然が炸裂しふわっと優しく終わる。
    この友人二人、松代さんと土田さんがね、もうほっこり。
    そして山本もいいやつ。
    むしろ過去のシーンで、女に嫌われすぎる柚木に何か原因があったんじゃないだろうか。

  •  人間レベルが低いと考えている相原ノボル。教室にいても隅のほうにいるタイプの学生だ。
     しかし、あこがれている宮崎先輩からの頼まれごとを機に、彼のまわりの風景は変わってくる。
     突然現れた百瀬陽という女性。
     その日から嘘の学生生活は始まった。
     百瀬陽という偽りの彼女への思いも次第に膨らんでいくのだった。
     【百瀬、こっちを向いて。】【なみうちぎわ】【キャベツ畑に彼の声】【小梅が通る】

    __学生を話の軸とした短編集。ミステリーの要素が入っているので、恋愛小説はどうも・・・、っていう方でもとっつき易いのではないだろうか。
     また乙一さんの本が好きな方も読んでみて損はしないと思う。(中田永一、別名で乙一さんとして執筆されていると、最近知った。)
     

  • やっぱり天才なんですね、この人は。
    センスが違う。
    自分の好きなジャンルじゃないし、このストーリーで悶えるには歳をとりすぎた。
    しかし、面白いし、作品全体に漂う空気は心地よさが格別にいい。
    作者には、暖かいものも、ダークなものも、もっとガンガン書いてほしいものです。

  • すごく良かった!短編4作品どれも良かったですが、表題作の『百瀬、こっちを向いて』が一番好きでした。なんか、タイトルもセンスいいし、内容も◎。読み終わってすぐ、これは映画が観たい!岩井俊二監督なんかが映像化してくれたらすごく素敵な作品になりそう~って思ってしまいました。
    実際、もうすぐ耶雲哉治さんという監督で映画が公開されるみたいですが、どうなんでしょうね?^_^
    悲しい話はひとつもないですが、切なさがいっぱい詰まっていて、久々に胸の奥がキュッと締め付けられる気持ちになりました。
    人を好きになる気持ちって、やっぱりいいものですね☆

  • この本を読んで
    百瀬という名前が好きになりました。

    「百瀬、こっちを向いて」と
    言いたい。

    名前じゃなく、苗字で呼ぶ
    あの瑞々しい感覚

    掌にすっぽり入れたいのに
    何をすれば良いのか
    見たことのない感覚や風景を
    どうやって消化すればよいのか

    その脳内感情を
    べたべたせずに
    活字で表現しています。

  • 4話収録されていますが、個人的には「なみうちぎわ」と「小梅が通る」が好きでした。どれもいい意味で騙された、という感じで、そして主人公たちが揃って地味だったり存在感が薄かったり、思春期ならでは不安定さが良く出ています。
    10代ってどうしても容姿や立場の優劣があって、それによって人間関係や扱いみたいなのが大きく変化するんですよね。
    私自身はどちらかと言えば大人しい方でしたし目立たない側に属していました。それほどつらい目にあったりはしませんでしたが、友人のありなしは重要です。
    恋愛に対する情熱って中学・高校が一番純粋なんでしょうね。

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百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)の作品紹介

「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは-。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった…!」恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。

百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)はこんな本です

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