- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396336820
作品紹介・あらすじ
大唐の太宗皇帝の命を受け、下級文官・王玄策ら三十余名が天竺へ向かった。目的地のマカダ国は難路悪路の遙か彼方。しかも行く手には天空の頂・雪山がそそり立つ。苦難の旅の末辿り着いたマカダ国では、名君が逝去し簒奪者による悪政が行なわれていた。囚われの身となった王玄策は脱獄を決意し…。中国史上もっとも数奇な体験をした使節団を描く痛快冒険ロマン。
感想・レビュー・書評
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まるで講談が文字に起こされた文章のように流れるような筆致で,唐太宗皇帝の命を受けた実在の人物,王玄策達使節団の冒険活劇の一幕が描かれる.結末が早く知りたくて,ページを捲る手を止めるタイミングを逸する程度には,脂の乗った田中芳樹節が堪能できる.
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全1巻
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[評価]
★★★★★ 星5つ
[感想]
まず驚いたのは中国からインドに向かう道として、チベット越えのルートが存在していたことに驚いた。
さらに驚いたのはそのルートで3度もインドに行ったことがある人物が存在していたということだ。
その王玄策はこのインドへの使節としての活躍しか記録が残っていないようだ。2度目の使節としてインドに行った際の物語がこの作品というわけだ。
しかし、この人物が乱世に生まれていたら一廉の人物として大成していたのかも知れないが、唐時代でも特に平和な時代だったことが歴史に埋もれる結果となってしまったわけだ。
インドでの戦いは敵対者の隙をうまく突き、二国の将兵をうまく纏め上げ鮮やかに勝利している。面白かった。 -
一桁世紀に、支那の文官が、天竺へ行って、いろいろあって掴まったのでちょっと脱走してその辺で兵士借りてちょっとボコって帰る、といふ史実とやらに取材した話。
しかもこの方、衒ひのないものながら、玄奘三蔵法師の関係で一回、これの後まう一回、普通に天竺往復したんですって奥様。
支那人はウシについて、息の他に乳汁は基本摂取しないといふトリヴィアが面白かった。
藤田和日郎先生の表紙はかっこいいのであった。 -
王玄策と言う唐初に天竺まで使節として旅をし、天竺に起こった不当な王朝を正す話。
史実(もちろん詳しいことは?)には一応のっているらしい
チベットとネパールの軍隊を率い、インド側の軍を破るのだからたいしたもの。 -
中国・唐代、王玄策という人とその一行が天竺(インド)へ旅します。
その道中の冒険の話。
知恵を働かせて、&勇気・観察力…etc.…で、ふりかかった災難に立ち向かっていく主人公。
結構、史実を元にしているらしいです。
台詞以外の部分が、漢文読み下し文のような文体で、かつナレーションのように書かれていて、読みやすく、どんどん読めます。
面白かったです。 -
歴史上にはあまり名前の出てこない人物が、実は凄い事をやってのけていたんだよ。ごく簡単にいうとそんな感じ。
物語は紙芝居を観ているような口調で進行します。