君の望む死に方 (祥伝社文庫)

  • 394人登録
  • 3.36評価
    • (15)
    • (52)
    • (58)
    • (24)
    • (2)
  • 51レビュー
著者 : 石持浅海
  • 祥伝社 (2011年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396337001

君の望む死に方 (祥伝社文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 今回の碓氷優佳は,論理的にというか,自身の経験と直感で動いているような気がして,その辺は消化不良.
    しかし,ラストシーンに向けての悪女的な振る舞いと計画には,鳥肌.

  • 前回は犯人視点からの叙述ミステリ。
    今回は『被害者』予定側の叙述ミステリ。
    共通点は、それぞれの計画を碓氷優佳が邪魔をするということ。
    かつての盟友の死に負い目をもっていた主人公は、その息子に殺されるため、経営する会社恒例の本人には内緒の集団見合いに彼を招く。
    集団見合いを円滑に進めるための煽り役として、甥の安東(前作『扉は閉ざされたまま』に登場したお坊ちゃま)とその婚約者、および甥の後輩である碓氷優佳を招く。
    主人公は殺されるためにいろいろ仕掛けを施していたのだが、何者かによってそれが次々に破壊されていく。
    もちろん、優佳だということは読者は知っているわけだが、主人公もそのことに気づき恐れを抱く。
    そして、前回と同じ「名探偵vs犯罪者」の対決が始まる。
    この作品のトリックやロジックはそれほど目新しいものではないし、少々無理もあるが、この名探偵のキャラがかなり個性的だ。
    謎を愛するわけでもないのに謎を追求し、モラルを重視してるわけでもないくせに犯行の邪魔をする。
    今回はなぜ止めたのか、という理由は少し人間ぽいが彼女が最後にしたことは加害者の思いをどこまでも正しく理解し、そのうえをいく提案までしてみせるところが、やはり普通ではない。

    劇中劇的なもので会社の中でよくあるハラスメントが出てきたが、似たような事例を個人的に聞いたり見たりしたのでよくわかる。
    やるんだよな~。ほんとーにあんなしょうもないこと。

  • うん。良かった。期待通り。
    非常に石持浅海さんらしいミステリーだと思う。
    これだから石持作品は外せないんだよねぇ。

    ソル電気の創業者日向が余命半年の宣告をうけて考え付いたのが、自分を親の仇と恨む同社社員である梶間に殺させること。
    しかもその計画を当の梶間にも悟られず、さらに完全犯罪にすべく日向自らが舞台を整えていく。殺される者が殺す者の為に。
    しかし、全くの第三者である碓氷が日向の思惑を読み解き殺人を防ぐために舞台を一つずつ壊してく……。と。

    最後までハラハラドキドキ。
    心情的にはもう殺させてやれよと。
    碓氷さん邪魔しないであげてよと。
    そんな気持ちで読んでましたよ(笑)

    終わり方も好き。最後まで楽しめる。読後の余韻もいい。
    まさに石持浅海!な本でした。

  • わたし、この女(優佳)嫌いだわ。
    いきなり何を書くんだって感じですかそうですか済みません。でも読み進めるにつれ、どんどん嫌いになっていったから仕方ない。嫌いというか、怖いから嫌だ、に近い。話自体は面白くて好きだけど、ちらちらと優佳の顔が脳裏に思い浮かぶたびにイヤーな感じになっちゃうんだよお。
    ひとまずあらすじ。

    発電システム等の世界的メーカ、ソル電気の創業者、日向貞則は癌で余命幾何と宣告され、どうせ死ぬなら、と今は亡き同志の息子、梶間晴征に殺される道を選んだ。梶間には彼を殺す理由があり、日向は死にたがっている。果たしでとうやって相手に気付かれずに、また会社に傷をつかせないよう完璧な殺人を遂行させるか――。日向がとった行動とは――?
    そして舞台に選んだ保養所での研修で、ゲストとして招待した三人のサクラの一人、碓氷優佳がゆるりと歯車を狂わせる。

    初、石持さん。面白くてドンドン読んでいこうと心に決めた。
    まず結果ありき、の話で、何にも情報がない――日向に残された日が少ないことも解らない状態で、殺人が起きたことが告げられる。ああ、これはその殺人事件を解決させる話なんだ、という先入観一が生まれ、続く本章に入ると、事件が起きるまでが紹介される。そこで日向が死んだのか、でもその日向は殺されたがっている。――ん、どういうこと? と疑問に思ったが最後、一気に読んでしまった。
    正直、日向が殺されたいと思ってる理由が納得できないし(ネタバレになるため書かないよ)、ただがんで死ぬのが怖いのを取り繕ってる風に聴こえてしまったのは果たしてわたしだけ? でもね、そんな共感云々は抜きにしても、日向の人間性は会社を一流と呼ばれるまでに押し上げた人独特の魅力と風格がある。でも梶間が所詮駒だと思うと馬鹿らしいんだ、すべてが。魅力と風格が幻だったの、と思ってしまう。
    でも面白い。
    研修の内容もなかなか興味深いし(実際そんなことが行われていたらぞっとするけど)、呼ばれた社員四人の気負い方、反応も楽しい。なかなか自由な時間が取れないと内心焦る梶間もその理由が色恋沙汰となると、滑稽じゃない。
    でもね、全てが優佳の手中にあって彼女がコントロールしていると思うと、ぞっとする。日向の「自殺」を阻止しようとしているのは早々に見当がついて、日向が邪魔されたことを気付くたびに梶間に感じた滑稽味と似た思いを抱いてたのしくなる。でもさ、それ以外のモロモロも時にはしつこいくらいにえぐり込まれると、怖い。重罪を防ぐために、彼女は小さな犠牲を気にしない人間なんだろう。ぞっとする、というような感想を日向が抱いた意味が読んでいて解るのだ。
    事件を解決していく、というものではなくて、優佳の結論に至るまでの思考が語られる。もちろん日向の意図は彼からの視点で語られている個所に述べられているから、答え合わせも出来るのだ。
    鎌をかけたりハッタリを飛ばす、といった展開は好きだけれど、「完璧」な彼女だからこそ、一貫して論理を選んでほしかった。
    そしてラスト――からのループ。
    果たして結果は――? 
    何気に作者からの挑戦状が叩きつけられているっ! 終わり方、個人的には超好み!

  • 殺そうとすると者と、殺されようとすると者の話。
    スリル感が少なかった。

  • 珍しい嗜好のシナリオ。それまでの準備展開を終えての最後の件はスピード感があってよかった。大オチを気持ちいい

  • いちいち補足説明が多くて興冷め。脳内の思考経緯や状況説明ばかりで、表現方法もかなり普通の作文。テーマ自体はおもしろい気もするが残念。

  • 探偵役の女性(前作でも出てきてますが)に感情移入できないと言いますか、ストーリー上はサブと言いますか、後から現れて"かっさらってく"ので、おのずとそうなるのですが、可愛げがないといいますか、人となりがわからないまま論理的な頭いいキャラを出されると、あまり好かれない人になってしまうなと。

    最後の終わらせ方もチョット中途半端かなぁ。
    読む人の創造に任せるタイプのエンディングは、よくあるとは思いますが、結構好きじゃない人多いんではないでしょうか。
    作者なりのエンディングが見たかったナリ。。。

  • 石持先生が書く人間にはあまり悪人らしい悪人がいない、と言うのが、5、6作読んでる現時点でのイメージです。
    犯人に同情の余地を残す、と言うより、「残し過ぎる」、そんな心理描写が印象的な作品が多いんですよね…。はっきり言っちゃうと、犯人の動機や感情が現実離れしすぎかしらん、ということなんですが←

    今作もその石持ルールは遺憾なく発動しています。
    読者はいつも通り、倒叙ミステリの本作の序盤で明らかになる犯人の人物像や犯行動機に、「人殺そうとしてるのに悪人じゃねーな」と心を寄せちゃうわけですが。

    本作で特筆すべきは、読者のみならず、「被害者自身」までもが犯人を応援していることです。

    何だったら、いろんな舞台設定整えちゃいます。
    目立つところに凶器だって置いちゃいます。
    犯人が逮捕されないようにいろいろタネ仕掛けちゃいます。
    プロバビリティの殺人ならぬ、プロバビリティの自殺といったところでしょうか。

    う…うそくせー!!
    さすがミステリー!あり得ない心理描写簡単にやっちゃうよね〜

    とか野暮なことを言ってはいけません。

    そんな現実的ではない被害者(候補)の「被殺害」動機にさえ目を瞑れば、めくるめく探偵のターンが始まるのです!

    「被害者候補」の意図を薄々汲み取っちゃった探偵が、仕込んだネタをことごとく無効にしちゃうんですが。その方法がなかなかエグいんですね。
    殺人という名の自殺を止めるためなら関係ない第三者を危険にさらすことも辞さなくってよ、と言わんばかりです。

  • 東野圭吾的な読みやすくて
    ページをめくる手が止まらなくて
    ラストが明かされないまま
    余韻を残して終わるミステリー。

    楽しめました。

全51件中 1 - 10件を表示

石持浅海の作品

君の望む死に方 (祥伝社文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

君の望む死に方 (祥伝社文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

君の望む死に方 (祥伝社文庫)の新書

君の望む死に方 (祥伝社文庫)のKindle版

ツイートする