入らずの森 (祥伝社文庫)

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  • 祥伝社 (2012年3月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396337438

入らずの森 (祥伝社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • これは、スゴイ(^ ^;

    オカルトであり、ホラーであり、伝奇物であり、
    基本的には「絵空事」なのは100%承知しておりますが。
    それでも、「絵空事部分」以外の描写がリアルで、
    もしやあり得るかも、と思わされてしまう(^ ^;

    登場人物が、みな良い(^ ^
    会社勤めに嫌気がさして、田舎暮らしを始めた男やら、
    大きな挫折を抱えて仕方なく中学教師をやってる男やら、
    親との確執から祖母と暮らす金髪の女子中学生やら。

    田舎の人も、中学生から偏屈な爺さんまで、
    皆それぞれに「実にいそうな」キャラクターで(^ ^
    性格も人間関係・力関係も実にありそうで、
    これがまた物語にリアリティを与えている。

    主要な登場人物それぞれの視点で話が進み、
    中盤に差し掛かるとストーリーが絡み始め、
    終盤次々にパズルのピースがはまるように
    全ての伏線がカチッと収まって一本の線になる様は、
    もはや小気味よいほど(^ ^

    ともすれば「ご都合主義」と取られかねないような、
    え、そう来たか的な展開もあるのですが、
    そこに至るまでの丁寧でリアルな描写と、
    事前に釘を刺すような「全てに意味がある」的な台詞で、
    偶然が必然に転換されてしまう。
    むしろ「なるほど、だからこそ、か」と思う展開(^ ^

    例によって細かいことを書くわけにはいきませんが...
    本当に最初から最後まで「隙がない」印象(^ ^

    不気味なシーンでは鳥肌が立ち、
    時にホロリとさせられるシーンもあり、
    一冊で二度も三度もおいしい佳作(^ ^
    映像化したらとても魅力的になりそうな作品です(^ ^

  • 怖がりの癖して、なんでこんな本を次々に買ってしまうのか。帯には「注意!夜一人で読まないでください」とあるし、こんな表紙の本が家の中にあるというだけでも怖いのに。カバーをしっかりかけて、しかも酔っぱらっていたら怖さも感じないかもしれんと思い、お酒を飲みながら読みはじめました(笑)。結果、しらふでも大丈夫です。終盤は怖いどころか、いい話で泣きそうにすらなりました。

    愛媛と高知の県境近くの山間の村。まもなく廃校になる中学校に赴任した圭介。廃校にあたり、みんなの思い出になるものをつくろうと、各学年テーマを決めて取り組むことに。圭介が受け持つ生徒たちは、歌い継がれてきた校歌の由来について調査を開始するうち、村人たちから「不入森」と呼ばれる森に平家の魂が閉じ込められているという噂があることを知る。さらにはこの一見のどかな村で、数十年の間に二度も殺人事件が起きていると聞かされる。いずれも村で疎外感を抱いていた人物が犯人で、突然気が狂ったようになり、猟奇殺人に及んだという。

    何かが潜む森の話なら、三津田信三の『ついてくるもの』に収載されている「八幡藪知らず」のほうがよほど怖い。ホラーの苦手な者にとって、怖い以上に物語として面白いかどうかが読みたい気持ち持続の決め手となるわけですが、怖さの点ではたいしたことがありません。都会で心が折れて田舎暮らしをはじめた隆夫という男が次第に狂っていく過程がいちばん怖い。表紙となっているのは、両親が離婚して祖母が暮らすこの村へとやってきた、金髪の不良少女・杏奈。それがわかればこの表紙も怖くない。彼女と同級生たち、それに祖母に終盤泣かされます。こんなホラーなら大歓迎!と思ったのですけれど。

    このエピローグは個人的には要らないと思う。せっかくいい話だったのに、エピローグで一気に世俗的に。ホラーとしてはこんな〆のほうがいいのでしょうけれども、私はその前で終わっておいてほしかったなぁ。

  • “死んでも残る念”の恐ろしさは感じるけれど、粘菌に馴染みがないので圧倒的な恐怖は今ひとつ。狭い集団の人付き合いの方がよっぽど…。画像検索もしたけど、粘菌躍動の力の入った描写やクライマックスがどうしても想像しにくかった。
    そんな苦戦の反面、結集した杏奈の同級生たちの活躍と杏奈を最終的に救った決め手がストレートに胸を打つ。
    次々と見事に回収されていく伏線にもゾクゾクさせられっぱなし。別々の点だった場所と人が一つの線になった瞬間、驚きと興奮の高ぶりが背筋を一気に駆け上がってきた。思わぬ満足感に遭遇。

  • 文句なしに面白かった!
    平家落人の伝説が残る四国の集落。
    過去にそこで起きた残忍な事件。現代とどう繋がるのか。

    オカルト、伝奇要素が満載で、特に校歌に残された謎を探すシーンは本当に堪らなくウハウハしながら読み進めました。
    まとめ方がとても上手く、最後に色々な事が繋がっていき思わずため息が漏れました。
    久々に面白い伝奇小説が読めました。満足満足!

  • いや~よくできてる作品だ。
    訳あって四国の山あいの中学校で教師をしている金沢圭介、会社勤めが嫌になり脱サラして夫婦で農家を営む松岡隆夫、認知症と心臓を患い埼玉の病院で最期の時を迎えようとしている菅田ルリ子。それぞれの話が並行して語られる。
    圭介の中学校の校歌にまつわる過去が明らかになり、何の繋がりもなかった三つのエピソードが一つに繋がったとき、思わず鳥肌が立った。
    平家の落人伝説、粘菌、南方熊楠、意図的に消された校歌の3番の歌詞、天井裏からしか見えない部屋にいる少女・・・
    ぬり、にゅるり、とぷん、ぴゅちょ、ぎゅるあらゆる気持ち悪い擬音語を駆使して表現される「それ」の不気味さ。
    自分が「それ」に取り込まれていくような心もとなさを感じながら、読む手が止まらない。
    人間の強い負のエネルギーを養分にして巨大に育つ「それ」は深い森の中で今もじっと機会を狙って待っているのか・・・あ~怖かったよ~。でも最高に面白かった。

  • 書店のあおりに興味をもって、購入。

    あんまりホラーを読む趣味はなかったのですが、
    どんな怖いんだろうと思って。


    鄙びた四国の山村で起こる不気味な現象と、謎の伝承。
    嫌いではない、のですが。。。

    この小説は、予測不可能であるということが、きっと生命線なのではないかと
    思うのですけれど・・・
    どうしても、とある同人ゲームにかぶってしまって、既視感がすごかったです。

  • 山間の町で繰り返される陰惨な事件と不気味な森、謎の生物との戦いというB級ホラー。謎の生物の動機や生体にはかなり無理があるが、ハラハラ巻はあるし、子どもたちの頼もしさや、新人教師の頑張りはよかった。

  • 2017.04.02 読了。

  • まあまあ面白かったんだけど、このジャンルであれば明野照葉さんの小説にはまってしまった過去があるので、申し訳ないが新鮮味は感じられなかった。

  • たまたま見かけたホラー作品。ちょっとフリが長かったけど展開は良かった。映画化しやすそう。アイドル主演で。

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入らずの森 (祥伝社文庫)の作品紹介

陰惨な歴史が残る四国山中の集落・尾峨に赴任した中学教師・金沢には、競技中の事故で陸上を諦めた疵があった。彼の教え子になった金髪の転校生・杏奈には、田舎を嫌う根深い鬱屈が。一方、疎外感に苛まれるIターン就農者・松岡は、そんな杏奈を苦々しく見ていた。一見、無関係な三人。だが、彼らが平家の落人伝説も残る不入森で交錯した時、地の底で何かが蠢き始める…。ホラーの俊英が、ミステリ要素満載で贈るダーク・ファンタジー。

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