木暮荘物語 (祥伝社文庫)

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著者 : 三浦しをん
  • 祥伝社 (2014年10月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396340698

木暮荘物語 (祥伝社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。
    思わぬ展開に、すこしばかり赤面しながら読了。

    一番好きだったのは#ピース
    友人の赤ちゃんをあずかることになった女子大生のお話。
    赤ちゃんに振り回され、彼女が次第にママになっていくのが微笑ましかったです。
    後は、妙なきっかけでヤクザと知り合いになったトリマーの恋物語も。

    登場人物の人間くささが、妙にせつなかったり、
    どこか人肌のぬくもりのようなものを感じる短編集でした。

    それにしても、人間という生き物は面倒くさい生き物ですね。
    煩悩を抱え悶々としていながら、生半可なプライドが邪魔をして素直になれない。
    それに比べて、ジョンのなんとお気楽なことか。
    あぁ、羨ましい。

    ちなみに、シャンプーされたら毛の色が変わって、柄が出てきたジョン。
    どれだけ汚れてたんだ!(笑)

  • 三浦しをんさんの本は9冊目になる。
    出会いとなったのは【風が強く吹いている】
    それまで三浦さんの本を手にしたことがなかった私が、【風が…】と出会えたのはブクログのおかげ。
    全く知らなかった本だったが、ブクログでの評判がとても良く、読んでみようと思うきっかけとなったから。
    それが2010年のこと。
    それから三浦さんの本は7冊読んだことになる。
    【舟を編む】や【まほろ駅前多田便利軒】なども読んだのだが…
    【風が…】の時のように心に強く吹き込んでくる本とであえず…
    たまたま、古本屋さんに並ぶこの本を手にしたとき、帯にキョンキョンの「あぁ、私はこの物語がとっても好きだ」という書評が目に入った。
    その結果、「これは、読まなくちゃ~」となったわけで~(笑)
    で、読んでみたら、面白かった!
    日曜日の遅い朝、オウボンパン(カフェ)で読み始めたら…
    思わず、吹き出してしまった!!
    本を読みつつ、声を出して笑ったのは久々~(苦笑)
    そこからはもう、面白いと思ったり、ちょっと切ないと思ったり、考えさせられたり、7作の連載短編に気持ちを持ってかれました。

    小田急線・世田谷代田駅から徒歩5分の築ン十年のおんぼろアパート”小暮荘”
    2階建て全6室。
    1階に住むのは大家の小暮老人。
    その隣には3人の彼氏がいる女子大生。
    2階にはフラワーショップで働く女性と女子大生の部屋をのぞき見する男性。
    この4人を取り巻く人々の連載短編小説。

    読み終えて、思うこと。
    小暮荘は建て替えないで~!
    そして、小暮荘物語、カムバ~ック!!

  • クライシスノベルを読んだ後で、本書を手に取ると、ホッとして、何気ない毎日が愛おしくなってくる。
    おんぼろアパートの住人とその周りの人々。
    こんな人たちがいるアパートに、住んでみるのも一興か。

  • 見た目はぼろで安普請だけど、小暮荘の住人とそこに集まる人々には愛がいっぱい詰まっている。
    つながり方は一風変わっているが、笑いあり、涙ありで安らぎをもたらしてくれる、味わい深い物語だ。
    ここで暮らせるのは、人生のほんのひとときかもしれないけど、こんな温かい生活がずっと続いてほしい、とひそかに願ってしまう。

  • ひそかな私の目標。「舟を編む」を読破すること。そのために三浦さんとお近づきになりたくて手に取った一冊が思いのほか(失礼)面白かった。

    小説は「文学」と「読み物」に区分されているとは、金原さんの解説。
    私は何を求めて小説を読んでいるのか? ひとえに「現実逃避」。
    知らない世界が面白かったり、つまらなかったり。
    出会ったことのないような人がすること、考えること、感じることに共感できたり笑えたり、イラついたり怒ったり…。
    この時間が生活の中にあることが自分を取り戻すことができていると感じられることなので、誰かが作り上げた「お話」や「時代」の中に身を置くことが私の読書。
    ならば、文学でも読み物でもいいか…

    この本、面白かった。一人一人みんな生きてるんやなぁと当たり前のことになんか感動した。

  • 同じアパートに住む一癖ある住人とその周辺の人々を描いた連作短編集・・・という形式自体はけして目新しくはないので、1話目(元カレに押しかけられて三角関係になる女子の話)の時点では、こんな調子でありがちな恋愛ものとか続くんだったら微妙だな・・・とちょっと思いかけたんですけども、2話目で大家のおじいちゃん(70代)がセッ○スセッ○スと連呼しはじめて(笑)、3話目で駅のホームの柱に水色の男根…もといキノコが生えてくるにいたり、俄然面白くなってきました。

    同じアパートの女子大生を覗く変態サラリーマンとか、元カノをストーカーしつづける放浪男とか、現実にいたら通報レベルの変人も、小説の中だけなら面白がれます。しをんさんにしては珍しく、どの話にもわりと頻繁に「セッ○ス」という単語が出てくるけれど、とくにエロティックな描写があるわけではないので、個人的にはあまり深く受け止めませんでした。真面目に追及すれば、そういう行為を経て生まれてくる命のこととか、生と死と性と、みたいなテーマがあったのかもしれないけど、奇人変人ほのぼのストーリーとして読むだけで楽しかったから別にいいかな。

    お気に入りはトリマー女性と犬好きヤ○ザの「柱の実り」、女子大生が友達の赤ちゃんと暮らす「ピース」。ラストの「嘘の味」は、ニジコさんのキャラクターはとても好きだったけど、並木のようなタイプの男がどうも苦手で(多分作者はよく書くから好きなタイプなのだろうな)放浪癖があるくせにストーカー気質というのも、ちょっと矛盾していた気がしました。

  • 築何十年のおんぼろアパート「小暮荘」を取り巻く住人や隣人たちを描く短編集。どの作品も性と食と住が描かれていて、同じように流れているようで時に残酷で生々しい日常の感じがとてもリアルだった。巻末に収録されている小泉今日子さん、角田光代さん、金原瑞人さんの書評も素敵。おんぼろアパートというと、少し前に読んだ湊かなえさんの「Nのために」の野ばら荘を思い出した。

  •  木暮荘の住人とその周りの人々の連作短編集。特に印象的だったのは死ぬ前にもう一度セックスがしたいおじいさんの「心身」と、子どもを生むことができず複数の男とセックスする女子大生の「ピース」。両者とも誰かに求められたいという気持ちが強いのであって、その形は実は必ずしもセックスじゃなくてもいいのだと感じる。だからこそ話し相手ができただけで心が落ち着いたり、自分を必要として生きる赤ちゃんを慈しんだりするのだと思った。世間の恋愛や性にまつわる固定観念へ疑問を投げかけ、問題自体はヘビーだけど、読後感は軽やか。

  • 空き室あり。入居者募集中!

    101号室→木暮(大家):死ぬ前にもう一度、あれがしたい...。
    102号室→光子(女子大生):刹那的な恋にのめり込むある日...。
    103号室→空き室
    201号室→神崎(サラリーマン):いい奴ですが、覗き趣味あり。
    202号室→空き室(神崎がこっそり使用中)
    203号室→坂田繭(花屋店員):彼のいる部屋に元彼が...。

    おもしろくて一気読み。

  • 築ウン十年のおんぼろアパート木暮荘。
    どの物語にも性がつきものになっているんだけど、特に官能的な訳ではなく、抵抗なく読めると思う。大家さんがセックスセックスと言い出したときは笑ってしまったが。住人はみんな一癖ありな問題を抱えていて、みんな変だけど、みんなイイ。「黒い飲み物」はちょっと怖くてあまり好きになれなかったが(この話の主人公は木暮荘の住人ではないので、まいいか)。
    木暮荘の犬をシャンプーしたいトリマーとヤクザの交流のお話「柱の実り」と、不妊の女子大生が生後間もない赤ちゃんを突然預けられる「ピース」が特に好き。性と同時に「生」のお話でもあって、この二つは切り離せないんだろう。
    木暮荘の人々のそれぞれの繋がりも良くて、特に女子大生と大家さんの関係は素敵。

    彼といる自室に元カレが転がり込んできて奇妙な3人の生活を送る「シンプリーヘブン」も良かったけど、その後別の話でこの元カレが最後新しく恋を始めたときは、「おいおい、あんたはふつーに幸せにならずにストーカーでいてくれよ」と無神経ながらも思ってしまった(笑)。
    みんな、愛すべき変人だ!

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木暮荘物語 (祥伝社文庫)の作品紹介

小泉今日子さん 「あぁ、私はこの物語がとっても好きだ。」 (「読売新聞」2011年2月6日)

小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年。
ぼろアパートを舞台に贈る〝愛〟と〝つながり〟の物語。

小田急線の急行通過駅・世田谷代田から徒歩五分、築ウン十年、全六室のぼろアパート木暮荘。そこでは老大家木暮と女子大生の光子、サラリーマンの神崎に花屋の店員繭の四人が、平穏な日々を送っていた。だが、一旦愛を求めた時、それぞれが抱える懊悩が痛烈な悲しみとなって滲み出す。それを和らげ癒すのは、安普請ゆえに繋がりはじめる隣人たちのぬくもりだった……。

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