木暮荘物語 (祥伝社文庫)

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著者 : 三浦しをん
  • 祥伝社 (2014年10月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396340698

木暮荘物語 (祥伝社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 小田急線世田谷代田駅から徒歩五分。住宅街に建つ古びた二階建て木造アパート『木暮荘』。この味わいあるアパートを舞台に、住民と周辺の人々の愛と繋がりを描く連作小説。
    他人に表だって口外できないけど、生きていく中で大切な『性』。共有したいわけではないけど理解はしてほしい。どちらかというと小市民の彼彼女たちの静かに秘めた気持ちが、痛いけど爽やかに伝わる。小さな名作です。

  • 面白かった!並木くん、いいなぁ〜幸せになって欲しいです。

  • 小暮荘というボロアパートに住んでる人それぞれの短篇集。いいキャラクターの人たちがどんどん出てくるので面白い。性的な表現が多いから苦手な人もいるかもしれないけど、私は嫌な感じはしなかった。

  • アパートの木暮荘に住む人々の性と人間模様などを描いた作品。狭い空間の中に、様々な年齢層、境遇、職業、男女の関係を持つ人たちが暮らし、男女の関係について思想の異なる人達から見えてくる人間模様や、性に関する考えの違いなどはピンク系も出しているがいやらしくなくて面白い。それぞれの生き方が違い、思っていたイメージとはまた違う生活感も出してして、濃密な生活ぶりが出されていると感じる。色々な事情を抱え、木暮荘で壁が薄いことによる生活音が気になりつつも健気に生きている姿が良く、彼らの今後も気になる。

  • 世田谷代田のぼろアパート、木暮荘の大家さんと住人達を描いた、連作短編集。
    一つ一つの話がつながりを持っていて、一つの大きな作品を読むのと同じような充実感がある。

    巻末の角田光代さんのことばを借りれば、登場人物たちはどこか「過剰か、欠落」した人たち。
    (それは、私も同じだ。)
    その人たちを通して描いているのは、「セックス」のこと。

    濡れ場の、煽情的な描写なんて、まったくない。
    例えば、大家の木暮さん。
    長年まじめに勤め上げ、人生の終わりを意識するようになり、ふと、しかし強烈に「セックス」への渇望に気づく。
    しかし、長年連れ添った妻からは、照れ隠しなのか、本気なのか分からない形で拒まれる。
    そこで木暮さんは怒りや焦燥感の中で、自分の人生とは何だったのか、と自問せずにはいられない。
    卵子を作れない体に生まれた女子大生、光子は、家事もせず、一時に何人もの男とつきあうような生活を送っている。
    ある時友人に赤ちゃんを押し付けられ、世話をする中で、産めない自分が小さな命を慈しむ力を豊かに持っていることに気づく。
    写真家の瀬戸並木は、恋愛とセックスがうまく結びつかない。
    こんなふうに、どの人物も、その人の人生の相似形として、セックスの問題が浮かび上がってくる。

    テーマ的には切ない話が多いけれど、そこが三浦作品というべきで、どこかおかしさが漂う。
    甘くて、辛くて、酸っぱくて、でも後を引く食べ物のような感じ、だろうか。

  • 角田さんの書評(?)のとおり。出てくるのはどこか変な、面倒な人間がほとんどだが、なんとなく共感できてしまうところもある。性に関する話は共通しているが、いやらしくはない。でも少し胃もたれする。
    ミネの話が一番よかった。

  • ひとつのアパートにまつわる人々を短編で描く
    ・元カレが転がり込んでくる若い女性
    ・セックスしたい年配の男性
    ・ヤクザと仲良くなるトリマー
    ・夫が浮気している花屋/喫茶店の店主
    ・男をとっかえひっかえする女性を覗く男性
    ・友達から子供を預かる、妊娠できない女性
    ・女性の部屋に転がり込むカメラマンの卵

  • 連作短編集。

    何となく、ほのぼのとした人情物語なのかと思っていたんだけど、ちょっと違う。

    そこにあるのは、セックスという生々しいもの。

    それぞれの住人が、それぞれの事情で、極端な話、セックスについていろいろ思いを馳せる。

    それは、住人同士の繋がりだったり、まったく関係なかったりするんだけど、妙に気になったりする。

    不思議な読後感なんだけど、多分、数ヶ月後か数年後には内容を忘れてしまうような気がする。

  • 面白かったです。
    思わぬ展開に、すこしばかり赤面しながら読了。

    一番好きだったのは#ピース
    友人の赤ちゃんをあずかることになった女子大生のお話。
    赤ちゃんに振り回され、彼女が次第にママになっていくのが微笑ましかったです。
    後は、妙なきっかけでヤクザと知り合いになったトリマーの恋物語も。

    登場人物の人間くささが、妙にせつなかったり、
    どこか人肌のぬくもりのようなものを感じる短編集でした。

    それにしても、人間という生き物は面倒くさい生き物ですね。
    煩悩を抱え悶々としていながら、生半可なプライドが邪魔をして素直になれない。
    それに比べて、ジョンのなんとお気楽なことか。
    あぁ、羨ましい。

    ちなみに、シャンプーされたら毛の色が変わって、柄が出てきたジョン。
    どれだけ汚れてたんだ!(笑)

  • 三浦しをんの小説を初めて読んだ。どんな話なのか、予備知識無しで、きっとほのぼのして小さな感動が詰まってるんだろうと期待してた。途中から、共通項は小暮荘というアパートだけではなく下ネタ、いや「性」なのか、とびっくり。もしかして、電車や喫茶店でこの本を読んでたら、恥ずかしい本?て思いながら読み進めた。

    とても読みやすくて面白いと思った。でも、好きか嫌いかと言えば、好きではない。話が急転直下な感じがするし、そんな人いるわけないじゃん、って人が登場したり。ごった煮な印象が強くて、余韻があまり無かった。でも、またこの作家の小説は読んでみようと思う。

  • 2017年1冊目の読了本にしてはちと生々しかったかも。キョンキョンのオビにひかれて購入したが、私の好きなしをんさんとは違う路線だったな。でも心に刺さる文がところどころあるのはさすがだと思った。

  • 日々の疲れている時に、
    ほっこりさせてくれる一冊。

    ほのぼのーつーか、まったりつーか
    気構えなくてサッと読める。

    小暮壮住人の近辺のお話、
    とありがちな構成でありますが、
    キャラがたっていていい感じ。

    大家の小暮さんの話で笑い
    ラストの並木ではしんみり。

  • ★3.5。
    映像化されることが容易に想像できるほど映像的小説。複数のキャラを交錯させる連作は現在の流行りですかな?なかなかグッドなエンターテインメントであります。
    でもちょっと世界が狭いのかな?ここのところ日本人的感性を疑わせる事件というか出来事が多いため余計にそう感じたのかもしれませんが、手の届くような身近とも思えるお話に身を浸すだけではいかんと思う今日この頃。

  • 小暮荘に住む人たちの、ほのぼのとした日常を描く短編集
    …かと思いきや!
    どの話の底にも、性的な感覚とかやりとりとか、そういうのがあって、でも、それが全然いやらしくないかんじであって、たぶん、日常ってそういうことなんだろうなと思った。

    夫が浮気をしていた喫茶店の夫婦の話は、普通に腹が立ったけど、最後は受け入れるんだなぁ、と思った。なにが正しいのかは分からないけど。
    あと、一番最初の話に出てきた、海外からかえってきた男の子(並木くん)は、1話めではなかなか魅力的で、颯爽と去っていったけど、あとから、未練たらたらで別れた女の子の回りにいた、とかいう話も、なんとなくリアルだと思った。

  • 世田谷代田にある木造アパートの住人たちと、彼らを取り巻く人たちの物語。
    それぞれの日常のある期間を切り取る。ある人には事件が起こり、ある人には出会いがあり。それを通してなんらかの心の変化を描いているのだが、それぞれに共通する項目は性。強弱はあるが、性に対する疑問や執着、欲求などがテーマとなる。いたって普通な感じの人たちの話なのに、そこに性の話題が絡んでくると途端になんだかイビツな感じがする。それが狙ったものなのかはわからないが、読後感は良いとは言えない。

  • 読んでよかったと思った。代田の町を思い出した。小暮荘の住人は、みんな不器用であったかい。あったかいのにちょっと孤独。孤独なのに読んだ人はきっと共感すると思う。

  • おんぼろ木造アパート「木暮荘」を取り囲む7つの短編。
    どの物語にも、そこはかとなく「セックス」が見え隠れしている。
    2階の住人が1階の女子大生の生態を覗き見する『穴』が面白かった。これこそ、安普請の木造アパートでないとありえない設定。
    他のストーリーは、まあ木暮荘じゃなくてもいいんじゃない?的名な気もした。
    2016/11

  • どの短編もおもしろかった。
    一編、花屋&喫茶夫婦の話はイヤだったなー。
    怒髪天よ!

    女子大生と赤ちゃんのお話、すごく好きだな。

  • 住人の生活音が筒抜けの木造住宅・小暮荘の住人や、その周辺の人達を中心にしたオムニバス小説。

    今まで読んだ三浦しをんの小説は、「次はどうなるの?」って感じで早く次のページが読みたい、って感じだったんだけど、これはちょっとそういう感じじゃなかった。結構退屈?好きなのは、小暮荘に住む派手目な女子大生・光子の話。

  • 木造アパートの住民が織り成す、ハートフルコメディと言ったところか。「性」がキーワードになっており、「女性の性欲はそういうものなのか。こどもがいない年配の女性はこう考えるものか。。」などと考えて読む。内容は女性向きなのだろうか、性に対しての表現方法が何か引っかかり、違和感を感じる。話としては面白いんだけれどもね。

    意欲作かもだが、私は本著者の他の作品の方が好き。

  • 出来ることなら、私も穴から覗きたい。

  • 個性的な登場人物の物語がなんだかほっこりします。
    短編集なのでとても読みやすかったです。
    三浦しをんの本は初めてだったのですが、他の本も読みたくなる内容でした。

  • 1つ1つの話が小暮荘を中心に繋がっていて、
    読んでいるうちにピースがはまっていく読了感がよい小説

    一人一人の住人は、何かが過剰だったり何かが欠落していたりする。
    そんな、変な人たちを描きながらも、その人たちの心の動きが丁寧に描かれている。

    続編があれば読みたい。

    ・・・以下、気に入った文・・・

    ・穴

    些細なことだ。
    女子大生を愛するものも、女子大生が愛するものも、その中に1人もいないのならば。

    光の中に全てを晒して

    このアングルから他人の部屋を定点観測しなければ、絶対に気付けなかった。

    ・ピース
    黒飴
    スーパーで飴の棚が目に入るたび
    あれはどのメーカーのだったんだろと探してみる。
    ぼんやりと記憶に残るパッケージに似たものは見当たらない
    家の近くでしか売ってない、ローカルな菓子メーカーの飴だったのかなと思う。

    食事と一緒だなと思うようになった、
    食材や料理に対する好みはある。調理の上手い下手はある。
    でも結局のところ、大半の食事は、大した感慨もなく機械的に体内に収めるものだ。
    お腹が減ったらまた食べる。それだけのものだ。

    何かを決めるのがめんどくさくて嫌だっただけなんだ。

    こんなに力なく無防備な生き物がいていいのか

    子供がいないやつは、血だか遺伝子だかの流れに乗れない、何にも残さず生まれて死んでいくだけの生き物ってことになるのか?

    心と体を形作る、何億ものピースの1つとして、私と暮らした1週間は、はるかの中に残るだろうか。

    ・嘘の味
    怠慢が愛を枯らすのだと

    そんな言い訳は、愛の表現を怠った理由にはならない。

    巨大な魚の胃袋に飲み込まれた人みたいに、にじこはなんだか途方に暮れて見えた。

    本当におめでたい

    今度こそ、間違えずにいよう。
    今度こそ、細心の注意を払って、ニジコの心に言葉を届けよう。
    あなたが好きです。あなたとつながりたい。

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木暮荘物語 (祥伝社文庫)の作品紹介

小泉今日子さん 「あぁ、私はこの物語がとっても好きだ。」 (「読売新聞」2011年2月6日)

小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年。
ぼろアパートを舞台に贈る〝愛〟と〝つながり〟の物語。

小田急線の急行通過駅・世田谷代田から徒歩五分、築ウン十年、全六室のぼろアパート木暮荘。そこでは老大家木暮と女子大生の光子、サラリーマンの神崎に花屋の店員繭の四人が、平穏な日々を送っていた。だが、一旦愛を求めた時、それぞれが抱える懊悩が痛烈な悲しみとなって滲み出す。それを和らげ癒すのは、安普請ゆえに繋がりはじめる隣人たちのぬくもりだった……。

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木暮荘物語 (祥伝社文庫)のKindle版

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