南極風 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 210
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396341176

感想・レビュー・書評

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  • 笹本稜平さんの小説は何冊か読んだ。どれも良かったが,これはその中でも素晴らしかった。アスパイアリング,行ってみたくなります。

  • ニュージーランドの山=アスパイアリングの魅力的な描写、落石事故による遭難からの決死の脱出劇も臨場感たっぷりで、それだけでも楽しめる。
    それに加え、この事故が、未必の故意による殺人だと決めつける検察の異常な訴追。その背後にあるのは何か、不気味さに読み手の興味はいやがうえにも増すばかり。
    無実を訴える主人公の森尾ばかりでなく、今回のツアーに参加した面々、弁護士の岸田、そして何より検事の湯沢、それぞれが重要な役割を果たしていて、山岳小説+リーガルサスペンスと、一冊で2度楽しめるエンターテイメントと言っていい。
    「・・・人生というのは自分で闘いとるべきものだと思うから」という、主人公の姿勢が最後に勝利を引き寄せ、爽快な読後感となっている。

  • 迫力のある山岳小説と面白い法廷ミステリーの二つが同時に味わえる贅沢な作品。

    ニュージーランドで登山ガイドを務めていた森尾正樹はアイスパイアリングでツアー客と共に遭難事故に巻き込まれる。何とかツアー客を救出した森尾だったが、保険金殺人の容疑で逮捕される。冤罪を強く主張する森尾だった…

    遭難事故の状況と森尾に対する検察の取り調べが交互に描かれ、徐々に事故と事件の真相に近付くのだが、断片的な描写であるがゆえ、少しやきもきする。しかし、第八章からは遭難事故の真相がリアルに迫力の描写により描かれ、俄然、目が離せなくなる。さらには検察の厳しい取り調べから法廷での闘いへと畳み掛けるような展開が非常に面白い。

    生命を賭けた圧巻の雪山行、自らの人生と信念を賭けた法廷での闘い…待ち受ける結末は…

  • ニュージーランドの山、アスパイアリングは3000メートル級である。高さでは世界のレベルには届かないが周りには氷河があり高山植物がある、なかなか美しい山である。この山の登山ツアーを専門に扱う旅行会社に勤める主人公、森尾正樹が同行したパーティで事故は起こった。
    彼は奇跡の生還を遂げ、その献身的な行いが賞賛されたが、数年後、突然逮捕され、殺人罪の疑いをかけられる。
    登山での奇跡の生還「肉体的な生還」と、司法界での無実の証明「社会的な生還」という生還を描いた山岳、司法(?)小説である。

  • あらすじ
    ニュージーランドの名峰アスパイアリングで起きた遭難事故が、森尾正樹を奈落の底に突き落とした。登山ガイドの彼は悪天候のなか瀕死のツアー客を救出し一躍英雄となるが、突如、保険金殺人の容疑で逮捕されたのだ。冤罪を主張するも検察の取り調べはあまりに作為的で―眺望絶佳な山の表情と圧巻の雪山行、そして決して諦めない男の法廷対決を描く愛と奇跡の感動作。
    感想 海外山岳物語、ダイナミックな感じかした。

  • 山岳小説として初めての笹本稜平作品✨
    すごく山の描写がリアルで、実際にニュージーランドの山に登っているような臨場感がありすぐに物語にのめり込みました。裁判でのシーンや仲間の描写も丁寧ですぐに読破しちゃいました〜
    特に山の風景の描写が、実際に目の前で見ているような感覚ですっかりファンになってしまった。

著者プロフィール

1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。主な著書に『ソロ』『K2 復活のソロ』(祥伝社文庫)他。21年逝去。

「2023年 『希望の峰 マカル―西壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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