ジャッジメント (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396342159

感想・レビュー・書評

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  • 新人弁護士の元に 高校時代の野球部のエースでプロ野球の道に進んだ球友の弁護依頼が舞い込む。
    所属していたチームの監督殺害容疑。
    無罪を信じて戦う、弁護士、妻、元チームメイト。

    現在の法廷と高三の夏を交互に。高三の夏がどんな終わり方をしたか、徐々にわかってきます。そして、法廷と試合の両方の勝利を期待しながら読むことになります。
    家庭の事情で 弱小チームで甲子園を目指すことになったエースへの チームメイトの想いが最後に明かされます。ここで、序章が鮮やかによみがえります。
    プロ野球のスカウトとか、トライアルとか、高校球児がプロとなる厳しさとか、関わる大人の汚さとか、知らない世界で面白く読みました。

  • 高校時代に甲子園を目指した野球部のチームメイト。
    彼らが時を経て被疑者と弁護人となり。
    過去の高校球児の時代と現代を行き来しながら物語は進んでいく。
    真相を解明するために。
    かつてのチームメイトたのために奔走する仲間達。
    そこに隠されていたもの。なかなか読み応えありました。
    序章の物語がこう繋がるのかと、最後の最後で分かりました。
    仲間達の絆という、心温まる物語でした。

  • 懐かしい長崎弁も心地よく、温かい友情が根底に流れていて、引き込まれた!
    甲子園辞退と現在進行形の冤罪に、チームで挑む様子にワクワクした!

  • ラストに感動で震えた!法廷ミステリーと青春小説の融合という、一粒で二度美味しい非常に面白い作品だった。著者の作品は全て読んでいるが、これまでの作品とは全く違うジャンルに挑んでおり、著者の並々ならぬ意欲を感じた。

    戦力外通告を受けたプロ野球の投手・宇土健太郎が殺人容疑で逮捕される。彼を弁護するのは、かつて一緒に甲子園を目指した新人弁護士・中垣拓也だった。法廷で繰り広げられる中垣と宇土の闘いと、過去に中垣が宇土が共に挑んだ甲子園への道のりが交互に描かれる。どちらも結果が非常に気になるのだが、まさか、まさかの…

    これ以上は何も言えないが、間違いなく面白い小説である。

  • 評価は5。

    内容(ブックデーターより)
    プロ野球チームの監督殺害の容疑で、戦力外通告を受けた投手が逮捕された。新人弁護士・中垣拓也のもとに弁護の依頼が舞い込む。容疑者はかつて共に甲子園を目指した球友、宇土健太郎だった。高三の夏、ある事件をきっかけに絶交した二人。脳裏には、ほろ苦い“約束の記憶”が蘇る。中垣は宇土の無罪を勝ち取れるのか?法廷サスペンスと青春小説が融合する傑作ミステリー。

  • 高校時代の野球部のチームメイトが、被告人とその弁護人という形で再会する。被告人は殺人事件の犯人と目されているけれど本人は否認し、弁護人はそれを信じ、起訴されたら99.9%有罪と言われる、その”えん罪”を晴らそうとする。昔の、甲子園の予選県大会の試合の進行の回顧と、裁判の攻防の進行がシンクロしていて面白い。裁判で弁護側が検察側をやり込めていく部分はすかっとするが、最後にひっくりかえしたように思えるところで、あっさりおわってしまったような。裁判手続きの様子などそこまでしっかり描かれていたので、証拠をひっくり返した後の、「だから」という”決め”もしっかり描かれていたら完璧だったと思う。

  • かつての高校野球部の仲間が、殺人犯に。無実を信じる、元チームメートの駆け出し弁護士が、奔走する。

    青春時代の仲間たち、そして、大人になってからの邂逅。

    こういうシチュエーションは、多いが、
    青春の爽やかさを残しつつ、法廷ものの駆け引きなどが楽しめて、
    なかなか、面白かった。

    主人公は、駆け出し弁護士の中垣。

    プロ野球チームの監督が殺害され、
    その犯人として、同じチームで、監督から戦力外通告を受けていた
    ピッチャーの宇土が逮捕される。

    中垣と宇土は、弱小高校野球部のチームメイトで、
    宇土はエースとして、甲子園を目指す逸材、
    一方の中垣は、控え投手だった。

    中垣と宇土の間には、複雑な因縁があるのだが、
    無実を訴える宇土を信じて、中垣は弁護を引き受ける。

    だが、公判が始まる前に、宇土と監督が
    会っていたところを見たという目撃者が現れる。

    宇土は、監督と会ったのは午後十一時で、すぐに別れたと主張。
    目撃証言は、二人を見たのは、事件が発生した時間に近い、
    午前一時だというもの。

    中垣は、その証言を崩して、宇土の無実を証明できるのか。

    この作家さんの、「エンマさま」シリーズなどとは、一味違った作品で、
    新鮮だった。

    中垣が、いい人過ぎるという感じを受けたが、
    かつての仲間たちの、大人になっても変わらない爽やかな友情と共に、
    謎解きの面白さもあり、一気に読んだ。

  • 面白かったです
    とくに最終章は野球の試合の経過と裁判の経過が
    小刻みに展開されてどちらも先がきになってしまう

    プロ野球の戦力外にされた選手が殺人で
    逮捕された
    それを弁護士になった友が担当になり
    裁判で無罪を争う
    また高校時代の試合も同時に展開され
    甲子園への切符の行方も気になり
    という感じでした

  • プロ野球チームの監督殺害の容疑で、戦力外通告を受けた投手が逮捕された。新人弁護士・中垣拓也のもとに弁護の依頼が舞い込む。容疑者はかつて共に甲子園を目指した球友、宇土健太郎だった。高三の夏、ある事件をきっかけに絶交した二人。脳裏には、ほろ苦い“約束の記憶”が蘇る。中垣は宇土の無罪を勝ち取れるのか?法廷サスペンスと青春小説が融合する傑作ミステリー。

    初めて読む作家。青春ものとしてもリーガルミステリとしてもやや中途半端。

  • 高校球児だった中垣と宇土。
    久々の再会は監督殺害容疑者となった宇土とその弁護をする中垣という構図だった。
    高校時代に色々とあった野球部だったが、中垣は宇土の無罪を勝ち取れるのか?
    高校時代の試合の記憶と法廷での現在とを織り混ぜた、青春物語。

    2016.11.6

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著者プロフィール

佐藤青南
一九七五年長崎県生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第九回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、二〇一一年同作でデビュー。一六年に『白バイガール』で第二回神奈川本大賞を受賞。ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、「白バイガール」シリーズ、絶対音感刑事・鳴海桜子が活躍する『連弾』『人格者』『残奏』など、著作多数。近著に『犬を盗む』『ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻』『ストラングラー 死刑囚の逆転』がある。

「2023年 『残奏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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