パレートの誤算 (祥伝社文庫)

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著者 : 柚月裕子
  • 祥伝社 (2017年4月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396343002

パレートの誤算 (祥伝社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 生活保護費の不正受給及び貧困ビジネスに絡む社会派ミステリー。
    時には新聞などで目にしたことはあるが、あまり触れられないこれらの問題をテーマに、エンタメに仕立て広く世間に告知した著者の意気込みを評価したい。
    社会福祉の現場を活写し、生保受給者にもそれこそいろいろな人がいることを、読者は知ることができる。
    そして、この問題を取り上げながら、けっして社会的弱者を切り捨ててはいけないというメッセージを、著者は題名『パレートの誤算』に込めている。
    終章で綴られる学生の寄稿文を載せたいがため、この小説を書いたのではないかとさえ思える。

    事件を解明すべく活躍する主人公聡美のキャラクター造形とともに、もう一人注目すべきは刑事の若林。それまで如何にも刑事らしい冷静さといやらしさで彼女の反感を買っていた若林が、彼女の危機に際しては態度を一変。
    警察法第一章第二条を唱え、電光石火で彼女の救出に向かう場面で、カタルシスを感じるのは読み手ばかりではないだろう。

  • 柚月裕子『パレートの誤算』祥伝社文庫。

    文庫化されたので再読。

    やはり、柚月裕子は期待を裏切らない。何よりもストーリー展開のテンポが良く、ミスリードの使い方も非常に上手く、全く飽きることなく、一気読みした。

    生活保護受給者のケースワーカーとして市役所で働く牧野聡美は職場の先輩、山川の変死事件をきっかけに社会の闇に絡め捕られていく。生活保護を巡る事件と社会の闇。闇の底に巣くい、生き血を啜る輩の正体は…

    女性作家としては珍しく、本作では暴力団と警察の迫真の描写が描かれている。非常に思い切った挑戦であり、柚月裕子の意欲を感じる。この暴力団と警察の描写が、傑作『孤狼の血』につながったのかも知れない。

    解説は香山二三郎。

  • ベテランケースワーカーの山川が殺された。新人職員の牧野聡美は彼のあとを継ぎ、生活保護受給世帯を訪問し支援を行うことに。仕事熱心で人望も厚い山川だったが、訪問先のアパートが燃え、焼け跡から撲殺死体で発見されていた。聡美は、受給者を訪ねるうちに山川がヤクザと不適切な関係を持っていた可能性に気付くが…。生活保護の闇に迫る、渾身の社会派ミステリー!

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    ベテランケースワーカーの山川が殺された。新人職員の牧野聡美は彼のあとを継ぎ、生活保護受給世帯を訪問し支援を行うことに。仕事熱心で人望も厚い山川だったが、訪問先のアパートが燃え、焼け跡から撲殺死体で発見されていた。聡美は、受給者を訪ねるうちに山川がヤクザと不適切な関係を持っていた可能性に気付くが…。生活保護の闇に迫る、渾身の社会派ミステリー!

    不正な生活保護受給や知らぬ顔の行政・・・普段でも余り良い気持ちを持っていないのであっという間に入り込めた。生活も出来ないのに子供を連れて離婚とか・・・こういう親って国からただでお金貰えれば良いわ~程度しか考えてないんだろうなぁ~。実生活でも周りに沢山いたわ~皆揃ってブランド尽くめ&内縁の夫有りだった。
    一部は本当に真面目な人もいると思うけど・・・そもそも自立支援なんだからお金を渡す必要は無いと思うけどね。お米券とかにすれば闇ビジネスにもなりにくいのでは?

  • さすが柚月さんだ。こんな、一見地味な題材で、サスペンスを書けるなんて。
    生活保護費の問題について考えさせられた。年々受給者が増えて立ち行かなくなっている現状。不正受給に貧困ビジネス…。
    ヒロインも頑張ったが、個人的に若林の有能ぶりにワクワクした。こんなに自由に動ける刑事は、他の警察小説読んでもいないだろう。

  • 誰からも慕われている、市役所の社会福祉課で働く職員が焼死体で見つかったことから、生活保護制度を悪用した犯罪が明らかになっていく。生活保護制度にスポットをあてた社会派の小説だが、殺人事件の推理小説でもあり、最後まで犯人が分からず面白かった。

  • 周囲の評価が高い殺されたケースワーカーの素顔と生活保護の不正受給疑惑。新人職員が生活保護の闇に迫る、渾身の社会派ミステリー。
    タイトルの基になった「パレートの法則」とは、ある分野における全体の約八割を、全体の一部である約二割の要素が生み出しているという理論。経済論にも組織論にも当てはまるが、著者の視点は社会的弱者にあるので、読後感はわりと温かい。テーマ的に困難な設定を、見事な着地点でエンディングを迎えている。

  • 本屋に並べてあったので、何の先入観もなく購入。
    予想に反して刑事物を含んだミステリーだった。

    生活保護を焦点に不正受給を突いた風刺作品とも言える。

  • 結末が知りたくて一気に読んだ。
    生活保護の不正受給はテレビで見かけたことはあるものの貧困ビジネスはこの本を読んで初めて知った。ヤクザってほんと抜け目ないよねーと思う反面 ほんとに必要な人にあまりハードルが高くても困るとも思う。
    面白かったんだけど このテーマならもう少し厚みが欲しいというか あっさり読めちゃったのが物足りなく感じた。柚月裕子だから ちょっと期待が大きすぎたのか…。
    ほんとは星3.5あたりかな。

  • 久しぶりにガチの推理小説を読んだという感じです。
    貧困ビジネスと呼ばれる生保の不正受給がテーマですが、スピード感もあり引き込まれました。
    ドラマ化されるかなー。

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