分水嶺 (祥伝社文庫)

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著者 : 笹本稜平
  • 祥伝社 (2017年8月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396343415

分水嶺 (祥伝社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 大雪山で幻のオオカミを探す男と山岳写真家との出会いから、この物語が始まる。
    彼の父とも交流があった男は、殺人罪の刑を終え刑務所を仮出所したばかり。しかし、彼の容疑には冤罪の疑いがあり、その謎の解明と幻のオオカミ探しが同時に進行する。
    山岳小説に、警察小説、それに動物小説が融合した贅沢な作品。
    オオカミを探し求めての中盤までは、冗長な部分も無きにしも非ずだが、後半は冤罪を画策した犯人との攻防、雪山での遭難と、一転緊迫感を増して一気に読ませる。
    ここでオオカミは、自然破壊を繰り返す罪深き人間と対極をなすものとして描かれる。昔は、オオカミがいて豊かな自然が保たれていたのに、文明に毒された人間はその大事なことを忘れていると。
    「オオカミは大自然が人間社会に派遣した親善大使のような存在」と、登場人物に言わせる。
    山岳小説の泰斗ともいうべき著者の自然観が、如実に表されている作品でもある。
    また、写真家の父親の言葉として「奈落の上の綱渡り」が再三語られる。人生を例え、その綱とは何かを信じること、そして信じて渡るか臆して逃げるか、と。
    「信じて渡る」爽やかな男たちの物語である。

  • 笹本稜平『分水嶺』祥伝社文庫。

    厳冬の大雪山を舞台にした山岳ミステリー小説。笹本稜平の山岳物だけに十分面白いのだが、少し詰め込み過ぎのように感じた。冬山と殺人ミステリー、幻のオオカミと男のロマンをかき立てる要素はぎっしり詰まり、物語の核となる登場人物も皆、強い志を持つ男ばかり…些か出来過ぎ。

    急逝した父親の遺志を継ぎ、山岳写真家として新たな人生を踏み出した風間健介は厳冬の大雪山で亡き父親と親交のあった田沢保と知り合う。絶滅したはずのエゾオオカミの生存を信じる田沢には殺人罪で服役した過去があり、再び田沢の周囲できな臭い事件が起こり始める…

    絶滅したはずのオオカミを描いた作品には、柴田哲孝の『WOLF』、熊谷達也の『漂泊の牙』、西村寿行の『魔の牙』など面白い作品が多いが、本作もその中の一作に十分なり得るだろう。

  • 北海道を舞台にオオカミをめぐってお話が進みます。
    現代の山岳小説作家としてはぴか一ですね。

    ぐいぐい引き込まれていきます。

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