- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396343859
感想・レビュー・書評
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東京で働くバリバリのキャリア志向の姉、聡美。
田舎から出たことのないおっとりした性格の妹、愛美。
仕事のトラブルが原因で長期休暇中の聡美と、寿退社をして結婚式までは羽を伸ばしてくらしたい愛美が生活を取り替えっこすることに。
お互いのカレシを巻き込みながらも、姉妹のこと、自分のことに向き合って成長していくふたりの話。
家族ってお互いのことをよく知ってるようだけど、本当に苦しんでることを案外理解してなかったりする。故に無神経な発言をして相手を苦しめたり…。でも結局許しあえてしまったりできるのが家族の素敵なところ。だよね。
ラストの宝石のエピソードが効いてる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
長女と二女姉妹でも性格は違うけれど、やはり血のつながった2人。お互いの生活を垣間見ることで、最後は分かりあえる。
2人とも幸せになれそうな結末でよかったです。 -
よく似てるといわれる姉妹。
でも二人それぞれの視点から見ると、
世界は反転している。
鏡に映る世界がまったく逆に映ってしまうように。
都会に暮らし大手企業に勤めるキャリア志向の姉と、
田舎でのほほんと暮らし結婚を間近に控えた妹。
仕事も生活も洗練され努力を怠らない姉と、
手の届く幸せで満足する妹。
そんな姉にピンチが訪れる。
年に何度か帰省の際に交差するだけの二人の人生が
ぐっと接近する。
姉が追い求めていた幸せを、妹が疑似体験する。
妹が日々送っている世界を、姉も疑似体験する。
お互いの日々にいいなと感じる部分もあれば、
やっぱり違うなと首を振る部分もある。
ではこれまでの自分の日々が満点かというと、
そうでないと気づく点もあるし、
かけがえのないものと気づかされる点もある。
二人の人生はまったく違っていて、
でもやっぱり似ているといわれる。
根は同じだという人もいる。
姉妹って、そういうものかもしれない。
家族もそうかもしれない。
夫婦も段々そうなっていくのかもしれない。
自分の中に他者の人生があり、
他者の中にも自分の人生がある。 -
ずっと気になっていながらなかなかご縁がなく、やっと本屋さんで出会えた本。
姉・聡美が東京から帰省してきたことをきっかけに、実家で生活していた妹・愛美と生活を交換するところから始まる。
私自身もふたり姉妹であり、姉の立場なので、ついつい聡美側に感情移入して読んだ。愛美はちゃっかり者でそんな姿を見て正直イライラしたり、つい感情的になって喧嘩し、大したことではない事で仲直りする辺り、どこの姉妹も一緒よね〜なんて改めて感じた。
2人のその後が気になる。 -
正反対の性格で、家族とは言えやはり女と女、だけれどもやっぱりどこか似ている。そのような"ふたり姉妹"独特の関係性や距離感を絶妙に表現している。瀧羽麻子さんの文章はスッと染み込んでくるように読みやすい。
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私は自分がお姉ちゃんだから、お姉ちゃんにどうしても感情移入して読んでしまった。
そう、お姉ちゃんは本心から田舎を馬鹿にしているわけではない。
ただ、田舎を捨てたフリをして精一杯強がっていないと、東京で暮らしていけないのだ。